光闇戦線8
八、――との出会い
*****
和勝が九歳のとき始めて闇獣の友達ができた。その頃の和勝は偉零と毎日のように遊んでいた。龍福家と二条家は仲が悪いので、二人とも両親にバレないようにほとんど人が来ることのない森で遊んでいた。遊んでいる最中、背後に闇獣の気配を感じたので、和勝は光の球体を背後の茂みに向かって放った。当たった手応えはなかった。
「また闇獣?倒したの?」
「いや、多分倒せてねぇと思う」
二人は恐る恐る茂みに近づくと、人間の子供のような姿をした闇獣が倒れていた。
「人型の闇獣?めっちゃ強いんじゃなかったっけ?」
「油断できねぇな」
二人はその闇獣をもう一度よく見た。闇獣は痩せていて、所々に傷があった。
「この傷、和勝のさっきの攻撃でついたの?」
「多分当たってねぇ。あそこに光の球体が当たった後がある」
和勝が指を刺したところは地面が抉られて穴になっていた。
「すげぇ痩せてるし、食べ物ぐらいは持ってきてやるか」
二人は食べ物を探した。食べ物が集まったので、闇獣を起こそうと肩を揺すった。闇獣は起き上がり、目の前の食べ物を見て、余程空腹だったのか、勢いよく食べ始めた。食べ終わると闇獣はじっと和勝たちの方を見た。二人は少し身構えたが、それは杞憂に終わった。
「ありがとう」
闇獣は感謝の言葉を口にした。和勝と偉零はこの闇獣が悪い奴ではない気がして少し安心した。
「俺は和勝。こっちは偉零。お前の名前は?」
「俺は――だ」
闇獣は――と名乗った。そこから三人で遊ぶようになり、一緒に過ごすうちに二人は――のことについて知っていることが増えていった。兄弟がいて兄弟が大好きなこと、身寄りがなく親でない闇獣に従っていること、その闇獣に命令され和勝を殺しにきたこと。だが、もう和勝を殺そうとは思っていないようだった。――は子供の遊びをほとんど知らなかった。二人は――にいろんな遊びを教えた。――は初めて知った遊びをとても楽しんでいた。三人で遊ぶ日々が、いつのまにか三人にとって一番幸せな時間になっていた。しかし、そんな楽しい日々は長くは続かなかった。




