COUNT DOWN K 5-2 [Think of friend invisible]
気になります。
こっちは心配事です。壬央恋那さんの事です。
意味深な事を言われました。
けれどこういうのは気にしなければ良いのです。
と、いつもの私ならこれで終わりでしょう。
けれど今は違います。
何故このタイミングで言うんでしょうか。
壬央さんは出会った去年からずっとあの感じでした。冗談とも取れるような、本気なのか分からない感じの言動でいつもいます。
他のクラスメイトなどに比べれば距離は近いと思いますが、特別自分の話を深くする事はなかったです。
なので私の愛の先、先輩の事は誰も知らないはずなのです。
・・・・どうしようもないんですけどね。いくら考えても気にしても。
聞いたって真実が返ってくるとは限らないし、このタイミングだからこそ私も気にしてる所もありますし。
仕方がないですが、モヤモヤした気持ちを持ったままいるしかないのです。
「佳己ちゃん、今日ヒマ~?クレープ食べに行こうよ~!」
放課後、壬央さんが私の顔を覗き込むように言ってきました。
壬央さんからこういう誘いは初めてです。
モヤモヤに更なるモヤモヤを。
「いえ、遠慮します。」
「え~行こうよ~!」
「嫌です。」
「・・・・分かった、行こう!」
「何故!?」
「じゃあ二択!OKかYES!」
「二択になってないですよ!」
「ね~何でも良いからぁ~お願いします~」
私の腕をグイグイ引っ張る壬央さん。
しょうがないですね。まぁ何かあるならさっさと終わらせとくのが良いですし。
「分かりました・・・・。」
「やったぁ♡」
私達はオシャレ通りのクレープ屋へ。
店内に入り、クレープと飲み物を注文しました。
最近珈琲か紅茶か迷います。
今回は珈琲にします。ブラック派です。これもちょっとした思惑があってですが。
「オシャレ通りってクレープ屋多いよね~。でもココが一番美味しいんだよ~♪」
「そうなんですか。」
ナイフとフォークのクレープは初体験です。
「今日は何で誘ったんですか?」
「え?んー何か佳己ちゃんが悩んでそうだったからかなぁ」
誰のせいだと!いや壬央さんのせいではないんですけど、厳密に言うと。
私が隠してるのがいけないんです。
別にこれといって暗い過去がある訳ではありません。
人と違うというのは小さい頃から分かってました。だから隠してきました。
理解してもらおうとか、仲間が欲しいとかも思った事もありません。
私は好きな人に受け入れて欲しい・・・・。それだけで十分なのです。
それをしてくれた先輩。現実問題、この関係がいつまでも続くかは分かりません。
けれど、その為には何でもします。
だって私は先輩が好きだから。
読んでいただきありがとうございます。