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「そいや結局初代のチートって何だったんです?魔眼はそうっぽい反応でしたが」
「向こうは所謂、剣と魔法の世界でね。ステータスもスキルも有るからステータスの上乗せと、普通には取得できないスキルを幾つかだね。君にあげるのは紫苑君が向こうに残していった分の能力だよ。帰ってくる時に魔眼とステータスは貰うけどスキルは要らないって言うから外したんだよ」
「って事は、強くてニューゲーム、みたいな奴ですか?」
「Lvやステータスは引き継がないけど、アイテムボックスの中身はそのままだから、似たような物かな?まぁこれは僕から、と言うよりはご先祖様の遺産、みたいな物だから僕からはこれをあげるよ」
そう言って、2振りの太刀と2振りの小太刀を渡してきた。
「さっきまで君が使っていた刀だね。中身は同じものだけど、鞘に能力を付けたよ。」
刀の方は只の無名の物だしこの際良いとして、鞘に魔眼を向けてみた。
鉄鞘
自動修復、自動調整が付いた鞘。鉄製。
「自動修復?自動調整??」
「そ。刃毀れしても、例え折れてしまっても鞘に入れておけば一晩で元通り。他の刀を手に入れた時にも使えるように自動調整だね。自動修復はそのコートにも付けておいたから。防刃コートなんでしょ?」
「うわ。そりゃまた何ともいい鞘をどうも。挙句コートまでとは至れり尽くせりですな」
と言いつつ太刀を1振りずつ両腰に差し、小太刀を上下に襷掛けのように背負う。