《エピソード16》聖女様見つけ{今頃}?(異世界:優香です)
うちのリアが、最近になってお店にいるから、どこから来たのかと聞いてきたよ。知り合いの娘だと、言っておいたよ。
だいたい、聖女様の捜索なんて、逃げられるようなことを、したんだろう!! しかも、話しを聞くと2カ月前にも、なるらしいよ!
今まで放置していたんじゃないのか! 虫が良すぎる話だよな! ああいう、王族や僧侶、貴族なんてものは、そんなもんだよね!!
ええ! そんな話だったのね! こんなところに、聖女様なんてね。大事にされ慣れた人なら、いられないでしょう? 庶民を知らなさ過ぎだよね。もうバカにしてるよ。
(私のことが、何となく分かってしまったようね。でも、ウェリさんに、シルアさん、ありがとう! 私は、そう思ったわ)
(でも私は、仕方がないわね。このご夫婦にご迷惑はかからないように、したいからね。最悪の時は、この町から去るしかないわね)
そうして、またユミールの操作する馬車に乗って、市場に出かけたり、定食のレシピの開発をしていました。
私も、忙しさで、忘れていた頃に、また神殿騎士達と侍女セリーヌが来ていました。
その時に、会話を聴いてしまいました。
重い労咳(結核的な)にかかった、母親を治した人がいました。この人が聖女様でしょう。と、一人の青年が教えたそうでした。
(ああ、見過ごせなくて、最近助けたお母さんがいたわ。上の子と下の子の年が離れていたわね。あの幼い子と母親のためになったのなら、それは、良かったわね)
その時に、ユミールが配達に来ていて、お母さんから、ユミールの手伝いを頼まれました。
その日は、市場に探訪に行く日でした。お母さんに、市場に行くよと伝えて、ユミールの操作する馬車に乗って、市場に出かけました。
市場に行く途中で、商会に神殿騎士達と、聖女様付きの侍女が、来ていたことを、伝えられました。
(私は、もうここには、いられないわね。そう覚悟を決めました!!)
市場のゲート前に、人がいました。ああ、もう手が回っていたんだね!!
ユミールは、私の素振りに気付き、他に行きたいところが、あるか? と声をかけてくれました。
そのときに気付きました。あの森の暗闇で、光を見つけたように、すぐ横の時計塔の上に輝くような光がありました。
ユミールへ、ここで止めて下さい。私は、他に行くところが、あるようです。今まで、色々とご親切有難うございましたと伝えました。
次の瞬間に、馬車を飛び降りて、時計塔の上を。あの輝くような光を目指して、駆け上がりました。
塔の下では、神殿騎士達とセリーヌが上を見上げていました。口の形から会話が分かりました。「聖女様見つけたわ!!」
続きを、お楽しみに...《エピソード17》私の居場所{見つけ}?(異世界:優香です)




