鬼類
腕があり二足歩行形態が基本であり手を備える生物のこと。
両前足が「手」として機能するほどに細かく動く指を備え、多くの種が何らかの道具加工技術を有する。簡素な石斧などを作る他、中には火を用いるなどの高度な知的能力を見せる場合もあり、時に人類顔負けの策略や罠を仕掛けることもある。
また、大半が簡易的ではあるが社会性を備え、一頭の統率者を中心とする群れを作り活動する。狩猟を中心とする生物であり、農耕や牧畜といった産業を形成せず基本的に「とらえた獲物を生かしておく」程度にとどまる。
・小鬼
等級:5等級下位
鷲鼻と尖った耳、緑の肌をした120センチほどの魔物。臆病だが狡猾で、知能に関しては猿より高く、簡単な武器や住処などを作り上げる。そして己の力が個体としては劣る事を理解しているからこそ個では無く群れで、部族で集落を築く。また、獣のような牙や爪は持たないが、それを簡易的な武器を作り持つ事でカバーする。また、単体での戦闘能力はそこまで高くないが、複数体が集まって群れになると途端に危険性が跳ね上がる。
・小鬼戦士
等級:5等級
小鬼よりも少し大柄な青年期の個体。狩りと戦闘を担当する部族の中の誇り高き戦士で、狩りや戦闘で鍛えられるお陰か通常の小鬼より筋力が高く、戦闘技術が発達している。知能面もより向上しており、隠密からの奇襲や投石での牽制等の戦術を使用できる。
・小鬼術士
等級:5等級
稀に生まれる原始的な魔術を使う青年期の段階にある小鬼。原始的なものとはいえ人間を殺すには十分な威力の魔術を扱うだけの比較的高めな知性を持つ。加えて、敵を攻撃する役として護衛されているのに加えて、相手に魔術を直撃させられるタイミングまで隠れており、ほぼ確実に不意打ちのような形になるので危険性が高い。
・小鬼銃手
等級:5等級
探索者や軍人を殺す、又は死体を見つけて彼らの持つ銃を剥ぎ使用する若い小鬼。種としては只の小鬼と変わらないが、少なくとも銃の効果と使い方を知る事ができる事から小鬼の中でも知的な方と言える。銃弾を買い補給する事はできないが、それでも対人と同様の戦闘を強いられるという面では恐るべき脅威である事は間違いない。
・小鬼長
等級:5等級上位
小鬼戦士より一回り大柄な体を持つ成体となった小鬼。あらゆる人類より力が強く、一対一で戦うとなれば装備を加えなければ勝つことは難しい。また、それに比例して知能も高くなっており、そこまで高度ではないものの配下を指揮する事で連携を行って有利に戦闘をする。
・小鬼導師
等級:5等級上位
小鬼術士以上に発展した魔術を扱う小鬼の中の魔術師。魔術の精度はちゃんとした機関で高度な教育を受けた純魔術師にも引けを取らないレベルで、十二分に人を殺傷可能な威力があるため警戒が必要。また、肉体を用いた近接戦闘は好まないため、実質的に人間の魔術師と戦うようなものであり、小鬼に勝る点である人間としての体格が意味をなさないことから苦手な者にはとことん苦手な相手。
・小鬼司令
等級:4等級下位
小鬼が成長と進化を重ねたより上位の種。運動能力はともかく筋力では小鬼戦士と同程度の能力しかなく、純然たる肉弾戦闘能力は他の種に見劣りする。しかし、知能は比較的高いようで、複数体の小鬼達を班として使役し、一つの班を率いて狩りを行う。また、道具や環境の利用能力はかなり巧みで、作戦を立てて使用する能力を有する。
・小鬼騎士
等級:4等級下位
騎士とは名ばかりで実際は小鬼戦士の上位種とでもいうべき存在であり、より優れた敏捷性・運動能力を備えた近距離での戦闘を主とする種。部族の腹を満たすための狩猟と仲間の安全を守るための侵入者の撃退を担っている。
・小鬼貴族
等級:4等級下位
