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幽霊騒動(2)


「なぁ、アリシア。幽霊っていると思うか?」


 幽霊騒動から次の日の夕方、くるくる茶髪のウォーレンは右隣の席に座っている後輩のおさげ女子に話しかけた。よく眠れなかったのか彼はげっそりとしていて、目の下には(くま)ができている。


「なんですか急に。そうですね……私はいると思いますよ」


 アリシアは机に向かって仕事を進めながら返した。


「こ、根拠はあるのか?」

「特にありませんけれど、なんとなくです」


 幽霊なんて存在が怪しいものを信じるかどうかは個人の自由。アリシアは信じる(たち)なだけだ。


「そういえば、子どもの頃、屋敷がガタガタっと揺れたことがありました。とても怖かったのでよく覚えています。そのときは幽霊かと思ったんですが……」

「お、おまえも体験してるのか!?」


 アリシアは一旦作業を止め、丸い目をする。


「『おまえも』ってなんですか? 後でお母さんに聞いたらそれはただの地震だったようです。でも地面が揺れるなんて不思議ですよね。神様が怒っているって話もありますが幽霊たちの仕業かもしれませんね」

「……」


 この国で地震が発生するのは珍しく、数年に一度あるかないかだ。ここ一ヶ月は起きていないので、アリシアの体験と今回の幽霊騒動は別ものだ。


「なんでそんな残念そうな顔をするんですか? それと、今日だいぶ眠そうにしてましたが、もしかして幽霊が怖くて眠れなかったとかじゃ……」

「そ、そんなわけないだろ!」


 図星でウォーレンは少し食い気味に否定したがこれは逆効果であろう。優しい後輩のアリシアはそれを突くほど意地悪ではない。


 幽霊の話を切り上げ、会話の内容を他へと移す。


「そういや、アリシアにプレゼントがあった。俺の机の上を見てみろ」

「えっ! 先輩がプレゼントをくれるなんて珍しいですね」


 アリシアは少しそわそわし、頬を指でかきながらウォーレンの机の上にあるというプレゼントを探す……が、そこにあったのは処理が終わっていない書類の山だった。寝不足で仕事が進まなかったのか一〇分どころか三〇点分くらいある。


「ちょっと先輩! これって先輩がサボったお仕事じゃないですか!」


 アリシアが言い放ったと同時にバタンと扉の閉まる音がした。彼女はウォーレンがいた場所を見る……が、そこには誰もいない。


「また私がやっておかないといけないじゃないですか!!」


 ウォーレンが去った部屋に(あわ)れな彼女の声が響いた。ご飯をおごってもらう約束をしていたが、普通のレストランから高級レストランへランクアップさせることを決意したアリシアであった。






 雪が残る石畳の街道を四輪の馬車が走っている。辺りは既に暗く建物の窓から明かりが漏れている。馬車のキャリッジは窓付きかつ二人乗りだ。中には仕事が終わったウォーレンと、大きめの木箱を抱えた専属執事のモーリスが乗っている。


