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現代日本プレッパーズ~北海道各地に現れたダンジョンを利用して終末に備えろ~  作者: 256進法
第二部:黙示録コンプレックス・in・北海道

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銀髪堕天使の異常な気紛れ

※今回は長くなります。ちょっと難しいです。あとがきもね。でも面白いよ。


観賞用BGM:https://www.youtube.com/watch?v=DBJyrZ7gdHQ&ab_channel=%E6%B5%9C%E5%B4%8E%E3%83%87%E3%83%B3%E5%8A%A9


~札幌市~

~ススキノ・札幌市電沿線近く~


『……おい、アーデルハイド』

『思ったよりも人数多くて重武装で動きが早い、しかも民警の武装レベルじゃねぇぞありゃ』

『歩兵戦闘車まで居るじゃねぇか。SWATでも持ってねえぞあんなの』


『あら。臆したの?』


『ンなワケねぇだろ!』

『手加減しなくて良い相手、ってコトだからな!』

『それじゃァハデにやらせて貰うとするかァ……!』


ヴェルミーナとアーデルハイドは武装した警官達の前へ、ゆっくりと歩いて行く。


『……それにしてもドコから情報が漏れたのかしら』

『私達は今ワルシャワに滞在している事になってるハズよ』

『……ヴェルミーナ。油断はしないで。こっちの行動を逐一尾けている連中が居るわ』


『向こうにもアイテム使ってるヤツが居る、ってコトなんだろうぜ!』

『俄然楽しくなって来たなァ!!エェ!?』


そこへ警官がメガホンで二人に英語で警告する。


《止まりなさい!!》

《君達は不法入国及び扇動の疑いが掛けられている!》


『……ふふふふっ❤️』

『止まる?あり得ないわねぇ』

『《生存圏》を打ち立てるまで、私達は止まらないわぁ』


アーデルハイドはスマホを取り出し、ある人物へ電話を掛ける。


『もしもし、ヴェルチカ』

『今、《ツェッペリン》はどの辺り?』


《……!アーデルハイド様!》

《今ユウバリ市の上空です!》


『今ね、現地警察の部隊と対峙しているの。結構な数が居て全員重武装よ』

『ミーナは戦いたがってるけど、手早く済むのならそれに越した事は無いと私は思うわぁ』

軽~く(・・・)脅してくれる?』


《了解致しました!》

《そ、それで何ですが後で()の……》


『分かってるわぁ』

『後で存分に可愛がってあげるから❤️』


《は、はい!》

《おま……お任せ下さい!》


アーデルハイドは通話を切る。


『あの子、一体何を言おうとしたのかしら』

『ふふふふっ……』



~《巨大空中戦艦ツェッペリン》~

~艦橋~


『徹甲弾装填急げ!!』

『射角0.5度修正!風速10m/s!偏差修正完了!』


緑髪の女が射撃装置を握って叫ぶ。


『三連斉射後、装甲部隊と空挺兵は降下開始!!』

『ヴィットマン!アルグゥ!出撃の用意を!』


《了解。俺の仕事は中央突破からの分断か》

《ミーナのアマ、相変わらず面白い状況を引き起こしてくれるぜ》


《もう、相変わらずケンカっ早いわね……》

《ていうか過剰戦力過ぎない??ヴェルチカ》


『アーデルハイド様のご命令ですよ?』

『ハデにやるに決まってるじゃあ無いですか、フフフ……!』


《……終わったな、あの街》

《風俗街で遊びたかったんだけどなぁ……》



~ジンギスカーン店内~


「なんか外が騒がしいな……」


