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見習い死神はじめました。  作者: 駐車場のネコ
第一章
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第四話

ん?ここはどこだ? あれ?俺は優希に今日の報告に来たはずなんだけどなぁ。


真っ白で終わりが見えないほど大きな場所に智也は佇んでいた。


「智也くん、君には本当にすまないことをした。」


目の前に急に死神が現れ智也に土下座を始めた。


「死神様、急にどうしたんですか。やめてくださいよ。僕は謝られr」


言葉を被せるように言った。


「私のせいで君をここまで連れてきてしまったんだ。君を助けるにはこちらに連れてくる以外に方法がなかったんだ。許してほしい。」


全く土下座をやめない死神に智也が精一杯話しかける。


「大丈夫、大丈夫ですから土下座をやめてください。


話をお聞きするにはまずやめてもらわないといけません。」


必死の説得あってようやく死神は頭を上げた。


「とりあえず、落ち着いて話ができるところに行こうか。」


そういって呪文のようなものを口にすると、お洒落なアンティーク調の家が現れた。


「さぁさぁはいって。」


物珍しそうに見回しながら智也は死神について行った。


「さて、なぜ今君がここにいるかから話すとしよう。


結論から言うと君は少し前までの優希ちゃんと同じ境遇にいる。」


「ってことは俺も寝たきりなんでしょうか?あっ!確かに記憶が病院の途中でぶつ切りになってます!」


「やはりそうなっていたか。自分を擁護するわけじゃないけどどうしようもなかったんだ。


完全に僕の力不足が原因だ。


君に最近幸福神から夢でコンタクトがあったんじゃないかな?」


「そうですね、ありました。その時に死神様とお会いしたことがあるか聞かれて答えなかったんです。


でも幸福神様はすぐに勘づいて見抜いてしまいました。」


「どうやらその時にサラッと君の記憶を読んだみたいだ。


そこからやつの注意が君に向いて優希ちゃんからターゲットチェンジをしたんだ。」


「なるほど、まだ死なずには済んでいるんですね?」


「もちろんさ、至って健康な体で眠っているだけさ。


必ず君の元の生活を取り戻して見せる。


ただそのためには君の協力が不可欠だ。


どうか手伝ってくれないだろうか。」


頭が机にぴったりとつくほど深く礼をした。


「もちろんです!僕にはまだやり残したことが沢山ありますから!


それで一つ気になったことがあるんですけど、先ほど僕の状態は少し前の優希と同じっておっしゃいましたよね?」


「あぁ、すまない。説明を飛ばしてしまったね。


現在優希ちゃんは意識が回復して今はちょうど医者に見てもらっている時だね。


君が健康に過ごしていた先程までのように元気さ。」


「そうだったんですね!よかった!」


一安心する智也であった。


*************************


「体は全く問題ないみたいだが、何か違和感はあるかい?」


「はい!絶好調です!」


ガラガラガラガラ!


「おお!、優希、やっと起きてくれたか!父さんはずっとずっと信じていたぞ!」


「お父さん!一年くらい眠っていたみたいだね。心配させてごめんなさい。」


「いいんだ。こうやって健康にまた戻ってきてくれた姿見たら心配なんて全部吹っ飛んだよ。」


医者と看護師はそんな光景をにこやかに見守っていた。


呼び出しが入り、医者は部屋を出て行った。


「お母さんもさっき連絡したからじきに来るだろう。」


「お兄ちゃんは?」


「それが連絡したんだがまだ返事が来ないんだ。


電車に乗ってこっちに来ているんじゃないかな。」


*********************


~それと同時刻にて~



「呼び出しがあったみたいだけどどうしたんだ?」


医者が確認をとりに小走りで部屋に入って行った。


「先生、病院の待合室近くで人が倒れてるって呼び出しがかかったんですよ。」


ナースが医者に答える。


「あぁ、それは心配だな。


患者さんはどこにいるんだ?」


「あ、はい。えーっと、西病棟の3階336号室です。」


わかった、今すぐ向かうよ。」


医者は立ち上がりそこへすぐに向かった。


ナースは名前を確認する。


えーっと鳳智也くんねぇ。偶然かしら?いま入院してる鳳優希さんと苗字が同じね。


もしかして兄弟なのかな?


親御さんには心から同情するわね、、、何事もないと良いんだけれど。






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