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現代日本プレッパーズ~北海道各地に現れたダンジョンを利用して終末に備えろ~  作者: 256進法
第二部:黙示録コンプレックス・in・北海道

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ワガママギャルキューレ襲来(後編)

プリキュア☆ギロチンチョーク!❤️

と言うワケで、ホームステイの受け入れ宜しくね❤️


 レイカは粉々になった窓の先を覗く。


「あーあー……」

「もう無茶苦茶やんけ……」

「……ん?」


庭の美しいオブジェと化したエレナの横に、作業着を着た女の職人が呆然と立ち尽くしていた。


「おーオマエが例の職人か」

「見るからにいっちゃんと相性悪そうなタイプやな」

「ワイはレイカ。気軽にレイやんと呼んでくれや☆」


「ヴッ(気絶)」


女職人は胸を抱えて仰向けに倒れた。


「オイオイ、救急車なんか呼べへんで」


レイカは女大工を抱え起こす。

以下、大工フィルター起動。


「大丈夫か?病院行くか?」

(訳:ワイが付きっ切りで面倒見たるから、ワイの腕の中で寝とけや)


「まぁ意識はありそうやな、暫く部屋で横になっとき」

(訳:ベッドで目ェ閉じて横になってろや、優しくイカせたるから)


大工フィルター停止。

フィルターの交換期限が迫っております。

大工はレイカに抱えられ、家に連れ込まれる。


「色気付いてんじゃねーよ、クソ大工」

「私の家で盛ったらブッ殺すからな」


「そこ!言葉遣い!」

「私の後継者となるからには、女子力の向上は急務よ!」


「はいはい、すいませんでしたわ」


「『はい』は一回!」

「もう……!こんなカッコカワイイ顔しているのに……❤️」

「ぷんぷん!」


いつの間にかマルファはイチカに膝枕していた。


「ぅわキッツ……」

「ってうぉぉ~~ぃ!?」

「何してくれやがってんですかぁ~~!?このクソ×××××~~!」


「全く野良犬がうるさいわねぇ……」

「プリキュア☆グラデニェッツバースト!」


「あっ、今度は壁が吹き飛んだ」

「もうイチから作り直した方が良いんじゃない?要塞(・・)


「余計なお世話d……」


マルファはイチカの額を撫でながらニコニコしている!


「……です」


「えらい!❤️」


ハルカは頭から地面に埋まっていたエレナを引き抜く。


(超気難しい生き物なのに扱い上手いなぁ……)

(でもこれぐらいが良いのかも……)


