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「後はそうだね。少し向こうの世界の説明をしておこうか。これから行くのは第87宇宙に有るセカンドアース。地球と同じ球形の惑星に大陸が4つ。2つに人族、1つに獣人族、1つに魔族が多く暮らしている。因みに今は魔王も勇者も居るけど、テンプレよろしく勇者が魔王に惚れちゃってさ。今じゃ仲良くイチャコラしてるから魔王退治だー、とかは要らないからね?
で、当然そんな世界だから冒険者ギルドが有れば、迷宮も存在する。先の大戦のせいで何処の国も疲弊してるから国家間の戦争はしていないみたいだね。今の勇者と魔王が死ぬまでは種族間戦争も起きないと思うから、存分に遊んでこれるよ!」
「おぉ。迷宮は潜ってみてぇな。」
「それなら紫苑君がとある島のとある迷宮の最深部に有る迷宮のコアに「いずれセカンドアースに再び早乙女の者が送り込まれた時の保険」って言って刀を一振り埋め込んで来てるんだよ。これの回収をお願い」
「ん?使っちゃダメなんですか?何故に回収?」
「うん。迷宮のコアってすごい量の魔力を含んでいてね。その中に刀を埋め込んで千年も経っちゃったせいで、このまま行ったら魔王所か神に届きうる武具になっちゃいそうなんだよ。このまま放置しても紫苑君が勇者の力をフルに使って、早乙女の者以外じゃ取れないように幾重にも結界を張ってるから現地人じゃどう足掻いても取れないんだけど、存在してるって時点で神の立場としてはよろしく無いんだよ」
「成程。取ったら如何したら?」
「教会に行けば何かしらの神が居ると思うから、その子に渡してくれればいいよ」
「分かった。因みにとある島って何処よ?」
「んー。じゃぁ向こうに着いたらちゃんと解る様にしておくよ」
「りょーかい」
「後はそうだなぁ。」
う~ん、と首を傾げ。
「あぁ。隼人君は紫苑君とは違って、死んでからの転移だからもうこっちに帰ってくることは出来ない。返すべき肉体も残っていないしね。そこだけは僕にもどうしようもない世界の仕組みだから。受け入れてもらうしかないかな」
「あぁ。別にいいさ。死んだのに異世界とは言え生かしてもらえるならそれだけで」
「そっか。隼人君ならそういうと思ったよ。さて、僕からはこれ位だけど隼人君からは何か質問とかあるかな?」
そう聞かれ少し考える隼人。