ペットボトル
5分で描けました。
ペットボトル一本ぶんのがんばれで
坂道をのぼりきれて
ペットボトル一本ぶんのおつかれで
おだやかに眠りにつけた
ペットボトル一本ぶんのはげましで
レポートが今日じゅうにあがって
ペットボトル一本ぶんのなぐさめで
明日も かわらないおはようを言える
数えたらぜんぶで何ダースになるんだろう
ぼくがうつむくたびに
ぼくが空を仰ぐたびに
きみがわたしてくれたのは
いつも一本のペットボトル
ギャップをねじって
こじあけるぼくに
まだ ちゃんと指にちからはいるじゃないの
そう言って きみは背中を
とんって おしてくれたんだ
このあいだ めずらしく
疲れた顔してたきみに
おかえしにわたせたものは
ペットボトル一本でしかないとしても
ペットボトルにつめきれないくらいの
ありがとう と
ペットボトル何本ぶんかの
もうひとつのきもち
ペットボトル一本ぶんのやりとりは やっぱり
ペットボトル一本ぶんのやさしさ
でしかないのかもしれないけれど
ペットボトル一本ぶんくらいは
きみがぼくのことを 好きだったらいいなっておもう
ほんとは、10分かもしれません。