ヒロイン化で覚える諸子百家。「礼」と「仁」を重んじる孔子は正統派ヒロインの麗人
古代中国の春秋戦国時代では新しい考え方を求め、諸子百家と呼ばれる思想家が現れた。
孔子は儒学の祖であり、その思想は「論語」によって知られる。
人と人とが支えあう「仁」を重視し、道徳的な行為である「礼」の実践を重んじた。
倫「今回から古代中国の思想について覚えていくわよ」
学「中国の思想である儒学は日本にも影響を与えましたね」
倫「春秋戦国時代のさまざまな思想家たちは諸子百家と呼ばれているわ」
哲「激動の時代には国を作るための新しい思想が必要となるもんなんだよな」
倫「諸子百家は流派によって「儒家」とか「道家」とかの~家と分類されるわ」
学「百家はたくさんの流派があるという意味ですが、実際に百個以上あったらしいです」
倫「主だった思想家は「孔子」とか「老子」のように~子と呼ばれていることが多いわ」
学「「子」というのは単純に男性への敬称なんですよね」
倫「今の日本で「子」で終わる名前なんてのは女の子を連想するけどね」
哲「女子でも名前に子のついてる奴なんて珍しくなってるけどな」
倫「そこで、諸子百家の思想家たちをヒロインキャラ化して覚えるわよ」
哲「嫌な予感しかしない」
倫「諸子百家でまず取り上げるのは儒学の祖である孔子ね」
学「儒学って儒教とも呼ばれていますね」
倫「中国の思想家の元祖とでもいうべき孔子はたとえるなら正統派ヒロインね」
哲「正統派って、無個性のキャラが薄いタイプのやつかよ」
学「中国ですからチャイナドレス娘の可能性もあります」
倫「孔子は心から人間を愛することを「仁」と呼んで思想の中心に置いたの」
哲「思いやりの心ってのは基本だよな」
倫「そして、道徳的行動である「礼」の実践を重んじたわ」
学「礼儀とか礼節ということが大切なんですね」
倫「孔子が弟子に仁について聞かれたとき礼が大切だと答えたのよ。克己復礼というの」
学「克己復礼は私欲に打ち勝ち礼儀や規範を重んじるという意味ですね」
倫「精神的な「仁」と行動的な「礼」ね。「れい」と「じん」、麗人は正統派ヒロインね」
倫「孔子は徳治主義という、徳の高い者が国を治めるべきという考えをしていたわ」
哲「哲学者が政治を語ると似たようなことを言うもんだな」
倫「国を治める元となるのは孝と悌を中心とする家族道徳であると考えたわ」
学「孝は子が親や先祖に従うことで、悌は兄や年上者を敬うことですね」
倫「親孝行の孝と立心偏に弟で悌だから覚えるのは簡単よね」
哲「りっしんべんって、そう書くんだな」
倫「徳を身に着け家庭円満、それが広まれば国が治まるというのが修己治人よ」
哲「小さなことからコツコツとって感じだな」
倫「家庭的な性格をしているあたり、古典的な正統派ヒロインとしては最適ね」
倫「孔子の思想は「論語」によって知られるけど、これは彼の死後に弟子たちがまとめた書物よ」
学「論語は子曰く、と「先生の言ったことには」という書き出しです」
倫「このほかにも「五経」と呼ばれる5つの書物が儒教の基本書よ」
学「五経は「礼記」「詩経」「春秋」「易経」「書経」の5つです」
倫「「礼記」は作法、「詩経」は詩集、「春秋」は歴史、「易経」は占い、「書経」は政治の本よ」
学「五経はそれまで伝承された知識を孔子がまとめたものだとされています」
倫「これら五経の覚え方は「列車の始発と終電は駅の書店でご教示」よ」
哲「列車が礼記、始発が詩経、駅が易経なのはいいとして、春秋が終電までがギリギリだろ」
倫「終電だけにギリギリなのね」
哲「やかましいわ。駅にいるなら書店に行かずとも時刻表くらいあるだろ」
倫「まとめると、五教科の授業中でも、麗人を、ああしたい孔子たい。ってことね」
哲「論語読みの論語知らずって言葉を知っているか?」