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亀裂を通り抜けるとそこは(前編)

マジでどうなっちゃうの、俺のバカンス


~暴走列車~


「……自衛隊の攻撃が落ち着いて来たな」

「ハルカの様子でも見て来るか」

『エレナ、助かったで』


《烈鬼剣兼定》を仕舞うレイカの前に、機動戦闘車を撃破し終えたエレナが着地する。


『問題ないわ!レイカさん!』

『装甲車両は私にとってボーナスステージだもの!』


『せやな』

『ドローンなんかとは比べ物にならんからな、エレナのは』

『私も空を自由に飛びたいなぁ』


エレナは少し頬を紅くして言う。


『今度……一緒に飛びませんか?』

『空は楽しいですよ!』

『今度連れてってあげますから!』


『ええな、それ……』

『この仕事終わったら連れてってくれるか?』


『やったー!』

『レイカさん大好き!』


エレナはレイカへ抱き着く。

爽やかで甘い香水の匂いがレイカの鼻腔をくすぐる。


(18歳らしくて可愛いわ)

(てか……これが普通やろな)

(まぁ人並み以上に愛嬌ある娘やわ、エレナは)


そこへテカテカの高っちゃんがやって来る。


「レイやん!」

「後何分で到着するんや!」


「運航ダイヤなんかないで」

「てか何処まで線路が続いてるか分からんわ」


「なにっ」

「着くまでプッシュアップしてるしかないってのかい!」


彼はその場で腕立て伏せを始める。


「ジャックした列車の屋根の上で腕立て始める男なんて、人類初ちゃうか」


「人類初プッシュアップ!」

「人類初プッシュアップ!」


「もう二度目突入しとるやんけ!」


そして3人の目の前に大きな亀裂が差し迫る。


「……さぁ鬼が出るか蛇が出るか」

「もう鬼は出たから残りは蛇しかおらんハズや」

『ハルカの様子でも見に行こか、エレナ』


『はい!』


レイカは車両の屋根を六角形に切り飛ばし、彼女とエレナは車両の中へと降りて行った。



~駐車場~


『まさかゲオルグと旅行が出来るとは!』

『最高だぞ北海道!』

『一緒にサウナにも入れたしな!!』


ヨハンは上機嫌で駐車場に躍りだして来る。

ゲオルグは疲れた表情で言う。


『……嬉しそうで何よりだけど、マジで付いて来る気かよ……』


『何を言ってるんだ!ゲオルグ!』

『お前に近づく不埒な女からお前を護る為、常に側へ付いてなければいけなくなった!』

『これは王族かつ経営者としての正当な判断だぞ!ゲオルグ!』

『その女の背景が分からない以上、政治的・経営的な問題を起こすワケには行かないんだ!』


『畜生、無駄に筋が通ってやがる……!』


アイカはトランクへ荷物を入れながらフェルゼンへ言う。


『……これ、私が運転係になるんですかね?』


『も、申し訳ございませんわ……』

『お頼みしますわ……!』

『助手席には私が乗りますから……』


『意外と苦労してますね、クソデカヴァルキリー』

『……いや、ホント色んな場所が大きいですよ』

『質量的な意味で』


アイカは車のキーを受け取りながら、フェルゼンのKカップおっぱいを凝視する。


『……エコノミークラスは無理ですよね、この全体的な太さと背のデカさは……』

『マジで何食ったらそうなるんですかね……』

『一体何kgあるんですか?』

(ヴェルミーナよりデカい(・・・)感じがします)

(向こうは元が細い感じでしたが、こっちは根本的な骨格のデカさを感じますね)


『ノ、ノーコメントですわ』

(体重が90kgを軽く超えてるなんて……絶対に言えませんわ!)


