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第3話

 フローラ・アガターの中身は佐川響子。令和で女子高生をやっていたわけだが、突然WEB小説「毒妻探偵」の主人公に転生。


「フローラ、君の瞳は綺麗だ」


 昨夜、その夫、ブラッドリー・アガターが公爵家に帰ってきた。中身は女子高生のフローラ。ブラッドリーは金髪碧眼の典型的イケメンでどこを見ていいか迷うほどだったが、食事中、突然、甘い言葉を吐いてきた。


 むせた。食べていた公爵家御用達の高級肉も全く味がしないし、メイドのフィリスも大騒ぎしていた。


 しかし、この男。WEB小説の中では浮気を繰り返すような男だった。突然の甘いセリフに違和感があるが、数日、公爵家に滞在し、フローラへの態度も不自然だった。


「フローラ、愛している」

「フローラの髪は綺麗だね」

「フローラは女神のように美しい」

「フローラ、なんていい女なんだ」


 ハチミツのような甘い台詞。違和感しかない。それでも寝室は別々だし、意外とブラッドリーはフローラの目を見ていない。どうもおかしい。


 フローラは一人、書斎でこの男の言動を振り返る。昨日は「フローラが一番好き」と言っていたが、一番とは?


「つまり二番目がいるって事よね」


 そうとしか思えない。また、一昨日は「世界を敵に回してもフローラを愛する」とも言っていたが信用ならない。そんな事、よくペラペラと口から出るものだ。


 前世のSNSで見た恋愛指南を思いだす。男の言葉を信用するのではなく、態度を信用しろと言っていた。その点、ブラッドリーはかなり怪しい。言葉だけが浮いている。これは浮気の罪悪感でわざとフローラに優しく接していると考えるのが妥当だろうが、不自然すぎる。


「あの男、何か隠してる……?」


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