二度目の茶会
『ラブライブ』の新作が二クール連続で放送されるって聞いて思わず噴き出しました。
絶対エロ同人増産されるじゃんけ。
ちなみにまだ見ていませんが、私はあの無口なロリがお気に入りです。 マジで私の好みド直球でした。
きっと十章では影響されたキャラがでてきますよ
「――よぉ」
「――――」
陽光が燦然と煌めく。
高原は今日も変わり映えのない景色を醸し出しており、驚くことにその光景に既に慣れてしまったっようだ。
テラスで来訪者を歓迎するかのように悠々と微笑む少女。
そして来訪者――アキラは、その少女へと不敵な、まるで何かを嘲笑うかのような醜悪な笑みを浮かべた。
「久しいな、クソ野郎。 ――決着を付けようぜ」
「ほう。 私には何を言っておられるのかさっぱり分かりかねますが」
「この期に及んで道化気取りか。 ――余り舐めるなよ」
「――――」
「さて――全てをひっくり返そうか」
理不尽な運命線を否定するかのように、いっそ堂々としたその声は確かにこの高原に響き渡ったのだった。
時刻は少し遡る。
(さてはて。 任務と言っても――もう、目星は付いているんだよなぁ)
このような事態を作り出せる人物なんて一人しかいないだろう。
まぁ、おそらくそれはヴィルストも同じだ。
あの諸悪を匿ったヴィルストがそれに勘付かないほど愚かじゃないと信じるのならば、事態はほんの少し変わってくる。
「ヴィルストさん。 『賢者』はどこに?」
「……それが、居ないんだよ」
「――――」
神妙な顔で返答され、その内容に思わず押し黙る。
まぁ、やっぱりそうなるよね。
そもそもルシファルス家ってのは割と他の貴族との交友はそこまで盛んじゃなく、ぶっちゃけ鎖国みたいなカンジだ。
ちなみにアメリア家は例外である。
まずこの屋敷に侵入する上で必須の条件が二つ。
そんなわけでルシファルス家と関係している人間は必然的に限られてくるよな。
そもそもこの屋敷には登録した者の侵入を拒む結界が備わっている。
そして新規登録が可能なのはヴィルストただ一人。
ヴィルストがが『亡霊鬼』とタッグ……なんていうことはないのだろう。
今の切迫したヴィルストの表情がその証明。
そして必然、残る関係者は限られてくる。
「――レイドさんは?」
「そっちも行方不明さ。 というか、君も彼の動向を知らないのかい?」
「――――」
レイドは名目上は亜人国へ向かっている筈だ。
それは主であるヴィルストも当然把握しているだろう。
だがしかし――、
「居ませんでしたよ、レイドさん。 ガバルドも首を傾げていましたよ」
「……そうかい」
これで容疑者は二人に絞られた。
抗争の際不在かつ、今もなお失踪中のレイド。
絶賛逃避行中の『黄昏の賢者』、ね。
随分と豪華なラインナップだと思うよ。
「あっ。 一つ聞いていいですか?」
「言ってみたまえ。 できる範囲ならば答えてあげよう」
「それは行幸。 そもそもの話『賢者』とヴィルストさんってどんな関係だったんですか? 考えてみれば可笑しなことですよね」
「――――」
俺が初めて『賢者』との対面を果たしたあの時。
賢者が待ち受けるあの高原へ移動する際に、使用したのは、特になんの変哲のない木製の扉だった。
推し量るに……原理的にこの屋敷の『転移』と同じなのだろう。
だが問題はそこではない。
ガバルドに聞いてみたのだが、『賢者』が待つあの高原へ向かうにはルシファルス家のあの木製の扉が必須らしい。
あの英雄でさえ、他の経路を知らないだとか。
龍艇船で暇つぶしがてらに調べてみたが、やはりあの高原への入り口は木製の扉だけ。
関係ないって言う方が可笑しいでしょ。
「――彼女は、古い知人だよ。 私たちと同じように世界の理不尽に抗い、そして敗れた。 私が彼女を擁護しているのはあくまでもちょっとした同情心だ」
「貴方も、戦ったのですか?」
何に、とは言わない。
「あぁ。 そこら辺の事はまた後ででいいだろう。 まぁ、彼女との関係はそこまで良好じゃなかったね」
「――――」
「しかし今になって後悔したよ。 あの時彼女を保護していなければ、このような事態になっていないかもしれない」
「まぁ、そうかもしれませんね」
大雑把な事情は把握できた。
このおっさんが予想通りただの大貴族ってわけじゃないことの確信も、メィリとの出会いも。
理解した。
ならば、早急に次手を繰り出さなければなさない。
「それで、居ないというのは?」
「扉との接続が、妨害されているようだ。 何らかの魔術で『転移』の術式を無効化しているようだ」
「それは行幸」
「――――?」
ヴィルストは頭に疑問符を浮かべている。
「接続の遮断じゃなくて妨害なら、まだ可能性はあります」
「――――」
「――扉に、案内してくれませんか?」