そこへ着飾ったイチカが現れる。

アイカはその美貌に思わずをキーを落としそうになった。


『吸いたい』

『揉みたい』

『しゃぶりたい』


『活用出来てませんわよ』


ゲオルグも思わずペットボトルを落としそうになる。


『ヤりてぇ……』

『マジヤりてぇ……』

『超マジヤりてぇ……』


『同レベルですわね』


ヨハンが車の後ろから叫ぶ。


『これは危険だ!危険すぎる!』

『お兄ちゃんはこの女と遊ぶ事を許しません!』

『反対!反対!反対!』


『も、もう先が思いやられますわ……』


フェルゼンが頭を抱える横で、イチカは短いタイトスカートから太ももを覗かせる。


『……久々にストッキング履いてみたんだけど……』

『……どう?』


『グッドです!ベリーベリーグッドですよ!』

『最高です!ふぉ~~ぉっ!!』

『ムラムラします!!』


『俺の魔剣が!ズキュンバキュン!』


フェルゼンのゲンコツが、アイカとゲオルグへ命中する。


『おふざけしてる状況ではないですのよ?(ニコッ)』


『『はい』』


イチカは少し恥ずかしそうに毛先を弄る。


『ちょっと……自信出て来たかな……』

『ふふっ』


((やべぇカワイイ))

((この状態ずっと続け))


