COUNT DOWN N 5-2 [That of friend]
「ボクはと、友達を一人にしたくなくてね」
「わかったよ、ありがとう。海原りねこさん」
「呼び捨てで良いよ。と、友達だからね!」
海原りねこさんとは入学式の次の講義初日に出会ったんだ。
その時あっちから声をかけてきた。
一言、何かかっこいいね君。と
何かって何だろう?未だに聞けてない。
それからよく会い、よく一緒にいるようになった。ちなみにこの子の口癖は友達らしい。
高校とかに友達いなかったのかな。その辺はデリケートなので当然聞けない。
一緒に校舎内を歩く私たち。
「そういえば海原さんは高校どこ?」
これぐらいなら大丈夫だろう。
「だから呼び捨てで、あと名前が良いな。・・・・ボクはアリス女学園だよ」
「お、女子校だったの」
女子校かぁ、女子の仲は色々大変だからなぁ。
「そうさ、いつもいつも囲まれてね。友達もいなかったし・・・・」
「!?あの~」
何か急に重いこと語り始めたよ!?
これ聞いて良いのかな!?
友達だし良いのか!
自分から話してるし!
「毎日最低でも六人以上の先輩、同級生、後輩からお弁当デザート付きを貰ったり、手を繋いだり、腕を組んだり、かっこいいと言われたり・・・・!」
・・・・ん、何の話だこれ?
「海原さん、それ何の話?」
「すまない・・・自慢に聞こえてしまうかもしれないがボクはあまり嬉しくは思っていなかったんだ・・・!
普通に遊んだり、普通に一つのお弁当だったり、普通が良かったんだ。まぁない物ねだりさ、隣の芝生は青く見えるものさ。
求めるものと持つものは違うんだよ・・・!」
何かすごい哲学的な真理的なことを言ってる気がするよ。
んー私じゃ気が利いたことは言ってあげられないなぁ。全然思いつかないし。どうしよう。
確かに海原さんはかっこいいと思う。整ってるし、背高いし、スラッとそてるし。
女子校の王子様になる素質は十分だ。
というかホントにいるんだな、女子校の王子様。
「ん、その王子様な海原さんが何で私のことをかっこいいと?」
「だってカッコイイじゃないか」
「どこが?」
「何が?」
「そこが知りたいんだけど」
「雰囲気かなぁ」
「どこかで聞いた理由だ。私は一体どんな雰囲気なんだ。」
「いやいや見た目もカッコイイよ!中身も・・・そう!良い感じだ!」
「いやぁアリガトウ」
「君といればボクは・・・・。」
「ボクは?」
「!・・・・イヤ忘れてくれ!」
「ハイ忘れましょう」
「深く聞かないんだな」
「?だって聞いてほしくないんでしょ?」
「そこもカッコイイぞ!名嘉くん!」
「褒められてばっかりで気持ちワルイなぁ」
そんな友達の海原さん。変な人だ。が面白い人でもある。
今度佳己ちゃんに話そう。
・・・・こいうい話すると佳己ちゃんは嫉妬するのかな?
読んでいただきありがとうございます。