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「因みに初代の紫苑君は召喚されたくちで、君がこれから行く世界じゃ伝説の勇者だよ」
「ってうぉ~~い!!人が感傷に浸ってる間にとんでもねぇ爆弾ぶっこんで来やがったな!!初代が召喚?!でもこっちで死んだはずだろ!ってもしかして俺が持ってない魔眼はあんたが与えたチートか?!」
「あぁ。紫苑君に能力上げたのは向こうの子だよ。紫苑君は召喚されて向こうに行ったから、諸々説明したり能力あげたりは向こうの子の仕事だったんだ。僕はそれを事後報告として聞いただけさ。後、口調乱れてるよ?」
おっといかん。明らかに格上な相手の機嫌を損ねて良いことなど有るわけ無い。クールだクール。
「んんっ!」
と、咳払いを挟み込み、
「・・・で、初代はどんな感じに?」
続きを促した。
「うん。依頼が魔王退治だったんだけどたった半年で完了してね。その後は世界中の強い魔物を狩りまくったらしいよ。」
「おぉ・・・初代もジャ○キーだったか。早乙女家が暗殺家業なんぞ始めるわけだ」
「で、3年くらい経ってからかな?冥界から苦情が来てね。「たった1人分でも調整は面倒なんだから仕事が終わったなら返して欲しい」って。向こうも只でさえ強い上位宇宙の存在に能力まで与えちゃったもんだから持て余しちゃったみたいでさ。「是非ともお引き取り下さい」って。紫苑君も帰りたいって言うから、返してもらったのさ。
ホントは下位宇宙から上位宇宙への転移は必要エネルギーも莫大だし、そもそも僕含めそこらの神が与えられるチート程度じゃ魂が存在を保てないからやらないんだけど、紫苑君は元々此方の人間だし神達の思惑も一致したしで帰って来れたわけさ」
ふーやれやれ、みたいなポーズをし出す自称神。
意外とオーバーリアクションだなぁ。