そして全員が車に乗り込み、アイカはエンジンを掛ける。


『なんか車内が狭いんですけど……』

『後バカ王子!』

『イチカさんに手を出したらその時点で降ろしますからね!』


『俺の車だぜ!?コレ!』


『運転手は私ですので!』

『権限は全て私にありまぁす!』


『マジでどうなっちゃうの、俺のバカンス』


その時、ヨハンの懐から着信音が鳴る。

彼は電話に出る前に通話を切った。


『出なくて良いんですか?』


『どうせ大した用じゃない』

『ゲオルグとの旅行より重要な事など、この世には存在しない』


『本当にどうかしてますよ、この人』


『人間ってのは自分を客観的に見れないモンなんだな』


ゲオルグに向かってアイカのナイフが飛んできた。

彼は刃を口でキャッチし、窓から投げ捨てた。

フェルゼンの首筋に汗が伝う。


『少々スマホを宜しいでしょうか?ヨハン様……』


『構わない』

『それよりこの躾のなってないメス犬をなんとかしろ』

『噛みつき癖が治って居ない様だ』


『まだ躾の途中ですわ』


『ナチュラルに犬扱いするのやめてくれませんかね』


彼女はスマホを受け取り、着信履歴を見る。


『ふぁっ』

『外務大臣からですわ』


『なら問題ない』

『行けメス犬』


『超超大問題ですわーーっ!!』

『しかも8回も着信が……!』


フェルゼンは外務大臣へ電話を掛ける。

2秒で相手は出た。

彼女は即スピーカーをONにした。


《公爵!!》

《何故日本に来て、しかも事件を起こしてるんですか!?》

《今日はオランダ国王や高官・企業家達との食事会があるんですよ!?》

《今直ぐ本国へ帰って来て頂きたい!!》

《今、日本政府に外交ルートで貴方への不起訴を働きかけています!!》


『病気で欠席すると伝えろ』

『国王や高官や企業家達は世に何人でも居るが、我が弟はこの世に一人しか居ない』

『今はその弟と大切な時間を過ごしている』

『以上だ』


アイカは半ば感心したように唸る。


『う~~ん……このブラコン……』

『タダ者じゃありません……!』

『愛する者が最優先!!その原則を理解してますね……!』


『……今のを聴いたか?』

『躾のなってない犬ですら理解出来る理屈だ』

『分かったか?分かったのなら、暫く電話を掛けてくるな』


ヨハンはフェルゼンの手からスマホを取り、通話を切った。


『という訳だゲオルグ……』

『暫くお前の旅に同行出来るぞ!』


『ちょ、ちょっと待て!』

『会社はどうすんだよ!?』


『リモートで良いだろう、そんなの』

『もう大きな案件も暫く無い』

『もし役員会でCEOから外されても、お前さえ居れば幾らでも会社など作れる』

『それ程私はお前を買っているんだ、ゲオルグ』


『……買い被りすぎだぜ、兄貴』

『俺に人を率いる能力は無ェよ』

『第一、兄貴やフェルゼンと違ってお勉強出来ねぇし……』


『ゲオルグ……』


ヨハンが残念そうな顔をした時、ゲオルグの隣で大人しくなっていたイチカが言う。


『……そんな事は無いと思う』

『ゲオルグは機転も利くし、勇敢だし、子供にも好かれてる』

『何処の世界でもヒーローになれる、人を率いる事が出来る』

『そ、そういう気がするけど……』


ゲオルグが彼女を見ると、彼女は頬を紅くして俯いた。

彼は頬を緩めて言う。


『クリスティナ……ありがとな(可愛すぎだろコイツ)』

『けど俺は子供達のヒーローやれてれば、今はそれで十分だと思ってる』

『いや、俺は子供達の憧れの対象じゃなきゃいけない』

『何せ俺は世界の空を股に掛けるパイロットだからな!』


ヨハンはがっちりとゲオルグの両肩を掴み、感動の涙を流して言う。


『流石だ……!ゲオルグ……!』

『お前の成長が目に染みまくって涙が止まらないぞ……!!』

『やはり私はお前に付いて行きたい!!』


『恥ずかしいからよせよ、兄貴』

『でも……もし兄貴が補佐してくれるなら、万人力だ』

『兄貴以上に優秀な人間なんてそう居ねェしな』


『ぅおおおおおぉぉ~~っ!!』

『私は幸せ者だァ~~~!!』


ヨハンの叫び声が車内に響き渡る。

フェルゼンはジクジクする胃を抑え、笑顔で目を閉じた。

アイカは少しだけ目を側める。


(……私はこうはなれませんでしたね)

(兄妹とも親とも関係が悪かったですし)

(一緒に経営しよう、だななんて……考えも出来なかった)


彼女はゆっくりとアクセルを踏んだ。


(いきなりドキドキ☆プレッパーズ質問コーナー)

(裏話もあります)


Q. 帯広で地震起きたけど、なんか呪い掛けてねーだろうなテメー


A. 文章を書くと、それに近い事が将来起こる感覚はあります。

  多分偶然。しゃけ。めんたいこ。


Q. 網走と北見の違いを教えてくれよ


A.  財政難なのが北見で、そうでないのが網走。


Q. ラベンダー園って美瑛町?


A. 上富良野町だ、二度と間違えるな。


Q. 回転寿司行くなら?


A. トリトンか花まる。でもなごやか亭も大いにアリ。


Q. なんでキリエは兵隊を指揮出来てんの??


A.  元自衛官でしたが、主婦業と投資家業に専念する為退官しています。

  因みに薙刀の腕は全国レベルです。

  一般幹部から入って平良を捕まえて即辞めています。

  こわい。人生プランがしっかりしすぎている。


Q. 道内で交通IC使える?


A.  札幌と函館以外は使えぬと心せよ。WAONを使うのだ。

  北海道はイオン経済圏だからな。


Q. マルファお姉さんの手持ちの兵力ってどれくらい?


A. 4000人以上です。

  アイテムの使用により、正確な軍事力は隠蔽されています。

  ロシア極東地域には35万人以上のロシア兵が集結しています。

  やばいね❤️


Q. 公爵で王族で経営者なヨハンお兄ちゃんが急に消えた、社員や執事達の感想を述べよ。


A.  諸行無常。


Q. イチカ(184cm)とレイカ(180cm)以外の登場人物の身長を教えてくれよ。


A.  今後スプレッドシートに纏めようと思ってるんだよね。

  なっ、なんだあっ

  数が多すぎて載せきれないですぅ


(以下登場人物身長リスト①)


アイカ:174cm

ハルカ:177cm

エレナ:190cm


高っちゃん:185cm

黒川:175cm

職人女:158cm


ユンユン:169cm

平良:182cm

キリエ:168cm


マルファお姉さん:189cm

ヴァヴィロフ:215cm

クヴォズジーカ:148cm

ヤストレブ:183cm


ヘイリー:182cm

リヴァ:189cm

クエイド:184cm

エスティア:162cm


ゲオルグ様:195cm

フェルゼン:190cm

ヨハンお兄ちゃん:196cm


四十万:181cm

上杉ちゃん:176cm

リン:170cm

大道:208cm


アーデルハイド:178cm

ヴェルミーナ:192cm

クラリス:180cm

ヴェルチカ:173cm


(以下裏話)


