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第1話

 昼下がりの喫茶店探し


 1


 荒野を1台の車が、恐らく速さとシルエットから推察するにオフロードバギーらしき車が、土煙を従えて車が走っている


 気だるそうに運転しながら。

 ベージュの軍服の上からピストルベルト巻き付け、ブルーデニムとハーフカットのトレッキングシューズを履いた青年は、

「ねー博士……次のチェックポイントこの辺かなー」


 宝石箱のような色とりどりのボタンとLEDで埋め尽くされたハンドル中央の液晶ディスプレイに『sound on』と表示された。

「あぁ そうだな ヒギヌスの谷に一軒、大きな木が目印のカフェがこの街のチェックポイントだ」

 車内スピーカーから機械的な電子音が、冷静に応えた。


  2


 おそらく自然に育ったのであろう

 木の根元の方から沢山枝分かれし、葉を青々と茂らせ高さ20mは有ろう巨樹が巨大な屋根のように育っている。

 その少し奥にステンドグラスが可愛くあしらわれたカフェが、木陰に佇んでいた。

 車内スピーカーの機械的な電子音は、冷静に

「着いたぞ此処ここだ」

 看板には、『珈琲ショップれいな』と店の目立つ処に大きく書いてあった。

 青年は、

『なんて自己主張が強いんだ絶対に店主は、れいなと言うに違いないそして、きっとおばさんに違いない何故ならおばさんは、たくましいから』

などと勝手な想像をしてネーミングセンスにげんなりした。

「なんか怪しい店だなー」


「可愛らしい名前じゃないか、そんな事より早くチェックを済まそう」

 冷静に車内スピーカの機械的な電子音が答えた。


 周りに電球がピカピカ光るLEDのスタンド看板が、ハヤシライスを勧めていた。


 『何で、この店ハヤシライスこんなに推してるんだ。カフェなのに』

 3


  幾本も溝の入った大きな二つのタイヤが両脇に突き出し、真っ赤なボディーのF1マシーンを思い出させる様な細身の流線型、運転席はさながらジェット戦闘機のようで後部には、前輪よりも更に大きなタイヤがそして、地面を強く掴む為に風を受ける大きなウイング備え付けられたレーサーレプリカタイプのバギーを止め青年は、携帯型端末をポケットから取り出し何やら検索を始めた。

「えーと、今期のハンターズランキングは━━━━8位かー」

 ガックシ

 車内スピーカーの電子音声は、

 「ハンターズに順位などたいした問題では、無いのではないか」

 「そんな事ない! 上位3位に入れば賞金も出てスポンサーも増えて、お金ガッポガッポじゃないか」

 「しかし、金を稼ぐだけなら沢山こなせば済む話しだろう」

 「解って無いなー 世界各地にあるチェックポイントを誰よりも早く通過し誰よりも早くゴールを目指し13チームの頂点に輝く それが、このラリーの醍醐味ですよ。博士!」

 「だからと言って、備品調達 マシンメンテナンス 宿泊 諸々(もろもろ)の出費はレーサーがまかなわなければならないルール、懸賞依頼をこなさねばなるまい」

 「だから距離とゴールだけ決まっていて、チェックポイントは選択自由だから最短コース探すんじゃないかー ブーブー」

 青年はほっぺを膨らませぶすーとむくれていた。

 「さて、チェックを済ませてしまおうじゃないか」

 電子音声は、軽くあしらった。


 4


 ボタンを押しドーム状の窓が後ろにせり上がりハンドル中央部に接続された携帯端末を外し胸ポケットにしまい、後部座席に放り投げてあったホルスターにしまわれた特殊警棒をベルトに付け車を降りた。

 耳にイヤホンマイクを付け、

 「はかせ〜、取り敢えずチェックとあの依頼手続き済ませてくるよ」

 「あぁ任せるよ」

 イヤホン越しに、電子音声が呟いた。

 

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