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人間だった時もアルタンとララタンは相棒でした。
その頃のアルタンとララタンの名前はアルとララ。
二人は女刑事だったのです。
そうーー
儀式殺人の捜査をしていた最中…
容疑者の女を監視していたところ
こちらが監視していることを容疑者本人に悟られてしまいました。
ララタンの脳裏には
容疑者のほくそ笑む口元が今でも目に焼き付いています。
アルタンとララタンは監視カメラの映像を観て
容疑者が決定的な証拠をカメラの前で晒したのだと
確信して踏み込んだ筈だったのですが…
監視カメラ映像は容疑者自身が差し替えた捏造映像だったらしく
容疑者宅には何の証拠もありませんでした。
それどころか
アルタンとララタンが踏み込んだ部屋の床には
大きな魔法陣が描かれていて
その魔法陣が不思議な光を放ったかと思った
次の瞬間ーー
アルタンとララタンの姿は何故かハムスターに変身して
2人は何処とも知れぬ森の中に居たのでした…。
アルタンとララタンがハムスター村の皆から
「魔女」と呼ばれている理由の一つは
彼女達が賢くて薬草を使って病気を治したり
害虫を駆除したりできるからですが…
その他の理由は
「長生きしていて歳をとらないから」
なのです。
ジャンガリアン達は短命です。
なのにアルタンとララタンは長生きで
しかも歳を取らない。
それが異様に見えるのです。
ですがアルタンとララタンは
「本物の魔女」
の存在を知っています。
自分達をハムスターに変身させてこの世界に転移させた
儀式殺人の容疑者…。
アルタンとララタンがハムスター村に初めて来た時の
村民達の名前は…
儀式殺人の被害者達の名前とよく似ていました…。
しかも性別や特徴まで一致していたのです!
アルタンとララタンは
「あの容疑者が殺した人達をハムスターとしてハムスター村に転生させていた?のではないか」
という推理をしました…。