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テーマ詩集:冷蔵庫

ペットボトル

作者: 歌川 詩季

 5分で描けました。

 ペットボトル一本ぶんのがんばれで

 坂道をのぼりきれて

 ペットボトル一本ぶんのおつかれで

 おだやかに眠りにつけた


 ペットボトル一本ぶんのはげましで

 レポートが今日じゅうにあがって

 ペットボトル一本ぶんのなぐさめで

 明日(あした)も かわらないおはようを言える



 数えたらぜんぶで何ダースになるんだろう

 ぼくがうつむくたびに

 ぼくが空を(あお)ぐたびに

 きみがわたしてくれたのは

 いつも一本のペットボトル


 ギャップをねじって

 こじあけるぼくに

 まだ ちゃんと指にちからはいるじゃないの

 そう言って きみは背中を

 とんって おしてくれたんだ



 このあいだ めずらしく

 疲れた顔してたきみに

 おかえしにわたせたものは

 ペットボトル一本でしかないとしても

 ペットボトルにつめきれないくらいの

 ありがとう と

 ペットボトル何本ぶんかの

 もうひとつのきもち



 ペットボトル一本ぶんのやりとりは やっぱり

 ペットボトル一本ぶんのやさしさ

 でしかないのかもしれないけれど


 ペットボトル一本ぶんくらいは

 きみがぼくのことを 好きだったらいいなっておもう

 ほんとは、10分かもしれません。

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― 新着の感想 ―
[一言] 未来屋さんのレビューから来ました。 リフレインが素敵です。
[一言] 夏の青空の下で二人がペットボトルを受け渡している そんなイメージが浮かんで、青春だなって、思いました。 ペットボトル一本分って表現が 本当に絶妙ですね。 自然と500mlでイメージしてま…
[一言] この作品、すごくすごく好きです。 ペットボトル一本分という分量が絶妙だなぁと思いました。 決して多くはないけれど、しあわせな気持ちになるには十分。 きみとぼくの関係性、お礼の気持ちと少しの恋…
感想一覧
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