ロウリュなんてオシャレな言葉知らなかった私(前編)
同じおっぱいなら揉まなきゃ損!損!
~四十万が汚い笑顔を浮かべていた頃~
~帯広 リゾートスパ 森の謌~
~浴場~
イチカはタオルを体に巻き、浴場の扉を開ける。
「……良い空気だな」
「木材の香りがとても良い」
「で、ですね」
(も、もう興奮が抑えきれませんよ……!)
(やっばい、色気凄すぎますって……)
(ホワァアアア~~!!)
そこへハルカがデカパイを揺らしながらやって来る。
タオルからはみ出した上乳は無駄にプルっていた。
「いや~タオル巻くのに時間かかって……(ぎちぃ……)」
「イヤミですかッ!貴様ァ!(プニィッ)」
「こっちもはみ出してますよ!(ぷにんぷにん)」
「ちょっ!腹の肉を……!」
そこへレイカがやって来る。
「おー揃っとるなぁ!」
「レイやん……」
「その手首の布はまさか……」
「入れの墨や」
「布巻いとけば分からん(強弁)」
「半グレのライフファック……」
「強ち言い間違えでもないですね」
「……そういえばあのおバカモデルは?」
レイカは目を逸らす。
「ワイには止められんかった」
「……またイヤな予感がして来たぞ……」
『揃ったわね!愚民達!』
『私の輝きについて来られるかしら!』
全裸のエレナがタオルも持たずにやって来る。
彼女の周囲は何故かキラキラしていた。
「うぉまぶしっ……!スタイルすっげ……」
「流石スーパーモデル……!」
「だけど……」
「いきなり全裸ってのは……」
「どういう了見なんでしょうねこのバカ」
『サウナ行くわよ!サウナ!』
『私がサウナの使い方を教えてあげる!』
『全裸なのはフィンランド式のサウナに入るからか?』
《?》
《私が美しいからだけど?》
《今の私はまさにヴィーナス……!》
『聞いた私がバカだった』
5人はサウナへと向かって行く。
浴場へ森がはみ出し、取り囲んでいた。
「マイナスイオン全開爆増やぁ……」
「プラスイオンがこの世から消えていく……」
「二人共物理法則無視するのやめて?」
アイカは滑るフリをして、イチカの背中に抱き着いた。
「タオル越しのイチカさん最高ぅ~……」
「すうぅぅぅ~~~↑」
「最早隠そうともしなくて草」
エレナはサウナの扉に手を掛ける。
『さぁサウナへ突撃よ!!』
『ウラーー!』
扉の先にはガニ股開きの金髪爆乳女が待ち受けていた。
エレナは扉を閉める。
『ねぇ……』
『みんなお風呂の方に行かない?』
『なんですかいきなり』
『サウナへ行きたいって言ったのは貴女じゃないですか、エレナ』
『マルファでも居たんですか?』
『……姉よ』
『何でココに居るのよ……!?』
『姉?』
『居たんですね』
『父親違いだけど……』
『……確か母親がドイツ人なんだよな、エレナ』
『マルファから聞いたぞ』
『ったく、先生ったら……!』
『一番知られたくないのに……!』
『……なんで?』
『良いじゃん、両親も姉も居るって』
『私やレイやんなんかは全部居ないぞ』
『マーマはもう死んでるわ』
『……病気でね』
『でも……私はアナタ達よりマシな状態なのかも』
『……で』
『何かあったんです?お姉さんと』
『……何かにつけて反りが合わないのよ』
『国も言葉も違うし……』
『何人なんや?』
『スウェーデン人ね』
『同じくドイツ人の血を引いてるけど』
『婚約者も居るわ』
『へぇ』
『婚約者はどんな人?』
『超大企業の御曹司で国際線のパイロットよ』
『しかも王族の血を引いてるわ』
『たまげましたね』
『絵に描いたような勝ち組ウーマンじゃないですか』
「集ってお小遣い貰いに行きましょう!」
「「「賛成ー!」」」
『なっ……!?』
アイカはサウナの扉を開ける。
外気が流れ込み、サウナが冷えていく。
『閉めて頂けますこと?』
『扉の開けっ放しはマナー違反……』
『入るのか入らないのか……どっちかにして頂きたいですわね』
『『『入ります』』』
『は、入らないってばぁ!!』
~1分半後~
『初めましてですわ』
『私、イェリス・フォン・フェルゼンと申します』