イチカは店外へ身を乗り出し、3人もひょっこり顔を外へ出す。


「……やっぱりアイツ等お尋ね者だったやんけ!」

「てかちょい待ち!警察ってあんな重武装やったか!?」


「つ、遂に年貢の納め時が……!」

「刑務所に入れられて、イケメン刑務官に処女散らされちゃうんだ……!」


「……どうします?イチカさん」

「裏口から逃げますか?」


4人は入り口に陣取り、相談を始める。


「うーん……もう少しだけ様子見ようぜ」

「多分だけど、あの赤デカギザパイ一人で2万人ぐらいの戦力あるから」

「向こう側に探索者居たら分かんねーけど」


「……そんなに強いんですか、あの赤ひゃっはー」

「まるで張飛じゃないですか」


「流石にマルファお姉さんや金髪アヴァロン女騎士よりは劣ると思う……」

「……でも繁華街で暴れて良い戦力じゃねーな、アレは」


「写真、撮っておきますか」

「コイツ等何処かのダンジョン内で出くわすかもですし、調査が必要ですね」


「あっ、そう言えば先生」

「ファンスタの方どうなってる?」


「……よくぞ聞いてくれました!」

「フォロワーは現在6500人です!」


「10万人には届かねーじゃん」

「やっぱりもっと脱がなきゃダメ?」


「う~~ん……」

「劇的にフォロワーを増やすには、別のアプローチが必要な気がするんだよねぇ……」


「……確かに。先生の言う通りだな」

「帰ったらまたやり方を考えるか」

「で、どうやってお家に帰る?コレ、ススキノごと包囲されてるぜ……」


レイカが店の裏手から戻ってくる。


「いっちゃんの言う通りやわ」

「区域全体が封鎖されとるで」

「地方警察にしては手際が良すぎるわ……っと思って良く見たら、アイツ等全員北海道警やなかったわ」


「「「えっ??」」」


「正真正銘の桜田門組直系や」

「公安第7課が居たらヤバいで」


「……警視庁か」

「どうやって北海道に入った」

「道警と北部方面隊が、港も青函トンネルも封じてるハズだろ」


「……分からん」

「戦場になるで、ココ」

「桜田門組はメンツをクソ程重視する。あの銀髪ゴスロリ女と女ランボーとは最悪の相性や」


「まだ戦争は終わっちゃいないんだ!的な?」


「自分達から始めようとしてるけどね」

「でも警察はアーデルハイド達に勝てないと思う……」


「……その根拠は?」


「直感かな……」

「あの二人はどんなに銃弾や砲弾が飛び交っていても、それでは死なないような気がするんだよ……」


「……私も同感ですね」

「私はあの赤ひゃっはーより、銀髪の方が怖かったですね」

「あの碧眼の奥……完全に虚無でしたよ……底無しでした」


「……」


イチカが考え込もうとした時、何か飛んで来る音が一帯へ響く。


「……!!皆!!伏せろ!!」

砲撃(・・)だ!!」


次の瞬間、爆発が市電の線路を警官隊ごと吹き飛ばした。


「なっ、なんやぁぁぁぁ!?」


「わひぃぃっ!?」


「……!これは……!!」


爆音は絶え間なく続き、ビルが次々と吹き飛んで行く。

イチカは持っていたナイフで手の平を切り裂くと、店外に飛び出てアーデルハイドへ向かって走り出した。


『テメェ!!!アーデルハイドォォォ!!!』

『ワザと一般人を巻き込みやがったな!!!』


「いっちゃん!!全くムチャしよるわ……!!」


「イチカさん!!お供します!!」


「私も……いや、今度こそ死ぬってコレぇ!!」


イチカの後を追って、3人は路上へと飛び出していく。

アーデルハイドはイチカと後ろの3人を見て、ヴェルミーナへ言う。