取り敢えずはこんな感じ。

ハルカとエレナは想像以上にデカいです。

つーかデカい女性ばかりだ。

四十万と上杉ちゃんは黒スーツがクッソ似合う気がする。


ゲオルグとヨハンはこの身長でイケメンフェイスと超イケボをまき散らしてます。

多分通行人が振り返るレベルなんじゃないかな……

二人の人気は本国では非常に高いです。

ゲオルグ様の遺伝子が世界を席巻する日も遠くない。

遺伝子拡散一番のストッパーはヨハンお兄ちゃん。


ヴェルミーナはマジでデカい女って感じ。

それで居て運動神経と反射神経バツグンです。

しかもスキルセットがランボーです。

ヤベェ。


そして、ハイスクールではバスケでの大学推薦が決まっていましたが、

相手チームコーチの顔面へダンクを決め、見事推薦取り消しとなりました。

原因は赤髪を揶揄されたからです。

その事件があっても全米の大学からスカウトが来る程でした。

しかし余りにも気性が荒かったかつ、クソヤバ発言のオンパレードでスカウトが退散しています。


従妹のクラリスはチアリーダーをやっていましたが、

意図的にライバル達を怪我させてたのがバレて退部になっています。

部活動予算の横領は最後までバレなかった。

演劇やショー、パフォーマンスでは絶対に主役を張りたがり、

これまたライバルはサクッと排除してます。あくらつな手段で。

更に言うとプロレス大好きです。生配信で実況もしてます。


両者ともスクールカーストの頂点でした。

本来なら、ゴスのアーデルハイドとは人生が交わらない。

しかし、二人共彼女にハマった。


やっぱり従姉妹だぜ。

揃ってアーデルハイドに懐いているのは、悪夢のような偶然としか言い様が無い。

両方とも知能が非常に高く、身体能力も無駄に高いんだコレが。


しかし、その能力を活かしてやる事が極右軍事組織の一員になってドンパチやったり、

他人から戦争やる為のカネを巻き上げる事なんだよね。

文字通り悪魔みてぇな従姉妹だ。上級悪魔姉妹。


描写を結構露骨にしたので分かると思いますが……

アーデルハイドとその配下達は悪魔がモデルで、

ベルナルドとその配下達は天使がモデルです。


平良とキリエ達は鬼がモデルで、ヘイリー達は多神教神話がモデルです。

四十万姉妹とその部下達は妖怪がモデルです。上杉ちゃんだけ違う。

ゲオルグとヨハン、フェルゼンとエレナは北欧神話です。


マルファお姉さんとリヴァが美人度でも強さでもズバ抜けてる感じ。

全体的にスラっと引き締まってて、出る所は出てて身体のバランスが良い。

そういうイメージです。

リヴァは少し幸が薄い感じの美人。お姉さんは柔らかい感じの美人。

全体的に美人多いけど、この二人は人間離れしてる。


質量的に一番デカい女はフェルゼンですね。

アマレスとボクシングで鍛えた、Kカップ190cmの肉体が暴れまくってます。

正面から組み合ったら、多分ヴェルミーナでも組み負ける。


それくらい体幹と足腰が強靭。

高っちゃんと並ぶ天然のフィジカルモンスターです。

勉強も仕事も出来るし、おまけに女子力もコミュ力も高い金髪美人。


足腰は一番太っとい。なんだこのCA。

重量オーバーだろ。追加料金発生モンだぜ。

エコノミークラスの通路は多分しんどい。


総合スペックで見たら、イチカ以上の人。

イチカはかなり不安定な所がありますが、フェルゼンは終始安定しています。

エレナへ劣等感を植え付けるには十分なスペックだと思う。

ゲオルグは嫁選びでも超大成功してます。アイツは余りにも強運すぎ。


全登場人物中一番大きいのは、ユルゲンかな。

ヴァヴィロフ(変態)は2番目くらいですね。

ただ、変態は痛めつけられると果てしなく巨大化します。

アイテム能力と性癖のシナジーが余りにも高すぎるけど、

ある意味探索者の理想でもある。


ここまでお読み下さりありがとうございました。


「面白かった」「次も期待している」「エレナとレイカのイチャイチャもっと見せろ」「高っちゃんは常に伝説を作る男だな」

「ヨハンお兄ちゃんの愛が深すぎる」「そして大きすぎる」「フェルゼンもうママやん」「イチカ、そのままで居ろ」「やっぱりゲオルグカッコ良いな」「お兄ちゃん頼むから静かにして……」

「北見市は無駄に合併しすぎ」「デカい女が多すぎて最高」「とんでもねぇ従姉妹共だな」「ふっと……」


と、どれか1つでも思って頂けたら、ブクマ・評価・感想頂けると励みになります。

宜しくお願い致します。



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