少し赤を帯びた肌を持つ小鬼の上位種。縄張りの警戒活動や侵入者の撃退など、群れの防衛を担当する。そのためか、素早い動きで敵を翻弄するというよりは筋力や高い耐久性で敵を迎え撃つといった戦法を得意とする。だが決して運動能力が低いわけではなく、逃げた相手を仕留めるために追撃することもある。因みに種族名に貴族がついているのはノブレスオブリージュに関連していたりする。
・小鬼将軍
等級:4等級
深緑の肌を持つ小鬼の上位種。人と同等程度の体格だが力などのあらゆる身体能力は人のそれを大きく超える。小鬼の中でも一際強く、それ故に他の種とは区別される。筋肉に由来する膂力と瞬発力による近接戦闘能力は人間程度なら容易く狩ってしまう。また、高い知能を有しており、配下の下位種を操り戦う指揮能力にも長けている。
・小鬼王
等級:4等級上位
ギリギリ人の範囲内ほどの巨躯を持ち小鬼たちを統率する小鬼たちの王。僅かに黒を帯びた緑色の肌を持つ。その体には高密度に圧縮された筋肉が備わってわおり、凄まじい膂力を発揮する。
・小鬼皇帝
等級:3等級上位
黒緑色の肌をした小鬼の王の更なる上位の種。小鬼王を遥かに超える戦闘能力を誇り、一体だけで群れ全体を凌駕する。加えて、知能的な面でも非常に優れた能力を持つとされ、本種が存在する領域には無数の罠が張り巡らされるほか、環境自体を改変している可能性を示唆する痕跡まで存在している。その圧倒的に高い危険性により小鬼の皇帝とまで称される、確認されている中では小鬼の最上位に位置する種。
・小鬼狩人
等級:4等級上位
黒に近い緑色の肌で小鬼長と同等程度の体格をした小鬼の上位種。生きるために発達されたしなやかな筋肉と持っている魔物の牙と爪で作られたのだろう使い古された武器、そしてその鋭い眼光からは幾千の戦場を潜り抜けたことが伺える。常に死の危険がつきまとう様な過酷な環境で成長してきた歴戦の小鬼であり、人間のそれを遥かに上回る多様な経験に裏付けされた確かな実力を有する。本種の戦闘能力は筋力と武器による近接攻撃だけでなく、実戦向けに効率化されてきた高度な魔術にも由来し、離れているからといって油断することは命をドブに捨てる事と同義である。
・灰小鬼
等級:5等級
通称灰ゴブリン。灰色の体表をした特異な小鬼。通常の小鬼とは別の氏族で、進化図も小鬼とは似てはいるが外れており、小鬼の亜種と呼ぶのが正しい。人間と比較してもかなり高密度の筋肉を全身に保持しており、膂力と瞬発力に優れる。
・豚鬼
等級:5等級上位
緑色の肌をした豚に似た頭の鬼。肥満体の人間のような形状だが、厚い脂肪が天然の鎧となるのに加え、その下に鍛え上げられた筋肉を持つため怪力を誇る。しかし、巨体が仇となり俊敏性に難があり、知性もそこまで高くはない為、罠などは中々作れず精々待ち伏せをして襲うぐらいしか出来ない。だが2メートルを超える体躯と人の倍以上の膂力に由来する攻撃は、打ちどころによっては一撃で人を殺してしまうほどの威力を有する。
・豚鬼術師
等級:5等級上位
ごく稀に生まれる扱う魔術を使うオーク。小鬼の扱う術とあまり差異はないが、その威力は対人用の術と遜色なく、人を殺すのに不足はない。絶対数が少なく、基本的に不意打ちのような形になるので危険性が高い。
・豚鬼長
等級:4等級下位
通常の豚鬼より一回り大きい体格を誇る豚鬼の上位種。筋力、知能、俊敏性などあらゆる面で豚鬼に勝るため、小規模な群れの長として存在することが多い。また、進化するほど戦いを重ねた実績を持つ優れた戦士でもあり、長期的な計画や策略は兎も角咄嗟の状況判断能力は決して侮ることはできない。
・蛮豚鬼
等級:4等級下位
通常の豚鬼よりも筋肉が発達しており、更なる怪力を誇る豚鬼の上位種。通常よりも強いことによる自尊心からなのか力を見せつける荒々しい戦い方を好む傾向がある。また、痛みに鈍いのか、多少傷ついたとしても怯むことなくそのまま戦闘を続行する。
・豚鬼将軍
等級:4等級
豚鬼の群れの中でも特に秀でた能力を持つ豚鬼の戦士。こいつが最強というわけではないが、それでも群れの上位には入る強個体。豚鬼の王を除くと群れの中で最強の座を争うレベルの強さがある。