『吸血鬼さんからのラブコール(・・・・・)よ❤️』

『やっぱ貴女のコト、大好きだって』


『ヒャハハハハハハ!!』

『やっぱりかァ!!やっぱりだよなァ!?』

『警官隊と対峙した時、なんとなくオマエの狙い(・・)が分かったぜ!!アーデルハイド!!』


イチカは血を剣の形にし、ヴェルミーナとその向こうのアーデルハイドに向かって怒鳴る。


『私とコイツを戦わせる為だけに一般人を巻き添えにしやがったな!!』

『警官隊の封鎖はお前に取って良い口実だった!!』


『余りにも……恐ろしく理解が早くて助かるわぁ』

『アナタを敵に回すと、思っていた以上に怖いわねぇ……ふふふ……❤️』

『流石は《魔女》の弟子(・・)と言った所かしら』


『──!!』

『最初から知ってやがったのか、私とマルファの関係性を……!!』


『私の演技(・・)、お気に召した?』

『超実力派かつ演技派の女優だったでしょう?』


『お前はダンジョンアイテムなんか無くても、余裕で大衆を騙し通せる……!』


『イエス』

『でもね……これだけ情報が溢れているのに、自分の都合の良い情報だけを信じ込むコトも悪いのよ?』

『『堕落とは、自分の義務を放棄すること』。自分で情報を分析・精査し、自分なりの答えを出すのは個人の義務。それを怠れば、どうされようと文句を言う立場には無いわ』


『……スペインの哲学者ホセ・オルテガ・イ・ガセットの名言だな』

『《大衆の反逆》を著し、民主主義の限界を指し示した男だ』

『目先の情報に惑わされる凡人には生死を決める権利すら無い、と言いたいのか』


『そうそう!こういう会話を求めていたのよ!』

『その問いに対する答えもイエスよ』

『この世界(・・)は闘う意志と能力、そして広く深い思考を持った、特定の貴族的階級に支配されるべき……そうでは無くて?』


『……それに足り得るのがお前達白色人種だと?』


『……さぁ、それはどうかしらね』

『大半の人間はそこまで上等な生物では無いから』

『けど、貴女もその血がタップリ入ってるじゃない』


『……私は日本人だ』

『お前が何と言おうとな』


『あら残念』

『貴女が仲間に入ればきっとこれから楽しくなると思ったのに』


『私は今のままでも十分楽しいからな』

『いい歳こいてナチごっこをやるのはゴメンだ』

『成る程、マルファがお前等みたいなのを嫌うワケだ』


アーデルハイドの目付きが俄に鋭くなる。


『……あの魔女のお陰で、アメリカとヨーロッパは大打撃を蒙ったわ』

『お陰で鬱陶しいのがワンサカ湧いて……遂に私達(・・)は一つの結論(・・)を出さざるを得なかった』


『生存圏の確立か』


『ザッツライト』

『私達が北海道に来たのはその大きなステップとして、《魔女》とその配下達を殲滅する為よ』

『ロシアが構築しようとしているユーラシア主義的な秩序は、私達にとって非常に都合が良くないの』


待ちくたびれていたヴェルミーナが首をゴキゴキと鳴らす。


『おい、アーデルハイド』

『学術的会話とやらはそこまでにして、そろそろヤりたいんだが?』


『……もう大丈夫よ』

『生かしておいたら面白いと思ったのだけれど、彼女は既にロシア人の手先だったわ』

『私達の仲間にならないのなら、彼女はここで殺しておくべき脅威よ。……本当に残念だけれど』


『おーおー……そりゃあ本当に残念だァ……』

『コイツとなら最高のカオスを引き起こせると思ったのによォ……』


(……コイツ等、『生存圏』なんて概念自分達でも信じちゃいないな……)

(思い切り暴れたいだけのタテマエだろうな……)

(ん……!?)


