第4話
ハンターと構成員
1
ピー
イヤホンマイクのスイッチをONにした。
「博士〜 終わったよ〜」
ベージュの軍服にデニムパンツのヒーローは、あっけらかんと答えた。
「ああ、ご苦労 で、これからどうする?」
淡々した口調でイヤホンから電子音が聴こえた。
「取り敢えずファーストフード店でも探すとするよ」
と、予定を話すと
「インターネットがこれ程普及しているのに気の長い事だ」
電子音がお疲れモードだった
「博士〜人と人との繋がりって大事ですよ、データ以上の何かを得る事だって出来ルンですよ」
と、明るく諭すも
「…………………………」
電子音が沈黙した。無視かよ!
2
取り敢えず適当なファーストフード店に入る事にした。
ハンターズ達は、ファーストフード店のセットメニューを使って情報交換が成されている。
例えば、バーガーが隠れ家、ドリンクが物資、ポテトが情報と云うように各メニューに象徴されるものが割り振られそれらに詳しい者に接触する事が出来る。
組織の人間とのやり取りなので、逢えれば全ての情報を得る事が可能であるがセットメニューを使った暗号がいい加減だと逢う事も出来ないので正確な暗号は、重要である。
「ご注文は、お決まりでしょうか」
と店員が元気いっぱいに注文を聞いた。スマイルが有料かと心配になる位。
「ミックスチーズバーガーのセットとドリンクはオレンジと、もう一つブラウンサイダー」
会計を済ませすぐさま出された商品を持って、外のイートインスペースに席を獲った。
この場合、発見されやすい所を確保する必要が有るのでまさにこの席は、ベストポジションと言えよう。
「じゃセットするか」
隠れ家が必要なので、バーガーを一口食べて包み紙を開いてその上にバーガーを置くこれで準備完了あとは、待つだけである。
だが、ここからが長いポテトとドリンクを飲み食いしながら待つこと三時間
「うあーもー飽きた帰ろう」
ヒーローは、ちょっと冷めて固くなったバーガーを一気にたいらげ氷も溶けきって温くなったドリンクを飲み干し食べ終わった容器を捨て、店をでた。
二日目、成果なし
三日目、変わらず
四日目、
ブルブルブルブル
マナーモードにしていた携帯端末がバイブで着信をしらせた。
携帯端末を見るとメールが一件、博士からだ。
【Drブッラクスミス】
【まだか】
【毎回思うのだがこんな原始的な方法、時間を無駄に浪費しているだけではないかね】
博士は、待たされてたいそうご立腹の様だ
「博士は、気が短いなー」
微笑ましいメールに苦笑いしていると、スーツの男が現れた。
「少し相席をお願いしても宜しいかな」
そう聞いてくるスーツの男は何も持っていない、こちらに用が有るのは明らかだ。さて、敵なのか味方なのか
「困るなー今待ちわせしているから遠慮してくれないかな」
一旦断って様子を見る事にした。
「それは、失礼しました。 しかしながら見たところだいぶお待ちの様子だったので御力に慣れればと思いまして」
と、スーツの男は柔らかな口調で語りかけてきた
ビンゴ♪
「ふ〜ん、じゃ相席いいですよ」
スーツの男は、席に座りこちらが食べ終わるのを待った。
「此処では、なんですので落ち着ける場所で話しませんか」
スーツの男と共に店を出ることにした。
3
「隠れ家だったね案内するよ」
歩きながら喋った。
「コードネームはヒーロー、君は」
ちょっと自己紹介してみた
「私は、ハンターズの構成員です。なんと貴方がヒーローでしたか。確かDrブラックスミスとペアーでしたはずDrは、どちらに?」
へーグイグイ来るねー初対面で何もかも話せる程信用出来ないしなー
「博士とは、別行動です」
と、軽くあしらってやった。
「それは、残念ですね」
残念ですね。べー
4
工業団地内のひとつの工場で、左右に大きなシャッター2階窓と1階ドア2つづつ有る造りの建物が現れた
「ヒーローここです。中に管理人が居るので何かありましたら、その者に遠慮無くお申し付け下さい。それでは失礼」
と言って、構成員は立ち去った。
『ほんとに案内だけだな〜取り敢えず中に入ってみるか』
中には入ると、直ぐに階段が有り突き当りにドアが有ったのでノックした。
「失礼しまーす」
ぶっきらぼうに挨拶した。
「やーこんにちわ、まずはコードを確認させてもらおうか」
奥の机に居た強面の男性が、訪ねてきた。
慌てて、携帯端末を出し自分のバーコードを表示させ男に見せた
「これでいいかい」
「あぁ 有難う、これでいい」
ピッ
男は、リーダーでバーコードを読み取ると
「チームヒーローズのヒーロー君か、間違い無い様だね。改めて、俺はハンターズ構成員でこの隠れ家も管理もしている。解らない事が有ったら何でも聞いてくれ」
管理人が、緩んだ顔で話した。
「じゃどの部屋が使えますか?」
「出て右側部屋を使ってくれ、それと下の工場にある物は好きに使ってくれて構わない。あと守秘義務があって詳しいことは話せないが隣の工場に先客がいるが場合によっては夜五月蝿くなる事も有るかも知れんが気にしない事だ。ハンター何てそんなもんだ」
管理人は、苦笑いで鍵をくれた。
「Drビーストを探しているのですが、今何処に居るか知ってますか」
何でも聞いてくれって言ってたし、取り敢えず聞いてみた。
「あぁ、あの依頼か 俺は専門じゃ無いんで解らんが、連絡しておこう そう言えばマシーンは、どうする有るんだろ」
快諾してくれた。ラッキー流石頼れる男♡
「じゃ 連絡は、明日って事ですね。マシーンは、こちらで何とか出来ます大丈夫です」
ヒーローは、自分の部屋に行く事にした。
「博士、場所解かる」
イヤホンマイク連絡する。
「GPSで場所の特定は、出来ている。全くようやくだな」
イヤホン越しの電子音は、だいぶお疲れの様だ。
「えへへ 今日は、ここで寝ることにするよ。博士も早く来てね」