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事情シリーズ

クリスマス事情、再び☆

作者: 遥胡

昨年の「クリスマス事情」のシリーズです。

前作を読まれてからの方が分かりやすいと思います。

 またこの時期が来てしまった。

 とうとう来てしまった。

 いや、夏が終わった時点で諦めはついていたんだ。今更どうこう言っても仕方がない。腹をくくるしかなねぇんだ。


「本当に今更ね。当日に何を言ってもどうしようもないのに」

「お〜ま〜え〜は〜!毎度毎度、勝手に俺の心と会話してんじゃねぇ!」

「毎年毎年、同じこと考えてるあなたに言われたくないんだけどぉ」

 いやいやいや、今「考えてる」って言ったよな!?

 俺、口で言ってないって事だよな!?やっぱりおかしいだろ!?

「はいはい。このやりとりも何回したと思ってるの?あれ、前回も同じこと言ったような」

 いや、でも、このままだと俺のプライバシーがっ!

「ほぉら、早く準備しないと夜明けまでに間に合わないわよ」

「うぅ〜、今日は一段と寒いし、明日も会議で朝早いんだよなぁ」

「文句言わない!結局、なんだかんだ言って毎年ちゃんとしてるんだから、今年も頑張りましょ!

サンタクロースさん♪」


 そう、俺サンタ。

 12月25日に子ども達にプレゼント配る、あのサンタ。

 まぁ、子ども達と言っても全員に配るわけじゃねぇが――― (そんな事してたらマジ死ぬ!)


「プレゼント、いつもの場所にある?」


 さっきから突っかかってくるこいつはパートナーのトナカイだ。

 普段は人型の姿をしているトナカイらしくないトナカイだ。

 そのうえ、人の心が見えているとしか思えないような言動。

 こいつとパートナーを組んで数年になるが、よくわからない相手だ。

  他のサンタ達のところもこんなかんじなのか?とかなり疑問に思ったものだ。

 現在進行形で………。


「ねぇ!準備しなくていいの?」

「あぁ、悪い。今行く」

「他のサンタ達のことなんて本部に行ったときにでも訊いたら?まぁ、人それぞれだと思うけど」

「……………仕事だけじゃなくて、こいつとの会話も諦めどきなのか」

「ようやくわかったの?」


 うわっ、何そのめっちゃ笑顔。怒鳴る気も失せるんですけど。


「さぁさぁ、早く準備しましょうねぇ」

「えっ、何そのしゃべり方。笑顔も怖いんだけど、なに?怒ってるのか?」

「まぁ…さっきからグダグダグダグダしつこいなぁー。いい加減飽きたっつーの。さっさとしろよ、このグズっ!…とは思ってるかな」


 …………………すんません。マジですんません。だから、その顔やめて。トラウマになる。


「わかったら行くよ。夜が明けちゃう」

「お、おぉ」



 数年目にして、こいつを怒らせるとヤバいと知った俺、サンタクロース。


 2008年のクリスマスのことだった。



危なかったです。結構前から準備していたのに、当日にすっかり忘れるなんて。

いろいろありましたからそっちに気を取られてしまったんでしょうね。

ともかく、イヴに間に合ってよかったです(^^)

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