 (くだん)の花瓶を購入した帰りだ。


「うう。本当にこの花瓶で大丈夫なのだろうか……幽霊様は昔のものが好きそうだから古い花瓶を選んでみたが」

「坊ちゃまがお選びになられたので大丈夫ですよ」

「そうはいってもなぁ。幽霊が好きなデザインなんてわかるわけないし……霊媒師でも探して直接聞き出そうかなぁ」

「それなら、除霊できる聖職者を探したほうがよいのでは?」


 幽霊と話してもそこに居座る可能性もあるので退治することが先決であろう。


 モーリスはウォーレンが小さい頃から適切な助言をしているが、今でもその関係は変わらず(いま)だにウォーレンのことを子ども扱いしている。


「なぁ、モーリス。その坊ちゃま呼び、そろそろ止めないか?」

「そうですね……坊ちゃまがファンベール家の当主となられましたら考えておきましょうか」

「当主になれるかはまだわからないだろう。あとどうせなら考えておくんじゃなくて確約してくれ」

「私にとっては、まだまだ坊ちゃまは坊ちゃまですので」


 笑顔でモーリスは答えた。ウォーレン自身子どもっぽいことの自覚はあるが、もちろんそれは目上の人には見せない。しかし、対外面を考えるとそろそろ変えてほしいところだ。このままだとママからお母さんへと呼び方を変えるタイミングを見失い大人になってもママ呼びをしてしまう娘みたいに、モーリスも一生坊ちゃま呼びを止めないという危機感を覚えてくる。


「坊ちゃま。本日はイザベラ様とフォルトナート様がお帰りになられています」

「もう帰ってきたのか。今回は早かったな。たしか南の方の領地に行ってたんだっけか」

「そのようですね。お土産もいくつかあるようですよ」

「うう……お土産かぁ」


 イザベラはウォーレンの四つ下の妹だ。そしてフォルトナートはイザベラの夫でウォーレンの義弟にあたる。二人とも同じ職場で内政局に勤めている。


 イザベラは、知り合いが嫌がらせを受ければ相手の身分関係なく文句を言いに行ったり、男に言い寄られ怖がっている女性がいれば助けに行ったりと正義感が強く、妹というよりはどちらかというとお姉さまタイプだ。イザベラのことを(した)っている人は多く、彼女が所属する社交界の派閥ではこの若さにして上の立場に君している。ただ、残念ながら『お兄ちゃん大好き!』っ子ではない。


 フォルトナートは、ウォーレンと同い年の知的で美形な青年だ。女性からの人気も高くイザベラのことは社交界で知ったようだ。フォルトナートはそんな正義感の強いイザベラのことが好きになり、色んな手を使ってアプローチしていた。フォルトナートとウォーレンが仲良くなったのもその過程でイザベラの情報が欲しかっただけだ。不純な動機ではあるもののウォーレンとしてはまんざらでもなく彼とは仲が良い。


 そんなフォルトナートの実家はファンベール家より位が二つ上の公爵家だが、なぜかフォルトナートは婿養子としてファンベール家に住むようになった。そこは家の事情と本人の意思が絡んでいるらしいが……


「もう着きますよ、坊ちゃま」


 そんなことよりも幽霊騒動が気にかかる。幽霊が怖いとかそういうことは断じて、決して、絶対にない。ほ、本当だからね。






 ウォーレンとモーリスが屋敷に到着し玄関ホールに入ると、何やら騒がしい声が聞こえてきた。ホールの中央で茶色いウェーブの長い髪を持つ女性と、木箱を抱えた銀髪のスラっとした青年が言い合っている。


 イザベラとフォルトナートだ。


「さぁ、早くその箱をお開けなさい。それは一体なんですの?」


 イザベラはなぜかハンマーを持っており、それを使ってフォルトナートが持つ木箱を指している。


「イザベラ! 部屋に行ったのではないのですか!?」

「ふふふ、それは私の罠ですわよ。影であなたを見張っていました。おかげでその箱を取ってきたところを確保できましたわ。どうせ今回も変なものを買ってきていて、こっそり持ち込もうとしたのでしょう?」

「変なものとは失礼な。(れっき)とした食材ですよ!」


 フォルトナートは寄食家で遠征する度に現地特有のゲテモノ食材を買ってきてはイザベラに怒られている。個人で楽しむ分にはいいが、フォルトナートは周りの人にも食べてもらいたいらしく、食卓にしれっと買ってきた食材を(しの)ばせることがある。ウォーレンは興味本位でたまに食べたりするがイザベラにとってはどの料理もNGだった。


