今宵は月が丸いから~集まって、輪になって~
~プール Side~
「霊夢さーん。この机はどっちですかー?」
「それはあっちの端の方にお願い。それと、それ終わったらその近くの落ち葉とかちゃちゃっと集めちゃって」
「はーい」
「おい霊夢。うちのプールをあんまりこき使うなよなー。あれじゃあすぐへばっちゃうぜ」
「平気よ。最近体力作りもしてるって言ってたし。っていうか、あんたも早くに来てるんだったら準備手伝いなさいよ」
「私はプールがどうしてもって言うから連れて来てやっただけなんだぜ~」
「ったく。あ、こら萃香!なんでもう飲んでるのよ!」
「いいじゃんかちょっとくらいさ~。ほら、分身たちはちゃんと動かしてるから」
「それとこれとは話が別でしょ!っとにもう!」
「あはは……」
この間の魔理沙さんとフランさんの弾幕ゴッコから一週間。今日は予定してた通り、新しくこちらに来られた人の紹介も兼ねての宴会なので、今はその準備の真っ最中です。と言ってもそれももう終わりが近づいてて、後は机を用意して料理を準備したら出来上がりですね。魔理沙さんも、最初はちゃんと手伝ってくれてたんですけど、途中でサボり始めちゃったし、萃香さんも小さい分身に任せて本人はお酒飲み始めちゃってるしで、霊夢さんももはや呆れてます。まぁ、それもいつもの風景の一つ、って感じなんでしょうけどね。
「にしてもプールも物好きだよな~。わざわざ自分から手伝いたいだなんてよー」
「いつも場所や準備、片付けまでお世話になってますからね。このくらいしないと失礼ですから」
「そうよ。むしろこいつが普通なんであっ、あんたらや他のやつらがほとんど手伝わないのがおかしいの!」
「あら?私達はその分料理やワインを差し入れてるのだけど?」
「レミリアさん。それにフランさんに咲夜さん、美鈴さんにパチュリーさん、ルドアさんも。こんばんは」
「ご丁寧にありがとうございます、プールさん」
「ヤッホー!プールも魔理沙も一週間ぶり~!」
「霊夢さん、お手伝いに間に合わず申し訳ありません。今から出来ることでしたら、なんなりと申し付けてください」
「あぁ、別に大丈夫よ。準備はもう大体終わってるから。それより、出来ることなら片付けの時に手伝って欲しいわね」
「レミィやフランが早くに寝なければ、大丈夫でしょうね」
「何言ってるのよパチェ。夜こそ吸血鬼の本領だもの。むしろ元気になっていくくらいだわ」
「最近えっと……けんこーてきな生活ってのを試してるんだー!ね。ルドアー?」
「はい。遅くまで起きるのは身体によくありませんからね」
「こりゃ期待できそうにないんだぜ」
「プールさん。この間教えたトレーニング、実践されてるみたいですね」
「え?分かるんですか?」
「はい。筋肉の付き方や、身体を動かす時の感じが前よりもずっと良くなってます。この調子で頑張っていきましょうね!」
「は、はい!ありがとうございます!」
「いつの間にか門番とも仲良くなってんだなー」
「仲良くというか、身体を鍛えるためのアドバイスをもらってるんですよ。トレーニングの方法とか、どういう食べ物が良いかとか」
「ふーん。ま、好きにしたら良いと思うんだぜー」
「あ、ちょ、魔理沙さん!まだ準備終わってないですから!」
「霊夢ももうすぐ終わるって言ってたし知らねぇな~。私はちょっと散歩してくるぜー」
「もう……」
「ふふっ、言わなくていいんですか?」
「ぜ、絶対に言いません!!」
「なになにー?内緒話~?」
「な、なんでもないですから!」
「え~?うっそだ~!」
紅魔館の皆さんが来られて、少しにぎやかになったと思ったら、入れ違いで魔理沙さんがどこかに行っちゃいました。ほんとはこの身体を鍛えてるっていうのも、少しでも魔理沙さんの役に立ちたいから、って事なんだけど……やっぱりまだ恥ずかしくて面と向かっては言えないな……。っと、沈んでる場合じゃないや。早く残りの準備もしないと。
「おや~?あれに見えるはプール君にレミリア様ご一行じゃあございませんか。一番乗りは失敗したか~」
「狙ってもないこと言ってんじゃないわよ」
「お、なんだよ萃香~、もう飲んでんのか?あたしも混ぜろよ~」
「そっちももう飲んでんじゃんか~」
「はぁ、やっと酔っ払いから解放されたわ……」
「ご苦労様だねぇ……」
「でもパルスィ、あんまり嫌そうに見えなかったよ~?」
「んな!?そんなわけないでしょ!あんた!質問したらぶん殴るからね!」