イチカは爆発の跡地に目線を向けるが、そこには警官達の死体も装甲車両の残骸も無かった。

硝煙の中から4人の人影が出て来る。


犯罪者達(クズ)が大量に釣れましたね、四十万(しじま)警視》

《上手いコト幻影に引っ掛かってくれました》


《しかも大物ばかりがね》

《あのアーデルハイド・R・サクラスブルグにヴェルミーナ・V・リュドヴィッツ、そして山県愛歌に剣崎麗華……》

《全員を捕えれば30手前で警視長も夢じゃなさそうかも》


イチカは大きく目を見開き、背の高い黒髪のセミロングの女を凝視する。


「ま、まさか……ウソだろ……そんな……」


女の目には光が全く無く、顔には薄ら笑いが貼り付いていた。

顔は白粉を塗ったように白く、日本人形のような雰囲気を感じさせた。


《おや……?》

《これはこれはこれは……!》


薄ら笑いが深い笑いに変わる。


《ヒキコモリのクリスティナちゃんじゃぁないですか》

《こんな所で生きていたんですねぇ。とっくに自殺していたかと思いましたよ》

《随分美人に育ちましたねぇ~~いやぁ、また壊したいなぁ~~》


ヴェルミーナはその女に向かっていきなり引き金を弾いた。

だが、弾は彼女の身体をすり抜け、背後の看板を粉々に破壊した。


『……アーデルハイド』

『ここは私が時間を稼ぐ。あの妖怪(・・)相手ではお前の身を保証出来ねぇ』

『クソッタレ、最悪の相性だぜ!ヒャハハハハハハ!』


《随分なご挨拶ですねぇ》

《だからチンピラは嫌いなんですよ》


『奇遇だな!!ジャップのポリスなんて、この世で一番嫌いな人種だぜ!!』

『お前等みたいなのが増えると世の中つまらなくなるからなァ!!』


一方イチカは瞳孔が開きかけ、心臓の辺りを抑えて呼吸に詰まり始める。


『ど、どうしたんですか!?イチカさん!!』


アイカ達は彼女に駆け寄る。

アーデルハイドは腕を組み、四十万の方を睨む。


『……どういう事なのかしら、これは』

『説明下さる?擬態型(・・・)さん』


《私はおおかわ世界の住人じゃありませんよ》

《歴とした人間です》


『そう?』

『ワシントンに巣くう妖怪共と同じニオイがするけど?』

『FBIに言われて私達を捕まえようとしてるの?』


《ご想像にお任せしますよ》

《私達は粛々と仕事をしているだけです》


『粛々と、ねぇ……聞き飽きたわ、そんな詰まらない言葉』

『そんなだから戦争でもビジネスでも科学でも負けるのよ、アナタ達は』

『近視眼的で自らの誤謬を認めず、思慮も内省も浅い。経験から得られた情報やノウハウをフィードバックして全体に適用するシステムも構築出来ていない。だから永遠に自分達の主人にはなれない』


《……何が言いたいんでしょう、このネオナチゴスロリ女は》

《私達日本人は明確な主権を持った存在ですよ。国際法も条約もそれを証明しています》

《もしかして、お得意の陰謀論でしょうか?》


『You don't understand anything.(何も理解していない)』

『私は……今、この国の状況を全て(・・)理解したわ』

『混沌とした状況のこの国はイチカ達こそが先に導ける。アナタ達じゃないわ。決して、ね……』


《そこで過呼吸になってうずくまってる女が、ですか?》

《お笑いですよ。このヒッキーな負け組ちゃんがトップに立つ事はありえませんってw》

《アメリカ人ってホント冗談が好きなんですねぇ~~》


『Whether it's a black cat or a white cat, it's a good cat to catch rats.(黒い猫でも白い猫でも鼠を捕るのが良い猫よ)』

『アナタ達は白いというだけで、猫の役割を果たしていると思い込んでいる』

『そして、黒いというだけで猫の役割が果たせないとバカにしている』


《それは白人至上主義の自分達に対するご皮肉で?》


『皮肉が言える程に現状を認識してるだけよ』

『私達は本気でアーリア人種の楽園を作ろうと思ってるわ』

『それを思わせたのは度を越えた、私達が築いてきた領域(テリトリー)への侵入が原因で起きた混乱と争いよ。でもイチカならあらゆる混乱と争いを収められる。私達も一生戦争しているワケには行かないしぃ』