「おいおい、フォルティ。またゲテモノを買ってきたのか?」


 フォルティはフォルトナートの愛称だ。


「ウォーレン! ちょうど帰ってきたのですね。お元気にしてましたか?」

「ああ」

「今回はなんと幼虫を買ってきました。しばらく虫が食べられず恋しかったのですが、冬は冬眠中の幼虫が朽ち木に住んでいるようです。南の方には広い森があるのですが、幼虫がたくさん取れるそうで、ついついたくさん買ってしまいました。折角なので見ますか?」


 そう饒舌(じょうぜつ)に言いながらキラキラした様子で木箱からガラスの瓶を取り出すと、中には大量の幼虫が詰まっていた。幼虫の大きさは小柄ではなく結構プリっとした感じの……ここの描写は割愛しよう。


「ひいぃ、なんでここで出すのよ。早く箱に戻して!!戻しなさい!!」

「フォルティ。イザベラが泣き出しそうだ。戻してやれ」

「ふむ、箱の中を知りたいと言ったので見せてあげたのに憤慨(ふんがい)です」

 

 ()に落ちない様子でフォルトナートが瓶を箱にしまう。


 フォルトナートはこんな趣味のある残念イケメンであるが、この側面を見せるのはウォーレンとイザベラと一部の側近だけだ。逆に言えば信頼できるからこそ、この寄食ぶりを大っぴらげにしてくれているのだが、どうせなら別の趣味だと嬉しかった。


「モーリス! このハンマーを使ってそれを粉々にしなさい! 一回くらい痛い目見ないとフォルティは一生このままよ! 本来なら妻である私が鉄槌(てっつい)を下すべきだけれど、モーリスに(ゆず)ってあげるわ。後ろ向いているから終わったら教えて頂戴。けけ、決して虫入りの瓶が潰されるところを見たくないとかじゃないわ! 夫の悲しむ姿を見ないであげる私の配慮なのよ!」


 イザベラは早口で(まく)し立て、持っていたハンマーをモーリスに渡し、後ろを向いた。


「お嬢様、それは流石に……」


 オロオロしているモーリスがかわいそうになったので、ウォーレンはイザベラを止めようとする、が。先に喋ったのはフォルトナートだった。


「しょうがないですね……では、奥の手です。イザベラのとっておきの秘密をウォーレンに教えてあげましょう」

「何よ、秘密って」


 イザベラがちらりと顔だけ振り返る。


「二階に書庫がありますよね。そこにイザベラが隠しているものがありまして、それはなんと……」

「わああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


 イザベラが大声を上げながらフォルトナートの前へ駆けつけ、両手で彼の口を押さえ付けた。イザベラは半泣き状態だ。外で見るお姉さまタイプのかっこいいイザベラさんはどこに行ってしまわれたのだろうか。


「なな、なんでそのことを知っているのよ!! いままで誰にもバレてなかったのに!!」

「ふご……ふが。私の調査能力はご存じでしょう。こんなこと朝飯前ですよ」


 フォルトナートはイザベラの手を避けながら言った。その顔は勝ち(ほこ)っている。


「……そのことは誰にも言わないで」

「そうですね。ならこの幼虫さんたちは見逃してください」

「わかったわ……これで私の矜持(きょうじ)が守られるのなら諦めましょう……」


 しょんぼりしながらイザベラはモーリスに渡したハンマーを返してもらった。


 勝負に決着がついた。


 まったく人騒がせな夫婦だが、なぜか本気の喧嘩になることはない。イザベラは皆に慕われ頼れる女性であるが、そんな彼女のマウントを取りここまでコントロールできるのはフォルトナートくらいのものだ。


(書庫に一体何が隠しているんだろう?)