『ナイスよ!タヌキ!』

『エレナポイント10点追加!』


攻撃を回避したアイカが、屋根の上からエレナに向かって言う。


『そのポイント貯めたら何かくれるんですかね』


『私から褒め言葉を貰える権利をあげるわ!』


『このxxxxxが、ピーッでピーッしますよ』


『可愛い顔して怖い!レッドアイより遥かに攻撃的だわ!この狂犬!』


エレナは立ち上がり、銀色のサイドテールに付いた土を落とす。


『そ、それで先生……』

『私にハナシがあるってヴァヴィロフから聞いてるんだけど』


『ええ』

『ちょっとの間、ホームステイして貰おうと思って❤️』


『ドコに?』

『オランダ?スイス?』

『ああ、アルプスのスキー場でバカンス、ってのも悪くないわ!』


『ココ❤️』


『北海道??』


『だからココよ、イーチカの家よ』


『へ?へ??へ???』

『正気で言ってるの?先生』


『大統領の許可も取ってるから』

『アレクセイには無断だけど』


『あり得ないわ!』

『モデルの仕事もあるのよ!?来週にはイスタンブールのファッションショーに出なきゃいけないのよ!?』

『それがこんな汚い中古の民家でホームステイ!?床にバイブやローターが転がってるこの環境で!?』


『言いたい放題だなこの銀髪ギャル』

『まぁ事実なんだけどさ……』


『大統領は激おこぷんぷん通り越して、アナタのバカさ加減に呆れていたわ』

『ヤストレブが大学教授に見えるレベルだって仰ってたもの』


『ヤストレブよりもバカなの!?私!?』


『ああ見えて彼は空軍将校よ。学力に関してはアナタと比較にならないわ』

『そもそも自国の首都と政権与党の名前間違えるとか、あり得ないでしょう』

『ジーカだってちゃんと答えられるわよ』


『バ、バカにしないでくれる!?』

『知ってるわよそれぐらい!』

『あ、あの時はワザと間違えただけよ!そう、場を和ませる為のジョークだったの!』


『じゃあ答えて』

『正しく回答出来たらホームステイはナシにしてあげる』

『間違えたら即決定ね❤️』


『よーし見てなさい!華麗にホームステイを回避して魅せるわ!』

『……ロシア連邦首都の名前はキエフ!』

『政権与党の名前は国家社会主義ナントカ党!』


『『あっ……』』


マルファはスッと立ち上がるとエレナの頭を押し下げて首を抱え、エレナの前腰を軽く蹴って固めに入った。


「プリキュア☆ギロチンチョーク!❤️」

「と言うワケで、ホームステイの受け入れ宜しくね❤️」


『あ"あ"あ"あああっ!ギブ!ギブ!ギブアップだから!』

『ごめんなさいぃぃぃ!!』


「……オイ、こんなの面倒見切れないぞ……」

「タダでさえ、今そんな気分じゃないのに……」

「歩く爆弾じゃねぇかコイツ……」


「ちゃんと報酬は出すから❤️」


エレナはマルファの完璧な極めにより、フッと気絶した。


「……幾らだ?」


「そうねぇ、500万って所かしら」

「期間は二か月よ❤️」


「相当買ってるんだな、このパープリンを」

「……で。具体的には何をしてやれば良いんだ?」


「好きにして良いわ」

「勉強を教えるも良し、ダンジョンに潜るも良し、畑を耕させるも良し、一緒に街へ出るも良し……」

「アナタの裁量に任せるわ、イーチカ」


(…コレはいっちゃんの成長を促す為でもあるな)

(この銀髪ビリギャルを如何に扱い、育てるか)

(今はたった四人の仲良しグループやが、将来どうなるか分からんしな……)


「……分かった」

「エレナを受け入れる」

「ただ、命の保証は出来ないからな……特に今の状況だと……」


「心配無用よ」

「エレナも探索者。その辺りは心得ている……ハズよ❤️」


「何ですかその間はァ!」


そしてマルファはイチカの隣に座って言う。


「アーデルハイドに付いてなんだけど」


「……聞くよ」


「……ありがと❤️」

「彼女はきっとこの北海道で大戦を起こす」

「それに彼女の《堕天使原理ルキフェル・プリンツィプ》は、既に第三段階の《覚醒》状態まで到達してる」


「……何だ《覚醒》って」


「ダンジョンアイテムと使用者の精神が完璧に同調している状態よ」

「ランクが高い程それに至るのは困難を極めるわ」

「《堕天使原理》のランクは恐らく特A。アーデルハイドは現状、誰よりもアイテムの力を世界に及ぼせるの」


「……アイテムに関してはアンタを超えてるのか、あのゴスロリナチは」


「ええ。癪だけれどね。しかも精神操作系という最悪の部類に属する能力アイテムよ」

「ポーランドとチェコ、そしてドイツやオーストリアの一部地域においては彼女を公然と支援し始めているの。リトアニアとデンマークはコレに追随する形を取っているわ」

「これはアイテムの力によって極右政党に政権を奪取させ、更に議会運営も支部を使って裏からコントロールしている。少なくともGRUの第7局と第13(・・)局はそう見ているの」


「……第13局なんて聞いた事ないが」


「詳しくは言えないけれど、昨今の状況変化を踏まえて新設されたの」

「これで察して頂戴な」


「……大方の事情は理解できたよ」

「軍属じゃないエレナを戦場で戦わせてる場合じゃない、という事でもあるのか」

「それにアーデルハイド達に捕まったら、ヤバい事態へ発展する事情がある」


「……流石ね。イーチカ」

「メンタルは落ち込んでても、頭脳は冷えてる」

「エレナの母親はドイツの名門貴族出身なのよ。彼女はハーフなの」


「──」


「似てるのよ、彼女とアナタの出自は」

「だから……この子をお願い」

「きっと、きっと……仲良く出来るわ」


マルファはイチカの手に自分の手を添えて、彼女の赤い眼を真剣に覗き込みながら柔らかな熱を伝える。


「……分かった。面倒をしっかり見るよ」

「2か月後にはちょっとだらしなくなってるかもしれないけど……」


ありがとう(スパスィーバ)、イーチカ」

「本当に、本当に愛しているわ」


マルファはイチカへ熱く抱擁してキスすると、歯軋りするアイカの横を通り過ぎて去って行った。



魔法(肉体言語)

魔法の(ように人が居なくなる)国 

魔(法少)女


今更大魔法峠思い出した

もう一回視てみるか……

アレも内容が大概だった気がする


エレナ、ソレはやべーよ幾ら何でも……

そりゃあの男も笑うしかないってカンジです。

と、いうワケでおバカヴァルキュリアのイチカ家ホームステイ開始です。


そして、次回は高っちゃんの伝説が更新されます。

乞うご期待。


ここまでお読み下さりありがとうございました。


「面白かった」「次も期待している」「大工の頭の中が思ったよりピンク」「レイやんモテすぎ」「危険なレベルのおバカさ」「アイカが完全に番犬」「たぬきやさしい」「少し予想外な展開で良い」「姉弟子と妹弟子になるのか」「展開が面白くなってきた」「プリキュア☆ギロチンチョーク!❤️」「相変わらず感情重いなマルファお姉さん」


と、どれか1つでも思って頂けたら、ブクマ・評価・感想頂けると励みになります。

宜しくお願い致します。

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