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拒絶の妖術師(ソーサラー)  作者: 大西 けんや
4/6

仲良くしたいんだけど…

___朝、携帯の着信に目が覚める。


「もしもし?まだ寝てたの?今から朝練よ!すぐに着替えて寮の前にきてね!」


それだけ言われすぐに切られた。

電話の相手は、卒業試験のパートナーになった(ゆき)だ。

ってまだ朝の5時半だそ!?

いくら特訓するからって、朝練までやるのか…。

昨日の特訓でまだ痛む体を起こし、クローゼットを見る。


「ジャージまで用意されてる…」


まさかカオリの奴これを予想してたのか!?

まぁ偶然かもな。

そう思いながら、ジャージに着替え、慌てて寮の前に行く。

そこには雪がもう待っていた。

男子寮と女子寮は離れていて、向かい側にある。


「遅いわよ!さっそく走りにいくわよ!」

「あ、あぁ…」


もうなんも言えねーよ。

実際、俺はまだまだ弱いし、こんな事で根を上げてちゃダメだ。

すぐに気持ちを切り替え雪の後に走る。

午前7時頃ようやく終わって、また寮の前まで戻ってきた。


「じゃあ、また学校で」

「はぁ、はぁ…が、学校で…」


めちゃくちゃきついじゃねーか!

走っている時もずっと無言だし、1時間走りっぱなしだし!

あいつは息切れてなかった、やっぱりこれが実力の違いってやつなのか!?

俺は改めて感じた。

寮に戻りシャワーを浴びて制服に着替える。

少し早いが学校に行く事にした。

教室に着き、俺は1人で自主勉強をしていた。


「おはよ、あんた早いわね」


そう言って挨拶してきたのが、つかさだ。


「おはよう、お前こそいつもこんなに早いのか?」

「今日はちょっと早く起きちゃって、自主勉強でもしよーかなって」

「あぁ、そうなのか。ついでに妖の事とか教えてくれよ!」


俺は自分でもあつかましいと思う事を言ったのだが、つかさはそれに答えてくれて、教えてくれる事になった。


「妖の事よね?」

「あぁ、異能の事についてはだいたいはわかったからな」

「妖にもランクがあるのは知ってるよね?」

「それは知ってる!」


俺は自身満々に答えるが、つかさは呆れた顔でされに続ける。


「妖にも色々種類があるの。大きいのから、小さいのまで。特に大きい妖はだいたいランクが高いから」


まぁそうだろうな。

大きかったら強そうだもんな…。


「でも1番危ないのが、人型の妖よ。言葉も喋れるし、知能がものすごく高いの」

「人型!?そんなのまでいるのか!」

「えぇ、今まで見た事ある人は少ないけど」


でも強そうだよな。

人型なんて、異能者と変わらないんじゃんないか?

そうこう話しているうちにクラスメート達がどんどん教室に入ってくる。

そんな中、雪も教室にきた。


「雪!おはよう!」


さっきも会ったのだが、俺は挨拶をした。

朝練の時はずっと無言だったしな…。


「……」


って無視かよ!

本当にこれから大丈夫か?

すると、つかさは俺の肩に手を起き、横に首を振って自分の席に戻って行った。

いや、待て!俺は決して狙っているわけじゃないからな!

そんな心の声が届くはずもなく、授業が始まった。

あっという間に放課後にきてしまった。

またあの地獄の特訓が始まる。

「先にグランドに行ってて」と言われたので俺は1人できた、遅れて雪もきて、さっそく開始。

また素振り100回……。

そんな中、無言も嫌なので少し話しかけた。


「どうして、お前はそんなに卒業試験を合格したいんだ?」

「そんなのあなたには関係ない」

「いや、そうだとしても少しぐらい仲良く…」

「言っとくけど、あなたと馴れ合うつもりはない!私は私はの為にあなたを鍛えてあげてるだけ!」


そう言われ、俺は何も言えなかった。

なんだよそれ。

けど、少しわかる気はする。

きっとこいつにも複雑な理由があるんだろう。

俺がそうなんだから……。

あまり深く聞かないでおこう。


___それから毎日、毎日朝練、放課後の特訓をしてきた。

気がつけば卒業試験まで残り3日。

しかしあっという間だったなぁ。

けど、未だに異能は使えない…。

でも、力はだいぶついたような気がする、雪が言うにはこれも異能の力が少しずつ出てるって言ってたけど。

そして、今日は一回戦の相手が発表される。

卒業試験は三回戦まで勝ち続けたら合格らしい。

全クラス、3組まであるその中でランダムで選ばれるのだ。

そしていよいよ発表。

一回戦の相手は、


「須藤、村田ペアVS氷堂、七辻ペア」


と書かれていた。


「雪、この2人は強いのか?」


一緒に見にきた隣にいる雪に聞く。


「まぁそこそこね、でも私なら勝てるわ」


あ、俺には何も期待してないんだな。

あれからと言うものの何も進展せず、未だに仲良くはなれてないって感じなんだよなぁ。

でも今は勝つ事だけ考えよう。

足を引っ張るのはしたくないしな!

俺はグッと拳を握る。


そして放課後、いつものように特訓しにグランドにきて1人で素振りをしていた。

すると、遅れて雪がきた。


「遅かったな!今日は相手してくれるんだろ?」


俺はやる気満々でそう言うと、雪は真剣な顔で俺を見つめる、


「少し話しがあるの」


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