・豚鬼王
等級:4等級上位
5メートルを超える巨大さを誇る豚鬼の王。その巨体を支えてあまりある筋力から繰り出される一撃は金属を凹ませるほどで、その攻撃を生身で食らってしまったら生き残る事は限りなく難しい。そして、巨大な図体でありながら筋力に由来する瞬発力も兼ね備えており、どのような状況であろうとも人に遅れを取ることはまずあり得ない。
・戦鬼
等級:4等級上位
3メートルほどの大柄な二本角の鬼。肉体的な能力に強く特化した種で、走力や瞬発力等の運動能力もさることながら筋力・頑強性が特に高く、まともな武器や防具の類を何一つ装備していない状態でも、コンクリートを砕き、下手な銃弾なら止めてしまうほど。
・高位戦鬼
等級:3等級下位
戦鬼より一回り大きく成長した戦鬼の上位種。3等級下位の中でも4等級上位とまではいかないが少し弱めな種。王の近衛や側近として使われるが、王がいない群れでは最強格で、常に王へとなる機会を窺っている。
・戦鬼王
等級:3等級上位
特徴的な淡く紅に染まった二本の角を持つ戦鬼の頂点種。魔力も筋力も濃密に圧縮された高位戦鬼より僅かに大柄な躰には、下位種のそれよりも遥かに高い身体能力が秘められており、その身体能力は一撃で戦車を凹ませるほど。その姿から肉体的な能力に優れることは一目瞭然だが、単純な力押し特化型ではなく、高い知能をも備え、巧みな駆け引きから引き際まで見極める能力は、王としての優れた実力を現している。
・蛮鬼
等級:4等級
小屋ほどの巨体と深い黒茶色の肌を持つ醜悪な鬼。その巨躯に見合った怪力を有しており、その力は人間の限界すら容易く超えるほど。また、生物としては異常なまでの再生力を持ち、生半可な傷ならすぐに再生する事ができる。しかし知能はそこまで高くなく、待ち伏せをするのが精々。
・血蛮鬼
等級:4等級上位
身体に紅い血のような模様のある蛮鬼。通常個体と同じくらいの体躯だがそれを超える身体能力を誇る。攻撃に出血毒と同様の出血が止まらなくなる効果を持たせる能力があり、たとえ撃退に成功したとしても、一度でも攻撃を受けていれば、死んでしまう可能性が高くなる。
・蛮鬼王
等級:3等級下位
通常の蛮鬼より二回りほど大きな身体を持つ蛮鬼の長。通常の蛮鬼よりも筋力と再生能力が高いため倒しづらく、その体から繰り出される一撃は容易に命を奪い去る。また、知能面も向上しており、簡易的な作戦を立て計画的に行動する。
・恐蛮鬼
等級:3等級
くすんだ灰色が混じった肌を持つ蛮鬼王の変異体。鉄以上に頑丈な皮膚を有しており、剣でも魔術でも、それこそ銃ですら傷を付けるのは難しい。蛮鬼特有の再生力も健在であり、本種の高い耐久性と相まって、不死性だけで考えると3等級上位を上回る。しかしながら、攻撃力に関しては蛮鬼王と比べても然程差はなく、真に恐れるべきは不死性に由来する捨て身にも思える凶暴性を持つ相手との持久戦を強いられるという点。また、変異元の蛮鬼王とは異なり、常に単独で地下世界を彷徨っている。
・妖鬼
等級:4等級
黒い岩のような表皮をした鬼。大きく裂けた口と朱く煌る眼の顔貌に、蝙蝠のような皮膜、腕脚には鋭い鉤爪が生え、矢じりのように先の尖った特徴的な尾を有する。脚は人間というより獣脚に近く、高い瞬発力を発揮する。その全身凶器とでも言うべき恐ろしい姿は見た者に恐怖を抱かせるだろう。
・上位妖鬼
等級:4等級上位
妖鬼より二回り近く大きな体を持つ妖鬼の上位種。その凶器は益々鋭さと禍々しさを増しており、生命や生物というより戦闘のために作られた兵器を思わせる。妖鬼より翼が発達しており、戦闘時には背から生える2枚の翼で空を飛び、急降下すると同時に体に備わる鋭い部位で苛烈な攻撃を加える。戦い方は鷲やタカなどの猛禽類に近く、何故体が飛行の邪魔になり得る人型であるのかは謎に包まれている。