 ウォーレンが後で詮索しようかと考えていると、


「ところでモーリスが持っている木箱は何なのかしら? まさか兄様まで変な食材を買ってらっしゃるの!?」

「おお! ウォーレンもついに同志となったのですか! やっぱりファンベール家に来て正解でした!」


 いつの間に寄食仲間になっていたのやら。虫系は意外とイケることがわかったので食べたりするが生き物の変な部位やら汚物系やらはウォーレンとて厳しい。


「おいおい、待て待て。俺を寄食仲間にするな! これは花瓶だ! 昨日花瓶が割れたから代わりのものを買ってきたんだ」

「花瓶? でしたら倉庫に使っていないものがありましたわ」


 使われていない花瓶があることをウォーレンも知っているが、それは割れた花瓶と同じだ。それでは意味がない。


「倉庫にあるのじゃダメだ。どうやら一ヶ月前から屋敷に幽霊が出てるらしくてついに花瓶が割られたんだ」

「ゆゆ、幽霊ですって!? ここ、この屋敷に?」


 どうやらイザベラも幽霊は怖いようだ。


「きっと花瓶か飾られた花が原因で、幽霊様のお眼鏡に(かな)わなかったんだろう。そこで俺が幽霊様が好きそうな骨董品の花瓶を買ってきたってわけだ」


 そもそも幽霊いるのか、いたとしても気に入らなかったから花瓶を割ったという確証はどこにもないがウォーレンは自信を持って発言した。そう思っていないとやっていられないのだろう。


「それなら、大丈夫ですわね」


 やはり二人は兄妹だ。


「……その幽霊の騒ぎについて教えてくれませんか?」


 気になるのかフォルトナートは突っ込んだ話をしたいようだ。彼は怖がる素振りはまったく見せない。お化けは平気なようだ。


「お、俺が説明するのか? 変なこと喋って、の、呪われたりしないよな!?」

「ええ、大丈夫です。私は呪いを避けるための護符を持っています。後でお渡ししましょう」


 呪い除けの護符があると聞いてウォーレンは少し安心する。そんな呪い除けの護符を都合よく持っているだろうかと考えるものだが、信じてしまうのがウォーレンだ。


「そ、そうか。たしか夕方から夜にかけて窓や物がガタガタ揺れることがあるそうだ。特に厨房に多いらしい。あと、食材がなくなったりすることもあるとか。俺は実際にその様子を見たことはないが、数人の使用人が証言しているからたぶん本当だ」


 ウォーレンは使用人たちから聞いた情報を思い出しながら説明した。


「そうですか……ちなみに窓や物が揺れたのはどの場所ですか?」

「それは聞いていなかったな。モーリスわかるか?」

「あちらの通路や部屋で目撃されています」


 モーリスは花瓶が割れた場所の奥へと手を向ける。


 その情報を得てフォルトナートは一旦考え、推測したことを話し始める。


「その幽霊とやらはどうやら『西側の一階』に住み着いているようですね。厨房も、目撃情報がある部屋と通路も、割れた花瓶の位置も、全て西側の一階です」

「に、西側って俺の部屋がある方角じゃねえか!!」


 ウォーレンの部屋は二階の西側、正確には南西の方角にある。まだ二階に悪さをしていないだけでいつ手を出すかわからない。そんな心配がウォーレンから離れない。


「階層が違うので大丈夫ではないでしょうか?」

「そんなもの信用できない! そ、そうだ。今日からフォルティの部屋で寝ていいか?」

「それは嫌です。心配でしたら私の護符がありますのでご安心を」

「うぐぐ……」


 煮え切らないウォーレンだが『護符』という安心剤で無理やり納得した。


「フォルティ。わわ、わたくしの部屋にも護符を用意してくれるかしら」

「私の部屋に来ればいいのでは?」

「……そうね。では、久しぶりにお邪魔しようかしら」


 この国では基本的に夫婦は夫婦部屋に住み、家によっては夫だけのプライベートな部屋が与えられるのだが、なぜかこの家ではイザベラ専用の部屋があり、フォルトナートは夫婦部屋で過ごすことが多い。イザベラいわく、ずっとフォルトナートと一緒にいると調子が狂って戻せなくなるとのことだ。フォルトナートは反発していたが、イザベラの心の平安のためということで渋々了承している。






