8
アルタンとララタンは心配になって
ユイタンとセラタンの後をコッソリつけることにしました。
ユイタンとセラタンに何かあった場合には
自分達が囮になって
二人を逃がしてやるつもりでいたのです。
そして…
アルタンとララタンの心配した通り…
ユイタンとセラタンは人間に捕まってしまいました。
「凄えぞ!服着たハムスターだ!」
「喋ってるぞ!」
「見世物にすれば客がドッと押し寄せるぞ!」
と言って人間がユイタンとセラタンを離しません。
「「仕方ないわね…」」
結局、最悪の予定通りに
アルタンとララタンは囮になることにしました。
「ちょっとアンタ!見る目がないわね!そんなジャンガリアンよりもゴールデンの私の方が賢くて役に立つことが判らないの?ジャンガリアンを離してやりなさい。その二匹を掴んだままだと私を捕まえられないわよ!」
と言ってララタンが人間の前に姿を現しました。
「おおっ!何だ!今度はゴールデンハムスターだ!こいつも服着てて喋ってるぞ!しかも毛並みも良いぞ!」
人間はララタンの誘導に乗って
ユイタンとセラタンを手離し
ララタンを追いかけることにしました。
その間にアルタンがユイタンとセラタンを逃がします。
「こっちよ!」
ユイタンとセラタンを森の方へと逃すと
アルタンはララタンが捕まっていないことを祈りつつ
ララタンの元へと引き返しました。
すると人間が更に二人あらわれました。
「おやっ!服を着たハムスターだ!」
「珍しいぞ!」
「もう一匹いたのか!捕まえろ!」
「いや、犬を連れて森へ入れ!」
「さっき逃げた二匹の向かう先にまだ仲間がいるかも知れないぞ!」
人間達が本格的にハムスター達を捕まえようとしたのです…。