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現代日本プレッパーズ~北海道各地に現れたダンジョンを利用して終末に備えろ~  作者: 256進法
第一部:イカレた北の大地へようこそ

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出撃!アラサーダストクルセイダース


レイカ:「おい!これじゃポルナレフ役ワイやんけ!」


ハルカ:「じゃあ私、まさかの花京院!?」


イチカ・アイカ・レイカ:「「「ないない」」」


観賞用BGM:https://www.youtube.com/watch?v=xtxjm7ciwmc&ab_channel=Kino-Topic


~北海道~

~国道237号~


 イチカ達が乗ったハイエースは、国道を北上していく。


「……」


「……」


車内は気まずい沈黙に包まれていた。

ハルカは思わずスマホを取り出し、地図を読むフリをしながらアイカとイチカの様子を伺う。


(ぅっわ~~……これは喋れない空気……!)

(アイカも俯いたままだし、イチカは怖い顔で無言だし!)


そして、10分ぐらい沈黙が流れ続ける。

アイカは上着を握り締めながら口を開く。


「……先ずは行方不明になった、協力者のお爺さんを探します……」


「……それがお前の答えか?」


「……はい」


「もしお前が『敵の殲滅で償う』と言い出したら、その場で放り出す所だった」

「お前のやらかしは私がカバーしてやる」

「ヤク畑を焼き払うのは協力者を探し当ててからだ」


「イチカさん……!」


「ごめんな、アイカ」

「厳しい事言って。だけど、今回の仕事はいわゆる非合法な裏仕事だ」

「無用な巻き添えを出さない事は、最後のラインなんだよ」


ハルカは窓を開け、大きく息を吸って吐く。


「あ~~……ホントにやめてよね、もう……」

「こんな気まずいの、コミケでモーゼになった時以来だよ……」


「海渡ってからがツラいからな、アレは」

「金色の牛フィギュアでも造ってみるか?」


「牛のようなおっぱいをしたフィギュアなら需要あるかな」

「あと馬のようなおちんち……」


「はいストップ」

「それ以上言うとモーゼがあの世から殴ってくるぞ」


「コワ~……」


そして、イチカはスマホをホルダーに入れ、ある人物へ電話を掛ける。


「捜索掛けるとすると、3人じゃ頭数足りねぇからな」

「ヘルプを呼ぶ事にした」


「ヘルプ……?」


アイカは首を傾げる。

ハルカは彼女へ言う。


「競馬場で知り合ったんだよ」

「戦力にはなるんじゃない?」


そして相手が出る。


《お!結構早かったなぁ、いっちゃん!》

《繁盛しとる証拠やなぁ!》


「『いっちゃん』ってなんだよ……」

「もう10年付き合ったぐらいの呼び方じゃん」


《?》

《そっちの方が呼びやすいやろ?》


「もういいよ、分かった分かった」

「で、依頼の内容なんだけど、行方不明者の捜索とヤク畑の焼却に協力して欲しいんだ」


《後者は分かるけど、前者はどういう事や?》


「こっちの不始末(・・・)だ」

「だけど始末するには人手が足らない」


《そういう事か》

《ほな何処で合流する?》


「JR占冠駅前かな」

「今から3時間後で」


《りょーかい》

《で、報酬の取り分はどうする?》


「成功報酬で5000万。お前が2で私達が8だ」


《いっちゃんさぁ、それはアカンて》

《ワイが4でいっちゃんが6や》

《てか戦闘もあるやろ、コレ。人が悪いなぁ、いっちゃんは》


「やっぱり結構鋭いなぁレイやん。小狡いマネは出来ないか」

「お前が3.5で私達が6.5。それで良いだろ」


《言ってみるもんやな!》

《750万の儲けや!》


「商売上手いなぁレイやん」

「カタギの会社でも立ち上げてみるか?」


《ええ提案やが、まだ虎柄着たマダムになる気はないで》

《財界人やるのも結構面倒らしいし》

《まぁその時が来たら、一気に上り詰めて天下人やけどな!》


「大阪城にでも住む積もりか?」


《悪ぅない提案やな》

《でも先ず私は京都と多摩に、土方歳三博物館を造りたいんや》


「なんでぇ、五稜郭でも良いじゃん」


《そら死んだ場所なんて縁起悪いやろ》


「ヘンな所で常識的だよなぁ、お前」


《ならざるを得んのや……》

《高っちゃんは石狩川にネッシー狩りに行くとか言って、走って出掛けてったしな》


ハルカが思わず突っ込む。


「ネッシー!?」

「色々とツッコミたい所あるけどさ、まず湖だからアレ……」


《高っちゃんに取っては恐るべき事に、海も川も湖も大差無いんや》

《なんなら泳いで津軽海峡渡った事あるからな》


「……えーと……ダンジョンに潜った後だよね??」

「アイテム使ってるよね?」


《いや、2年前の話や》

《しかも冬》


「本当に人間!?」


「やっぱり最強クラスだよなー高っちゃん」

「惜しむらくは競争馬と一緒に走って追い抜いてしまう、そのお茶目さだが」


《そこが付いていきたくなる所なんやけどな!》

《分からんやろ~~?》


「「分からんって」」


《ま!ええわ!高っちゃんの良さはワイが分かって居ればええんや、アラサー処女共!》

《じゃあな~~三時間後!》


そして通話が切れた。

イチカが凄まじい目でスマホを凝視する。