 その日、ウォーレンとフォルトナート夫妻は一緒に夕食を取った。さすがに調理が間に合わなかったのか食卓に幼虫が並ぶことはなかった。


 念のためフォルトナートにあの幼虫をイザベラの前に出さないよう釘を刺すと、本人も今回やり過ぎたことを自覚しているらしく承諾してくれた。


 夕食後、ウォーレンが護符を受け取りにフォルトナートの部屋へ(おとず)れると、なぜか部屋に入れてもらえなく通路で待たされた。しばらく待った後、色んな模様が書かれた縦長の紙切れを渡してくれた。フォルトナートは何やら慌てた様子だった。


 そしてウォーレンは眠りにつこうと自室のベッドに入っていた。護符はベッドの近くに置くといいとフォルトナートから聞いたので枕の隣に置いている。


(フォルティから護符をもらったし、だ、大丈夫だよな。昨日はよく眠れなかったし、ぐっすり眠れそうだ)


 あっという間にウォーレンは眠りについた。




「ん、何の音だ?」


 深夜、ウォーレンは音で目が覚めた。寝ぼけまなこで音の発生源を見ると、ガタガタ、ガタガタと寝室の窓が音を立てながら揺れている。


(ま、まさか。幽霊様!?)


 一瞬で目が冴えてしまった。呪いよけの護符とはなんだったのか。あくまで呪いを避けるだけで幽霊そのものには効果がないのか。


 窓を注視するとそのガタガタ音が止んだ。幽霊が去ったのかとホッとしたその瞬間、スーと窓が上に開いていく。部屋の窓は下から上に持ち上げるシングルハング型だ。


(カギを閉めてなかった!?)


 見えない何かが窓の隙間から部屋に入って来る。上がった窓は自重で閉じられることはなく『それ』は外に繋がっているようだ。よくよく目を凝らすと月の明りで舞っている埃が見えだし、ある空間だけ埃がないのがわかった。ぼんやりとその輪郭が浮かび上がる。


 形としては断面の大きさが変わらない棒のようなもので、柔軟性があり触手のようにグネグネと動いていることがわかる。その透明な触手は部屋の物を確認するかのように触りだし、触れると同時にガタっと揺れたり動いたりしている。


 ウォーレンは逃げ出すことを考えたが、寝起きの状態で逃げ切れるか不安が残り、『それ』が襲ってくることも踏まえ躊躇(ちゅうちょ)していた。できることといえば、お願いだからこっちに来ないでと祈りながら息を潜めることだった。


 壁に背中を押し付けた体勢で見守っていると、透明な触手は部屋の中央を調べ終え、次はウォーレンの目の前へと近づいてきた。


(や、やばい!?)


 ぐっと壁に背中を押し付ける力が強くなる。焦りながら周りを見渡すとフォルトナートからもらった護符が自然と目に入る。唯一の対抗手段として咄嗟に出た行動は、枕元にあった護符を手に取り透明な触手に押し付けることだった。


(うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお)


 護符が触手に触れるとビクッとして、素早く部屋から外に戻っていく。張り付いたのか護符はそのまま持っていかれてしまった。触手の先端が窓にぶつかり、バンっと大きな音を立て、再び静寂が訪れた。


 警戒状態が解け、ウォーレンは詰まっていた息を吐き出すが興奮状態で息が荒い。時間をかけて呼吸を整え、今の状況を再確認する。


(助かった?)


 そして、この危機から脱するきっかけとなった護符を思い出す。


(護符が効いた!! ありがとう、フォルティ!! めっちゃありがとう!!)


 心の中でめっちゃ感謝しているが幽霊を退治できたかは(さだ)かでない。しかし、危機的状況を脱したことには変わりない。興奮冷めやらぬうちに開いていた窓を閉じ、眠りに着こうとするが、興奮は冷めやらず眠れない夜を再び過ごす羽目になった。







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