《いけしゃあしゃあとこの陰謀論者が……》

《本当に不快ですねぇ~~……》


四十万はグロックの安全装置を外し、アーデルハイドへ向ける。


《アーデルハイド・R・サクラスブルグ》

《警察法におけるダンジョン特別条項28条2の超法規的措置によって、貴女を処刑しますね》


『ほら来たわ』

『でも人へ銃を向けたからには、絶対に撃ちなさいよ?』

『人を痛めつける事は出来ても、引き金を引く度胸はあるのかしら?』


四十万はトリガーを引こうとしたが、指が固まって動かなかった。


《──!》

《何故指が……!》


『ほら、引いてみて……』

『引いてみて❤️』


アーデルハイドは笑いながら、四十万の銃口を自分の額に押し付ける。


『貴女に出来るのは、せいぜいが弱い者イジメよ』

『自分より強大な相手には立ち向かう事すら出来ない』

『弱者ばかりを虐めて来たツケね。私はそういうの大嫌いなの』


アーデルハイドは鈍く光る碧眼の奥で、暗い炎を滔々と燃やしながら更に言葉を続ける。


『《人々が思考しないことは、政府にとっては幸いだ》。私が最も影響を受けた人物の言葉よ』

『貴女達日本警察はディストピアでも目指しているのかしら?』

『私はディストピアなんてお断りだから、常に自分より強大な相手と闘う事を望んでいるわ』


《……!》


そして、アーデルハイドはイチカの方を見て言う。


『スタンダァ~~ップ❤️イチカ❤️』

『胸を押さえてうずくまってるのは、女帝たる(・・・・)貴女に相応しくないわよぉ?』


イチカは何故か足腰に力が入っていくのが分かり、胸の苦しみが治まり呼吸が整って行くのを感じた。


『な、何故……どうして……』


『私のお・ま・じ・な・い❤️」

『ふふっ❤️』

『私……貴女を殺したい程に愛してしまったわ。愛ってこんなにも苦しいモノだったかしら、ヴェルミーナ……』


『……人を殺せる程に、そして世界を壊せる程に美しいのが愛ってモンだろ』

『この女はマジで綺麗だ。紅い瞳も透き通る程に綺麗だ。コイツになら殺されてもイイ、初めてそう思った』

『……やっぱ戦場にしかホンモノは居ねェな。平和な場所には偽物しか居ねェ』


アイカが慌てて身を乗り出す。


「ちょ、ちょっ!?」

「恋敵出現しすぎじゃないですか!?」

「ヤ、ヤンキーゴーホーム!!」


『言われなくても帰るわぁ』

『はい、お手❤️』


アイカはアーデルハイドの手の平へ、思わず自分の手を乗せてしまう。


『カワイイ~~!❤️』

『ワンちゃんみたい~~!❤️』


「なっ……!?」


アーデルハイドはアイカの頬を抱えて撫で回した。

そして、耳元で彼女へ囁く。


『イチカを私が殺すまで護ってあげて❤️』


アーデルハイドはそのまま彼女から離れると、四十万の部下に対して冷たく告げる。


『《堕天使原理》起動』

『今すぐその銃で自分の頭を撃ち抜け』


四十万の部下は上がって行く自分の腕と銃口に恐怖する。


《な、何コレ!?》

《い、イヤだまだ死にたくない!!まだやる事、やりたい事が沢山あるのに……!》

《お願いだから止めて!誰かぁ……!!》


部下は泣きながら銃をこめかみに突き付ける。


『死にたくなさそうね?』

『この世で最も唾棄すべき弱者(・・)の態度よ、ソレは』

『《命は弱さを許さない》。より強くなった者のみがこの世界で生き残る事を許される』


乾いた銃声が通りに響き、血飛沫が四十万の顔に掛かった。


今、北海道には幾つかの武装組織が存在してます。

その武装組織は従来とは違い、探索者達を核として組織とテリトリー・拠点を維持しています。

何故なら、探索者が殺し合いの場でも大きな戦力となっているからです。


Q.何か戦国時代みたいになってない?


