02:連絡
翌日の朝に玲からメールが来た。
適度に絵文字の入ったメールで最後に
「今度遊びに行ってもいいですか?」
…女子高生を部屋に入れるってどうよ?と思いつつも
「連絡くれれば部屋きれいにして待ってるよ」
「マサ!何ぼーっとしてんのよ!」ボトルをどかし棚を拭いてる手が止まっている
正史に声がかかる
「ん?え、いや別に」
「なにー?考えごとぉ?」
ルーズなお団子ヘアに遅れ髪を垂らす彼女、
宮川志乃は正史の顔を覗きながらさらに聞く。
「ね、今日マサ早上がりだよね?」
「そうだけど」
「呑み行かない?」
「やー…金、余裕ないし」
「うそー給料、1週間前に入ったばっかじゃーん!…つまんないー」
ちょっとふてくされて仕事に戻る志乃に対し、特に詫びを入れることなく黙々と仕事に戻る正史。
…昔と変わらず愛らしい表情。玲のことを考えていた。また逢えるのだろうかと。
「…逢えるかな」
つい独り言を吐いたけど、その声は聞かれていなかった。
久々に早くに目が覚めた正史は溜まった洗濯物に手を着けた。テレビを付けたら朝のニュースが終わる寸前だった。
久々に朝を感じていたら携帯が鳴った。
メールが2通同時に来ていた。
一つは仕事仲間のフォルダに、一つはその他のフォルダに入っていた。
仕事仲間は志乃からだった。
「おつかれさま。昨日は何か考え事してたみたいだけど、何か力になれたらと思って呑みに誘ったんだけど…。
解決してからでもいいから次は呑みに行こうね。」
…長すぎて何だか内容の意図や何を言いたいのかわからずに返信を打つ気が失せてしまった。
取り敢えず呑みに行きたいというのはわかったので、次早番が一緒なら
呑みに誘ってみようと思い、その他のフォルダのメールを見た。
…玲からだった。
「お久しぶりです。元気ですか?仕事は忙しいですか?来週暇な時間があれば逢いたいのですが…。どうでしょう?正史くんの家に遊びに行きたいです。」