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拒絶の妖術師(ソーサラー)  作者: 大西 けんや
1/6

一歩踏み出す勇気

___俺は生きてるのか?

ゆっくりと目を開ける。

そこには知らない天井。

体を起こし、周りを見てみると知らない病院にいた。

個室の病室みたいな感じかな。

ふとある事を思い出す。


「加奈は?」


とっさに大きい声で俺は叫ぶ。

すると、俺の声が聞こえたのか、ドア開く。


「目を覚ましたみたいね」


そこには知らない女性が現れて、そう言った。

背は高く、まるでモデルみたいな体型、髪は赤くとても綺麗なロングヘアーだ。


「誰だ?それより加奈は?俺と一緒にいた女の子は!?」


俺は混乱しつつ、加奈の事を聞く。


「私は波風カオリ。あなたを保護した。そして、あなたと一緒にいた少女は…」


そぉ言って首をふる。

そして俺はその時の事を思い出す、そぉあの時加奈は…。

俺はどうしよもなく涙が出た。

自分でもわからないほど、泣いている。


「嘘だ、これは夢だよな?加奈は生きてるよな?」


自分にそぉ問いかける。


「嘘ではない、加奈と言う少女は死んだ、妖に殺されたのだよ」


次は男の人の声が聞こえた。

俺はとっさに振り向く、そこには顔が整った、金髪の男の人がいる。

その男が俺の前にきて、こう言った。


「そして君は異能者になった、特別な異能、妖術師(ソーサラー)に!」


なにを言っていくのかよくわからない。

俺が異能者?ソーサラー?なんだよそれ…。

困惑していると、続けてこう言った。


「君には異能者育成学校に転校してもらう、そこで妖の事、異能者の事を勉強してもらう」


そう言って、俺の前に制服と思わしき物が置かれた。


「どうゆう事だ?なぜ俺が異能者なんだ?ソーサラーってなんだよ!」


困惑しつつ、俺はその男に言う。


「あぁ、挨拶がまだだったな、俺は賀神悠人(かがみゆうと)だ。説明はそこのカオリに頼んであるから後はよろしく」


そう言ってと賀神悠人名乗る男は出て行ってしまった。


「改めまして、私は波風カオリ。まずあなたの異能についてだけど、詳しくはわかってないわ。妖術師(ソーサラー)って事だけわかっているわ。そのままの意味で、あなたは妖の力を持っているの。世界にも3人しかいなく、とても珍しい異能よ。原因はわかっていないし、まったくの不明。妖術師(ソーサラー)の人に聞いてもわからないそうよ」


困惑が少し落ち着き、話を聞いていたが、まったくわからない。

とにかく俺はその異能者になったのか?


「…それで異能者になったって事が?」


俺はそう尋ねる。


「そうね、まぁはっきり言えばあなたは異能者になったのよ」


カオリと言う女性が俺の前にきてそお言った。


「だからさっきも賀神さんが言ってとおり、異能者育成学校に転校してもらうわ、そこで学び、妖と戦ってもらう」

「俺が妖と…?」


あの時の事を思い出す。

加奈が妖に刺されていた時の事。

胸が苦しくなり、今にも張り裂けそうになる。


「いやだ、いやだ、いやだ」


俺は自然とそんな事を言っている。

ダメだ、そんな事できるはずがない。

無理だ、加奈も守らなかったこんな俺なんか…。


「今は無理かもね、少し時間をおきましょう。また明日にでもくるわ、食事は病院が用意してくれるからちゃんと食べなさいよ」


そう言って、病室から出て行った。


___あれから3日程たった。

毎日のように波風カオリは病室きていた。

異能の事、妖の事を淡々と説明しながら、俺に話しかけていたが、俺は布団にくるまりただなにも考えないようにしていた。

そんな時、


「たまには外に出てみてはどおかしら?気分もスッキリするかもしれないし」


そんな事を言って病院を出て行った。

外か、確かにそれはいいかもしれないな。

そお思って病院のスリッパを履き、ドア開け、少し外を出てみた。

病院の庭にきてベンチに腰掛ける。

ここには妖と戦って、負った怪我とかを治療する病院だそうだ。

だから異能者たちがほとんどらしい。

そんな時、1人の少女がこちらにむかってくる。

小学生ぐらいの子かなぁ。

こっちにきて、俺に話しかけてきた。


「おにーさんは異能者?」

「え?まあそうみたいだな」


俺はどこか他人事みたいに言う。


「じゃあ妖と戦ってるんだね、わたしもいつか妖を倒すんだ!お母さんのためにも!」


そう言って、少女は笑った。

もしかして、この子のお母さんは妖に殺されたか?

聞こうと、したがそこは触れないでおこうと思った。


「なんで、そんなに笑っていられるんだ?」


気づけばそんな事を少女に言っていた。

そしたら少女は、


「だってお母さんは、わたしたち皆を守ったんだよ、わたしもそーゆう人になるの!誰も悲しませたくないから、みんなを守るんだ!」


少女は親指をたて、俺に向けてきた。

そして、少女は走っていった。


「誰も悲しませたくないか…」


加奈も俺を守ってくれた、今の俺を見たらあいつなんて思うんだろな、きっと、しっかりしないバカ!って言いそうだな。

誰も悲しませたくない、もぉこんな想いで苦しんでるのはいやだ!