A. そうだね


以下各組織の説明(今後スプシに纏める予定):


自衛隊北部方面隊:

北海道では最大規模の武装組織。実働部隊の隊長は平良一尉。東京からの指揮命令・監督は最早殆ど受け付けておらず、ダンジョンを活用して『日本人による日本人の為の日本』を目指している。

ただ、最近は少しずつ方向性が変わり始めた模様。

道民からの支持と信頼は非常に厚く、基地のイベントは多くの人で賑わう。

本拠は札幌市。


スタヴロス商会:

GRU少将兼マフィア大幹部のマルファお姉さんが率いる組織。

『北海道全土制圧』及び『日本本土への橋頭堡構築』を目的としている。

本拠はユジノサハリンスク市と旭川市と釧路市。


商会とは名乗っているが内実はロシア連邦軍とGRUの支部そのもの。しかし、ちゃんとビジネスもしているから油断は出来ない。

幾つもの重要なダンジョンを攻略し、更に軍事力が向上している。

大統領もニッコリでガンガンバックアップをくれています。というより半ば彼女のファンかも。《あの男》にとってはどストライクも良い所です。


お姉さんは次期連邦大統領候補の一人と言っても、過言ではない立場です。

凄まじい後継者争いがクレムリンを席巻してます。

もし大統領になれば230年ぶりの女帝誕生です。なる気があるとは思えないけど……


コンキスタカルテル:

探索者としても有名なベルナルドが率いる、中南米と南ヨーロッパに跨がる巨大カルテル。

高難易度のダンジョンを次々と最短コースで攻略し、ローマのカタコンベダンジョン攻略は世界を驚かせた。構成員はカトリック教徒が大半で、ヴァチカンとも繋がりを持っている。

カルテルと名乗ってはいるが扱う商品は麻薬では無く、主にダンジョンアイテムや武器、農産物を扱っている。(コーヒー豆や果物も価格が高騰しているので、インフレが起きている国に輸出すれば十分な稼ぎになる)

米国海軍第七艦隊と激戦を繰り広げ、勝利してそのまま北海道へ上陸、日本へ入国した。

アメリカ国内(刑務所内含む)のヒスパニックやラティーノ達もカルテルに協力的です。


『目的は■■■■■』

本拠は函館市と苫小牧市。

味方や仲間には非常に優しいし命まで賭けるけど、敵には全くの容赦も情けも無い。


マルクト社:

実態はCIAと統合参謀本部のフロント企業。統括は役員兼CIA局員のトーシア。

生命科学分野で劇的な進歩を遂げていて、傭兵部隊と米兵を指揮して旭川市を制圧した。

強力な探索者も抱えており、イスラム原理主義者達をも縦横無尽に操って、順調な経営を進めているかのように見えたが……

超特A級アイテム《ティアマトの残滓》を手に入れ、現在アラスカの研究施設に向けて輸送中。

目的は『米国式グローバリズムの覇権復活』

現在の拠点は千歳基地と三沢基地。


降下機甲猟兵大隊:

北米と欧州を拠点とする、第二次大戦後最大規模の右派セクター。

大隊と名乗ってはいるが実力部隊は4万人を越えており、ロシア=ウクライナ戦争でウクライナ側に立って従軍した者も多い。実戦経験が極めて豊富で、砲兵部隊やミサイル部隊も備えている。

構成員は全員白色人種で、傘下の極右政党が欧州の各地で選挙戦に勝利し始めている。


目的は『世界生存圏』の確立。超ヤベェ。

指導者はアーデルハイドで、突撃隊長はヴェルミーナ。

拠点は《巨大空中戦艦ツェッペリン》。


(以下北海道以外)


警視庁公安第7課:

急速な悪化を見せる治安への対策と、激化するダンジョン犯罪に対応する為創設された日本警察の超本気(マジ)