「……何ですか、この女」

「馴れ馴れし過ぎませんか??」


「アイカも『いっちゃん』、って呼んでみたら?」


「よっ、呼べるワケねーでしょうが!!このおっぱいタヌキ!!」


イチカがニヤニヤしながら言う。


「偶にはアイカにも『いっちゃん』って呼んでみて欲しいなぁ~~」


「~~っ……!」

「いぅ、いっ、いっちゃん……!」


「はい!可愛いアイちゃん(・・・・・)の『いっちゃん』頂きました!」


「やったぜ」


「もう皆さん嫌いです!!あーもう!!」


~三時間後~

~JR占冠駅前~


「お。居た居た」

「どう見てもカタギに見えないあの背の高い女が、レイカだ」


「裏社会の住人特有のオーラが、プンプン漂って来てますね」


ハイエースがレイカの前に停まる。

イチカはドアを開け、身を乗り出して言う。


「待った?」


「いいや、丁度良かったで」

「電車最後やったけど」


「で、その手に持っている袋には何が?」


「金賞ボルドーとツマミや」

「車の中で飲もうと思うて」


「レイやん、これから仕事って理解してる??」


「昭和なら、仕事中も余裕で酒飲んでたやろが」

「西成のおっちゃん達は、まだ仕事中も酒飲んどるぞ」

「札幌の駅前に居たロシア人達も酒飲んで踊っとったわ。ガンガン音楽掛けて」


「驚いたぜ~!今は昭和かぁ~~」

「勉強になったぜ~!」

「てか札幌は何時からモスクワに??」


「もうワイが来た時にはなっとったわ」

「皆なんでアディダス着とるんやろうか。まるで駅前がドンキの前みたいや」


「仕事が終わったら、マルファに苦情入れておくか」

「多分ロシア人達の顔役だろうし、何とかしてくれるだろ」

「対価として何要求されるか分からんけど」


レイカはチューハイの缶をそこら辺に投げ捨てると、後部座席に乗り込み、《烈鬼剣兼定》を持ったままドカッと座る。


(う、後ろにDQNが……!)

(じ、人生初めての経験……!)


「お。デカパイタヌキやんけ。元気にしてたか?」


「お、お陰様で、へへへ……」


そして、レイカは隣のアイカにも挨拶する。


「おう、お綺麗なお嬢さんやんけ」

「これから宜しくな!」


「……」


「こら、アイカ」

「挨拶だ、挨拶」


「宜しくお願いします……チッ」


「し、舌打ち!?」

「ワイなんかしたか!?」


「してないけど、アイカは警戒心が強いんだ」

「基本的に私の言う事以外聞かないから、十分気を付けてな」


「なんやソレ!?」

「狂犬やんけ!」


「はい、狂犬です」

「迂闊な事をすると喉を食いちぎられます」


「ちなみに何人殺しとるん?」


「さぁ?知らないけど、多分3ケタ以上かな」


「ファッ!?」

「エラい場所に座ってもうたわ……」

「タヌキちゃん、席変わろや、なぁ。このままだと途中で殺し合いなる気がするわ」


「うっ……!小中学校時代のトラウマが……!」

「クラスのヤンキーに言われて断れ無かった思い出が、ぽろぽろ……」


「こっちも面倒くさい事になっとるわ……」

「なぁ、いっちゃん。こんなんで大丈夫なんか……?」


「ふぅ、やれやれだぜ」


「承太郎かオマエは」

「まるでジョジョ3部みたいな滑り出しや」

「ちょい待ち……それじゃワイは剣持ってるしポルナレフ役やんけ!一番ヒドい目に遭うやん!」


復活したハルカが興奮しながら叫ぶ。


「じゃあ私、まさかの花京院!?」


「「「ないない」」」


「うわっヒドっ!」

「ほら!花京院も最初絵描いてたじゃん!筆でグッパオンって!」


「第一、花京院は下品さの欠片も……いや、途中であったわ」


「ほら!やっぱり私じゃん!」

「エメラルドスプラッシュ!!」


「先生がスプラッシュするのは別のモノだろ」


「オメコスプラッシュ!!」


「あひゃひゃひゃひゃ!ハヒハヒ!」

「タヌキ、オマエおもろすぎるわ!最高や!」


レイカはバカウケし、座席を叩きまくる。


「酷い酔っ払いですね……」

「降ろすべきでは??」


「慣れろアイカ」

「多分このノリがこれからデフォルトだ」


「えぇ……」


そして、イチカは国道脇に車を寄せて言う。


「皆車降りろ」

記念撮影(・・・・)だ」


「おい、まさかアレ(・・)やるんか……?」


「そうだ《アレ》だ」

「エジプトへ出発する時の集合キメポーズだよ」


イチカは車から降りると、スマホのカメラタイマを入れる。

残りの3人も一斉に車から出て、身体を斜め右前に向けながら1列に並んだ。


「アラサーダストクルセイダース!」

「出撃だ!!」


「「「YES!! WE!! CAN!!」」」


「それアブドゥルやなくてオバマやろ!」


ジョジョで一番好きなキャラはジャイロ。


お読みくださりありがとうございます。


「面白かった」「続きが気になる」「更新頑張れ!」「仲直りして良かった」

「やっぱ根っこはマジメだなーイチカ」「アイカかわいい」「レイカが悪い意味で昭和のおっさんすぎる……」「キンクリに殴られて生きていたポルナレフはすげぇ」「たぬきとレイやんの相性意外と良い」「第二の人生楽しんでるな、このアラサー共……」


と一つでも思っていただけましたら、ブクマ・評価いただけると励みになります。

よろしくお願いいたします。

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