「こんな俺でも守れるのかな…」

「きっと、なれるよ」


いきなりそんな事言われびっくりし、後ろを振り返ると、そこには波風カオリがいた。


「あなたはみんなを守れるだけの力はある、後は一歩踏み出す勇気かしらね」


そう言って小さく笑みを浮かべながら、俺の横に座った。

そして俺は決心する。


「あぁ、そうだよな。わかったよ、もぉ誰も悲しませたくない。戦うよ。」


そう俺が言うと、波風カオリはそっと俺を抱きしめてきた。


「なぁ、カオリ!異能の事、妖の事少しでもいい、教えてくれ!」


俺は抱きしめながらはっきりそう言った。


「あら?いきなり呼び捨て?まぁいいわ。わかったわ龍児」


そう言って、立ち上がり病室に戻る。

てか、なんで俺の名前知ってるんだろ?まぁいろいろ調べたらすぐわかる事だと思うけど。

そこでカオリは説明してくれた。


「まず異能者の事ね、異能にはランクがあるの、

そのランクで倒せる妖も決まってくるわ」

「ランク?」

「そうよ、ランクが低い順から、D→C→B→A→Sよ。妖にも同じランクがつくわ」


そんなランクがあるのかな。

って事はSランクが1番強いんだよな。


「ちなみにカオリは何ランクなんだ?

「私は、Aランクよ」


おぉ…、なかなかこいつ強いだな。

そんな事を思いながらさらに問いかける。


「どうしたら、ランクが上がるんだ?」

「妖との戦闘成績をクリアして、試験を受けて合格したらランクが更新されるわよ」


意外と難しそうだな、試験ってのも簡単にいかなさそうだ。


「俺が遭遇した、妖は何ランクなんだ?」


少しうつむき、小さい声で聞く。

気になったからだ。

初めて妖なんてのを見たから、見た目じゃわからないし、基準にしようと思ったのだ。

カオリも少しためらいながら、こう答える。


「…あれは確かAランクよ、詳しく教えてなかったわね、あれはね、あなたが倒したのよ」

「え?今なんて?」


一瞬なに言ってるかわからなかった。

俺が倒した?確かあの時俺は意識がなくなって…。


「あなたのその妖の力で倒したの、でもあなたの異能は妖の力だけじゃないと思うのだけど」

「もしかして、いろいろ調べたのか?俺の体」


俺が怪しく睨みつけると、慌ててカオリがこう続けた。


「ま、まあいいじゃない、詳しく調べなければわからない事だってあるし!」


なんて言ってるけど、たぶん俺が寝てるときだろなって思う。

まあそれは置いといて、確か妖術師(ソーサラー)って世界に3人しかいないって言ってたよな?

俺はそのままカオリに聞いた。


「そうよ、少なくともこの日本にはあなたしかいないわ」

「まじかよ、他にはどんな異能者がいるんだ?」

「えーと、異能者のほとんどは属性を持ってるわ、どんな属性でも自分に合ったやり方じゃないと、うまく使えないの」

「やり方?」

「ちなみに私は、風の属性、小刀の二刀流を使うの」


そう言って、手のひらで風を作り、小刀がでてきた。

まじで、異能者だ。

初めて見た…。

なんてちょっと感動していると…。


「これが私の異能よ」

「すごいな、ほんとに異能者なんだな」


「当たり前じゃない!」そんな事言って、風の小刀は消えた。


「まあ基本の事はだいたい話したわ、後は学校で学んで…」


そう言いかけて、新たに喋りかける。


「そういえば、もお3年生なのね、まああなたなら大丈夫でしょう」


あははーってぎこちない笑みをしながら、言ってきた。


「ちょっと待て、何かあるのか?」


俺は聞かずにはいられなかった。

そんな感じで言われたら気になるだろうが!


「まぁすぐに卒業試験があるくらいかなー…」

「それって卒業できるのか?俺は?」


俺は怪しく睨みつける。


「大丈夫、大丈夫、試験は実技がメインだから筆記の方がゼロでも実技で満点とれば合格するよ」


おいおい、まだろくに異能も使えないのに大丈夫なのかよ。

少し不安になってきた。


「さっそくだけど、学校は明日から転校にするから、朝向かに行くから今日はここで寝て、そこにある制服に着替えておいてね!」

「あぁ、わかった。今日はって事は明日からはどこで寝泊まりすればいいんだ?」

「学校は寮生活だから、明日からそこに引っ越しよ」


笑顔でそう言って、手を振り病院を出て行った。

そぉ言えば賀神の事聞くの忘れてたな。

いろいろカオリと話していたら、すっかり夕日は落ちて夜になっていた。

俺は夕食を食べ、備え付けのシャワーを浴び、布団に入った。

明日から転校し、異能者になるのか。

そんな事を思いながら、眠りに落ちていった…。




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