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きみと6月の雨  作者: 藤井 頼
第二章
46/51

令和元年SP☆一馬×奈央

きっと何年たっても初々しい二人なはず!

本編とは関係ない、作者の願望をストーリーにしました。

とある休日の二人


「ここのオムライス、一度食べてみたかったんだ」


川沿いの落ち着いた雰囲気のカフェにやってきた。桜並木もすっかり新緑の季節となり、葉が青々としげっている。


「どお?」


「んー、すっごく美味しいよ! 一馬くんも食べる?」


そう言う彼女は無意識にオムライスをスプーンいっぱいにして俺に差し出した。俺はこの笑顔の彼女をずっと見ていたい一心で見つめていた。


「あ、ごめん。自分で食べられるよね。なんか、美味しくてつい……」


恥ずかしそうにスプーンを見つめる彼女に少し意地悪がしたくなった俺は目を閉じ口を開けた。


「っ!? え? 一馬くん?」


「食べさせてくれるんだよね?」


片目を開け彼女を見やると、最初はかなり動揺していたが覚悟を決めたのか震える手で俺の口にオムライスを運んできた。


俺は再び目を閉じるとオムライスが口に入るのを待った。卵とデミグラスソースの香りが鼻腔をくすぐる。唇に温かな感触がすると思わずオムライスを頬張っていた。


「どうかな?」


「うん、美味い!」


心配そうに俺のことを見ていた彼女の顔が一瞬で花が咲いたように明るくなった。そんな彼女に見とれていると、彼女が何やら恥ずかしそうに俺の名前を呼んだ。


「あの、一馬くん」


「ん?」


「こんなことするのこの歳で恥ずかしいんだけど……」


俺は彼女が話しやすい雰囲気を作る。


「何? なんでもいって」


「わ、私も……その……」


そんなに言いにくいことなのか? 俺までなんだか緊張してきた。


「私も、一馬くんにして欲しい……」


「え?」


何? 何だ? 俺は何をすればいいんだ?? 咄嗟の振りに頭がついてこない。目の前には俺のアクションを待つ彼女の視線が。


「もしかして、引いた? そ、そうだよね。30こえて食べさせてもらうなんて私何言ってんだろ」


そ、そうゆうことか!? 難しく考えすぎた! しかも、また彼女に歳を意識させるなんて俺としたことが!


「ち、ちが! 大丈夫! むしろ奈央にそんなこと出来るなんて緊張とゆうか、嬉しいとゆうか……じゃ、お言葉に甘えて」


自分のハンバーグを切り分けフォークに刺す。いわゆる「あーん」をすると思うと急に恥ずかしくなってきた。いや、ここは彼女の希望を叶えてあげるミッションをコンプリートすべく意を決してハンバーグを彼女の口に運ぶ。


彼女が恥ずかしそうに唇を開く。髪の毛が気になるのか耳にかける動作にドキッとする。やばい手が震えてきた。


やっとの思いで彼女の口にハンバーグを運んだ。


「うん、美味しい。一馬くん、ありがとう」


その後、少しの間フォークを使えなかったことは秘密にしておこう。

令和になりました。全然実感湧きません。

身近な変化と言えば、書類関係は令和元年になりました。

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