《エピソード01》王都行きのお誘い
王都行きのお誘いって 結婚式の参加だけ...?
内容を見ると、お相手は男爵家のご令嬢だったの!
ロイドも招待状を持っていたので、知っていたようだったの。
私は、母がロイドから、いつものように、王都のお土産を頂いている間に、自分の部屋に戻っていたわ。
別にバルガスに特別な思い入れは、なかったわ。それでも、母が私に近づくために来る庶民の男性を、近づけないようにしていたこと。
身分の高い人でも、私は取り立てて美人や、いかにもご令嬢でもなかった。
だから、昨年から私に、近づこうとする男性は、パッタリと途絶えていたわ。
このままでは、本当に行き遅れてしまうと、思ったのよ。
色々な思いが溢れてきそうなので、自分の部屋に戻っていたわ。
でも、ロイドとほとんど話さずに、自分の部屋に戻っていた事を、思い出したの。
いけない、せっかく来てくれたのに、もう帰っているかもしれない。
お店に戻ると、あの母がニコやかに、ロイドを見送っているところでした。
母は私を見ると、ロイドがね、良かったら一緒に王都へ行って、バルガスの結婚式に参加しようと、誘いたかったみたいなの。
何日間か実家にも行くし、またここに来るから、王都へ行くか考えてと言ってたよ。
でもせっかく、王都へ行ける機会だから、行って来たらと言っていたのよ。
珍しいわね。母がここまで、ロイドにあいそうが良いし、王都行きを薦めたりするのは! 私には以外なことだったわ。
そう思ったけれども、母も私の行き遅れを心配してるんだな、と思った。
それで、部屋に戻って。考えてみると、バルガスが迎えに来て喜ぶのは、たぶん母だろうな!
私はそんな思いはなかった。むしろロイドや護衛の冒険者達と一緒の方が、楽しいと思っていたの。
それで、私は王都行きを、決めたわ。
ロイドと縁組ができなくても、王都行きは一生の思い出になるわね。生まれてから村を出たことも、ないんだからと。