『この度は愚妹がご迷惑をお掛けしておりますわ』
(流暢な英語ですね)
(姉妹でドえらい差ですよ)
『いえいえ』
『私は香坂・クリスティナ・イチカと申します』
『隣に密着してるのが、我が家の番犬アイカです』
『宜しくです』
『早速質問なんですけど……』
『なんでしょう』
『なぜ全裸かつ大股開きなんですか?』
『完全にご開帳状態ですよ』
『蒸気が隠してくれなければ、色々と終わってましたね』
フェルゼンは足も閉じず、腕を組む。
そして、胸を寄せ上げて得意げに語り出した。
『北欧ではサウナに入る時は全裸、とお作法で決まっておりますのよ』
『しかも混浴がスタンダードですわ』
『よって股を開くのも問題ありませんわ』
『なぁ、諸説無いか?ソレ……』
『ありませんわね(キッパリ)』
『とんだお作法だなぁ』
『まぁいいや』
『作法は人の数だけあるからな』
『心が広いですわね、貴女』
『それは美徳ですわよ』
『う~ん……そうなの、か……?』
「あっ」
「たぬき汗スゴい」
「たぬき汁全開だぜぇ……?」
「汁溜まり出来とるで」
「うゎ、ワイの足元まで来とる……!」
フェルゼンはイチカに言う。
『こちらの方達は……?』
『ハルカとレイカ』
『丸いのがハルカで火傷がある方がレイカだ』
『宜しくお願いしますわ、ご両人とも』
フェルゼンは二人の手を握っていく。
『美人さんばかりですわね』
『それぞれタイプは違いますけれど』
『嬉しいなぁ、爆乳ちゃん』
『その乳触らして貰ってエエか?』
『出た』
『レイやん恒例のセクハラ』
『同じおっぱいなら揉まなきゃ損!損!』
「揉む阿呆は一人だけなんだよなぁ」
しかし、フェルゼンは悠然とそのデカパイを差し出した。
『揉まれて減るモンではありませんわ!』
『それに恥じる所等何一つありませんもの』
『是非!この感触を確かめて下さいまし!』
『カッケェ……』
『ほんなら、お言葉に甘えて……』
レイカはゆっくりと指をフェルゼンのデカパイへ沈める。
『国宝級やこれ……』
『奇跡の北欧産爆乳やで……』
『どれ……』
イチカも続いてクソデカホワイトマシュマロへ指を沈める。
アイカとハルカもそれに続く。
『『『すっっげぇ……』』』
『パイは世界を救うんやなって』
『激しく同意』
『嘗てない程心穏やかだわ……』
「全員揉む阿呆で草」
エレナは水の入った桶を持ってサウナへ入って来る。
『イェリス……!』
『今日という今日こそは……!』
『白黒付けよう、って事ですわね?』
『良いでしょう!望む所ですわ!』
『何を始める気なのかな??』
彼女は一気に水をサウナストーンへブッ掛ける。
蒸気が大量発生し、サウナの中へ立ち込める。
『イェリス!』
『この中の一人でも脱落したらアナタの勝ち!』
『その前にアナタが脱落したら私の勝ち!』
『それで良いわね!!』
『ええ!』
『よろしくてよ!』
『全然よろしくない』
『皆出るぞ、早く整いたいからな』
『ぜひ露出狂同士で決着を着けてくれ』
しかし、イチカの手は扉に跳ね返される。
『バリアを張らして貰いましたわ』
『勝負が終わるまで……出る事相成りませんわよ!』
『ヤロー』
『SSS(※1)の仲間か?』
『私はりぼん派ですわ』
『私はゲオルグ様の戦乙女!』
『あの人の伴侶として、私は恥ずかしくない振る舞いをするのみ!』
『まーたこんな展開ですか』
『休みに来たのに、休むヒマがないですね』
「ええ~!?」
「出られないのぉ~~!?」
「SSSの魔の手が北海道にも……」
「ワイのサウナライフへ暗雲が……!」
こうしてアラサー地獄のサウナデスマッチが始まった。
※1 サウナウォーズを読めば分かる。
サウナウォーズ大好きです
己の意志の限界へ挑戦し、克服するのがサウナなんだ
※ ロウリュ
サウナウォーズを読まなければ、一生知る事が無かったであろう言葉。
ここまでお読み下さりありがとうございました。
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