古着屋アップル 第3話 短縮版
掲載日:2026/05/14
火曜。三日連続で同じ古着コートを着て家を出た。
「好きなんだから仕方ない」と自分に言い聞かせながら。
凛が「遅れる」と言うので、一人で塾へ向かった。
教室に入ろうとした瞬間――
誰かに背中を押された。
つんのめるように前へ進み、気づけば湊の“通路を挟んだ隣”に座っていた。
心臓が暴れているのに、口だけが勝手に動く。
「ここ空いてるよね。前の方座ろうと思って」
湊は「なるほどね」と軽く笑って、テキストに視線を戻した。
その横顔にまた心臓が跳ねる。
……で、誰? 今の背中。
そう思った瞬間、彩葉が入ってきて湊の隣に座った。
最悪のタイミング。
続いて凛が来て、あたしの横に座る。
「珍しいね、こんな前に座って」
「ラストスパートだから、先生の声聞こえるようにと思って」
湊も彩葉も聞いていると思うと、顔が熱くなる。
そこへ蓮も来て、いつものメンバーが揃った。
気づけば鼓動も落ち着いていた。
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