一番あなたに伝えたい思い
この詩を書きたかった
古びた家の中
優しい君の笑顔
車椅子の音
今はもう響かない
ホームレスのお爺さんが来た
五百円だけくれと頼まれた
頭に浮かぶあなたがくれた言葉
情けは人の為ならず
巡り巡って自分に返ってくる
私はあげようとした
その前に大人たちは断った
私は危険だと説教された
今もまだ迷ってる
あなたの言葉とあの思い出が
ずっと頭の中を巡る
あなたが正しいの
大人たちが正しいの
あの時
私だけでも手を差し伸べられたら
何かが違っていたのかな
今もまだ迷ってる
ねぇ、あなただったらどうしてた?
愚直に生きろと教えてくれたあなた
ねぇ、会いたいよ
聞きたいことがいっぱいあるんだ
ねぇ、あなたがくれた私の理想の私は
まだ遠過ぎるところにいる
ごめんね
君の好きだった
庭の白い花
車椅子の上
今は誰も座らない
あなたは意識を失った
毎日会いに病院に通った
頭に浮かぶあなたがくれた言葉
成るように成るさ
ケ・セラ・セラ
あなたもなんとかなると信じた
また明日会いにくると言った
私は家に帰った
その夜電話が響いた
私は嫌な予感がした
電話に出るのが怖かった
震える指で電話マークを押した
病院からの電話だった
あなたの鼓動が止まったと言われた
心臓マッサージしてるから
早く来てくれと言われた
嘘だと言って欲しかった
ねぇ、お医者様のおかげで
あなたの旅立ちには立ち会えたけれど
ねぇ、あなたに私の声は
届いてくれていたのかな
ねぇ、最期の愛してるは
伝わっていて欲しいよ
大好き
ごめんね
愛してる
手を合わせて祈りを捧げる
ごめんね
大好き
家からそれなりに近くにあるお墓
そこでいまもあなたの姿を探してる
情けは人の為ならず
巡り巡って自分に返ってくる
成るように成るさ
ケ・セラ・セラ
愚直に生きろ
愛してる
あなたがくれたたくさんの言葉は
私の中でいまでもきらきら光る
あなたがくれた私の理想の私は
まだ遠過ぎるところにいる
だからこそ
このきらきら光る言葉たちと
共に生き続けるよ
頑張るから
いつかまた会えるその時褒めてね
どうか電子の海の彼方よりあなたに伝わりますように