《エピソード29》私の願い叶えるの?(異世界:優香です)
今は、あの避難路への結界は張り終えていました。今はご領主邸の屋上から、景色を眺めていました。
夜になると、薄い結界が夜の闇の中で、光を反射して、とても輝きます。
あの避難路から、松明で照らすと、自分達の姿が映ります。それで、結界があることがわかりますよ =^_^=
夕暮れ時のこの時間、ゆくりと、避難路の先にある海を眺めていました。
あの避難路の先にある岸壁が、年々波の浸食に依って、崩壊して年に10mは陸地が縮んでいっていました。
その辺りの草地にある薬草は、高純度のポーション作りに、使われていました。従って、貴重な群生地が失われて、いたんですよ!
避難路には、とても巨大な噴石が、大量に転がっていました。
それをストレージへ入れて、岸壁の前に消波ブロックの代わりに投げ込んでみました。これが、波消しになっているので、結界を張っている片手間で、片づけも兼ねて、整理しました。
これには、薬草採取の人、薬師の人、薬局の人など中心喜ばれました。もちろん、避難路も整理されていくので、とても喜ばれました。
それもあって、明日は結界完成の祝賀会が、盛大に開催されます。
あら? こんなところに『ご領主様』が来られましたね。どうしたんでしょうか? 明日の打ち合わせか、何かでしょうか?
『リーシェ』様、こちらにおられたんですか? 少々探してしまいました。
「あら、そう! 侍女のアンヌには言っておいたんですけどね! アンヌは、いなかたんですか?」
「いいえ、『リーシェ』様、と改めたお話があったものですから、勝手に来ていますよ」
「そうですか。そろそろ、その『リーシェ』様、呼びではなく、あなたのご家族やこの島の人達と同じように『リーシェ』と呼んでくださいね」
(そう、昨晩の夢に「優香(中身リーシェ)」が出てきて、メッセージあったのよね。『一歩踏み出す、勇気を出す』だったわね! そうよ、ここで私の願いを叶えるのよ!!)
そうですね、その話を含めて話が、あったんです。
実は、私の曽祖母が、『大聖女様』をしていました。晩年にはこの島に来られて、とても穏やかな時を過ごしていたんですよ。
それと、私には『リーシェ』が、色々な色の瞬きをする、微精霊たちに包まれて、まるで光の中にいるように見えていました。
それで、私には恐れ多くて、中々『リーシェ』とお呼びできませんでした。
あなたが8才で神殿に来られた時に、私は生涯を通して、お守りをしなければ、いけない人だと思っていましたから。
続きを、お楽しみに...《エピソード30》お互の思いは?(異世界:優香です)