ICPOやCIA・FBIと協同し、コンキスタカルテルやスタヴロス商会、自衛隊北部方面隊の活動に対抗している。

全員完全武装しており、超法規的措置によりダンジョン内外での発砲責任を問われなくなっている。

更に各都道府県の機動隊やSAT・SITに対する捜査指揮権も保有している。

降下機甲猟兵大隊の行動を第三課と協同し、現在追跡調査中。


現場指揮官はエリート妖怪の四十万警視。

最終目的は『監視国家日本の樹立』。

警察は既存秩序の味方であって、正義の味方ではない。


平安大内裏:

京都を本拠とする秘密結社。レイやん曰く、『妖怪共』。

変身系や呪術系のダンジョンアイテムを熱心に収集しており、裏社会での勢力拡大に余念が無い。

陰陽師組合と対立している。


陰陽師組合:

あらゆる困難がダンジョンアイテムの力で解決する、この令和の時代。人々の閉ざされた心の闇にはびこる魑魅魍魎が存在していた。科学の力ではどうしようもできない、この奇怪な輩に立ち向かう、神妙不可思議にして、胡散臭い女がひとり。その名は■■■■■。そう、人は彼女を陰陽師と呼ぶ!


教皇庁:

教皇は太陽、EU議会は月、推しは聖少女。

幾つもの騎士団を本格的な武力集団として復活させ、ダンジョンアイテムを用いて奇跡を起こし、寄付を広く集めている。今もっとも世界で支持がアツい組織。

実働部隊(騎士団)の指揮官は完璧超人騎士のラインバウト。

しかし武力は出来るだけ用いず、外交や交渉、政治的工作で勢力を拡大している。多分一番マトモ。


レイヴンズネスト:

探索者兼傭兵のクレイエルが率いる民間軍事会社。

現在の雇用主はアメリカ軍統合参謀本部。

腕利きの傭兵や探索者も在籍しているが、同時に家族や故郷を失った少年少女達も雇っている。


オランダのとあるIT長者から融資と人材・教育支援を受け、大型武器系のダンジョンアイテムの開発・製造も行い、高ランク武器の開発にも成功し始めています。

クレイエルはアーマードコアやりながらドルフロやって経営SLGやってる感じ。

その合間でレナちゃんやオーバードバカの相手をしています。忙しいなお前……


日本政府:

一番ワリを食ってる。

既に議会や司法は機能しておらず、各省庁の官僚達や地方自治体は独自の行動を始めている。

君等は全く悪くない。ただ、クラスの中でお勉強が遅れてる子扱いなだけなんだ。

しかし私は君を見捨てない。勉強が遅れがちな地頭の弱いお友達は叩いて伸ばす。


以下スプシ更新:

https://docs.google.com/spreadsheets/d/18yCj9B-CZEpJGIDICTLBSG4K3ASfzvPI7MeKN9sNjkY/edit?usp=sharing


アーデルハイドはやっている事と方向性こそアレですが、一廉ひとかどの哲学者であり思想家足り得る深みを持った女性と言えます。

彼女は良く言えば柔軟だなぁと。悪く言えば気まぐれ。

ただイチカと直接対面したお陰で、例の如くイチカフェロモンにやられてしまったようです。

もうダンジョン業界の超人気者だぜ、いっちゃんは。


イチカ自体が禁止物質だろこれ……

いつもの3人は既に過剰摂取のジャンキーです。

イチカがヤバい女を惹きつける何かを放っているのは確かです。


逆に常人は寄り付いてこないんですよね、あまり。

だから店員さんはラインの向こう側の人です。


ここまでお読み下さりありがとうございました。


「面白かった」「次も期待している」「アーデルハイドの思想がヤバすぎる」「ヴェルミーナが意外とカッコ良い」「妖怪来たな」「四十万はいっちゃんになにしやがったんだ」「ハリキリすぎだろ、アーデルハイドの部下」「アイカ、お手」「あの時までアイテム使ってなかったのか……!?」「確かにこれは魔女の天敵」「北海道がしぬぅ!」「いっちゃんモテモテやなぁ」


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