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宗教的実存主義。医者と患者の会話で覚えるキルケゴール・他

キルケゴールは「単独者」として神の前に立つことを理想とした。

著書『死に至る病』の中で絶望こそが死に至る病であるとした。

ヤスパースは「限界状況」において挫折することが実存であるとした。

倫「今回は実存主義よ。実存主義は重要な人物のオンパレードよ」

学「実存主義は人間の実存、人間の存在意義を考えるものです」

倫「重要だから宗教的実存主義と無神論的実存主義に分けてやっていくわよ」

学「今回は宗教的実存主義です」


倫「キルケゴールは「単独者」として、神の前に立つことが実存であるとしたわ」

学「「単独者」は「例外者」とも呼ばれ、主体的に生きる人間のことです」

倫「主体的真理を重視するキルケゴールはキリスト教的実存主義と呼ばれるわ」

学「客観的真理や普遍的真理よりも自分にとっての真理を重んじることを主体的真理主義と言います」


倫「真の実存は「美的実存」「倫理的実存」「宗教的実存」の三段階からなるとしたわ」

学「美的実存で絶望し倫理的実存へ移行し、倫理的実存に絶望し宗教的実存へ移るとされます」

倫「キルケゴールはその著書『死に至る病』の中で絶望こそが死に至る病であるとしたわ」

哲「病気に絶望するんじゃなくて、絶望自体が病気なのか」

倫「「美的実存」は享楽きょうらく的な生き方のことで美を求める段階よ」

学「しかし、享楽の中でやがては自分を見失い絶望に至るとされます」

倫「「倫理的実存」は善悪の判断を「あれか、これか」と下して生きる段階よ」

学「良心に従い生きようとしても自分の無力さや罪悪感を痛感し絶望に至るとされます」

倫「「宗教的実存」は「単独者」として神の前に立ち、信仰を通し神とつながって生きることよ」


倫「覚え方行くわよ。題して、医者と患者の会話で覚えるキルケゴールよ」

哲「不安しかない」


患者「先生。私の病気は重いのでしょうか」

医者「残念ですが、死に至る病です」

患者「そ、そんな」

医者「しかし、絶望はしないでください。治療薬があります」

患者「ほ、本当ですか」

医者「はい。薬は、えーと。あれか、これか」

患者「先生、しっかりしてくださいよ」

医者「失礼しました。治療には入院が必要ですね」

患者「入院ですか」

医者「大部屋は満室ですが単独者用の部屋は空いています」

患者「個室ですか」

医者「いえ。霊安室です。単独者、別名、霊が医者の部屋です」

患者「ちょ、冗談はやめてくださいよ。とにかく入院して治療すれば治るんですね」

医者「一番重要なのは、神に祈ることです」

患者「……ひょっとして、治療する気ないんじゃないですか?」

医者「だってこれは、キルケゴール。キルけゴール。KILLキルゴールの暗記法だもん」


哲「よくもまあ、これだけキーワードを詰め込んだもんだな」

倫「ちなみにキルケゴールは医者でも何でもないわよ。虚弱体質だったらしいけどね」


倫「ヤスパースは「限界状況」において挫折することが実存に目覚めるとしたわ」

学「限界状況とは死や苦悩、争い、罪といった超えることのできない壁のことです」

倫「そんな限界状況に直面したとき「超越者」の存在に気づくことができるとしたわ」

学「「超越者」は「包括者」とも呼ばれ、神のような存在だと考えられます」

倫「また、ヤスパースは理性をもって他者と実存的な交わりをすることが必要だとしたわ」

学「「実存はただ理性によって明るくなり、理性はただ実存によってのみ内実をうる」そうです」

倫「覚え方行くわよ。なぞに包まれた桐製の箱の修理は安いパーツじゃ限界だ」

哲「包まれたが包括者、桐製が理性、安いパーツがヤスパース、限界が限界状況か。分かりにくいな」

倫「本当は「安いパンツは理性が飛ぶと包みを超越して限界だ」でもいいけど、倫理的に限界だったわ」

哲「じゃあ、黙ってろよ。限界を超越してくるんじゃねーよ」

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