「やぁん。お兄さんこわ~い。助けてプールきゅーん」
「こっちを巻き込まないでくださいよ……」
「パルスィもアンスさんも、あんまり羽目を外しすぎちゃダメですよ?」
「分かってるわよ」
「ほんとに~~?」
「そう。そんなに殴って欲しかったのなら言ってくれたらよかったのに。今すぐ殴ってあげるわよ?」
「手伝うわよパルスィ。今のは私もむかついたわ」
「うにゅ?鬼ごっこ?私もやる~!」
「お?ケンカか?混ぜろ混ぜろ~!」
「うっるさ~~~い!!あんた達ちょっとは静かに出来ないわけ!?」
「ほ~ら怒られた。お姉さんたち大人なのにダメだね~フランちゃん」
「ね~」
「アンス。あんたは酒運ぶの手伝いなさい。騒ぐ原因だった罰よ」
「あぁんひど~い。俺は静かにしてたのにな~」
「僕も手伝いますから、早くやりましょう?」
「ひゅ~!プール君ってばやっさし~い!こりゃあ女の子達からの好感度急上昇間違いなしですなぁ~」
「あんたは常に下がりっぱなしだけどね」
「いいのいいの。俺はここぞってとこで決めて一気に掻っ攫っていくタイプだから。今はあえて落としてるのだよ」
「だから口より先に手を動かしなさいっての」
「うぃっす」
地霊殿の皆さん……というか主にアンスさんが来たことでさっきの数倍にぎやかになってきた。毎度思うけど、なんでアンスさんはこんなにも馴染むのが早いんだろう……。やっぱりコミュニケーション能力の差なのかな。僕ももっとアンスさんみたいに……いや、アンスさんみたいにじゃダメだ。とりあえず、今よりはもう少し積極的に話していけるようにならないと。
「あやややや?もう既にかなり人数が集まってるようですねぇ」
「ほらもう!神奈子様と諏訪子様がゆっくりしすぎるからですよ!」
「いいじゃないか。神様ってのは重役出勤上等だよ」
「文字通り身体が重いんだろ。言ってやるな」
「よーしそこの広場に出な。さっきの修行じゃまだ足りてなさそうじゃないか」
「はーい、どうどう。霊夢がすっごい睨んでるからこの辺でね」
「皆さんお久しぶりです。今日は妖怪の山の警護も無しだからゆっくりしますよ~」
「椛、明日朝からだったと思いますけど、飲みすぎると後が怖いですよ?」
「大丈夫ですよ文様。今日はゆっくり飲む予定ですから」
「ほほう。そうかいそうかい。それじゃ、ゆっくり飲もうか?あたし達と」
「おーう、いいな。久々にお前達とも飲みたいと思ってたんだ。烏天狗の方も来な。飲み比べだ」
「あ、文様……」
「諦めましょう。このお二人から逃げることなんて無理です」
「妖怪の山の皆さん、お久しぶりです」
「ちっ、プールか。それに吸血鬼どもに地底の連中だな。やりにくいやつらばっかだ。あのバカはまだか」
「あら、ずいぶんな言い草ね?私は構わないけど、うちの従者達が殺気立っちゃうから、あまり強い言葉は言わないことをオススメするけど?」
「はっ、主の命もなく知人に危害を加えるようじゃ従者として失格だろ。それを主が許可するというなら、主の人格に問題ありだ。その両方がありえないなら、お前らは俺に攻撃しない。そんくらい分かってんだよ」
「これは信頼されてる、と思っていいのかしら?」
「はい。ここの人たちは少なくとも平気だと思ってらっしゃいます」
「さとり妖怪。それ以上言うようなら俺はもう帰る。気分を害される相手と酒を飲むほど俺は心は広くない」
「ごめんなさい。あなたが帰ってしまうとアンスさんも悲しみますからね」
「ミディットさん、うちのお嬢様は寛大で、私も咲夜さんもこの程度で心を乱されるほどではありません。ですが、あまり過激な言動をされますとフラン様が触発されかねません。お気を付けを」
「そもそもこんなとこでドンパチやるつもりはねぇよ。あの赤巫女が睨み利かせてやがるからな。そんなことも分からずやろうとするなんざ、うちのバカ神1号だけで十分だ」
「離しな諏訪子」
「やーめーなーって!」
「もう!神奈子様!いい加減になさってください!」
なんというか、こっちはこっちで大変な……ミディットさんも相変わらず言動は棘っぽいですけど、少しずつここの皆さんのこと信頼されてるんだと思います。最初は本当に、誰も寄せ付けないほどでしたし。多分、相当な過去をもってらっしゃるんでしょうけど……。さて、後来てらっしゃらないのは……っ!!な、なんか寒気が……
「あらぁ。もう皆集まっちゃってるじゃなぁ~い。持ち込みの料理作ってたら遅くなっちゃったわ~」
「ふふっ。でも、まだ始まってないようですし、良いじゃないですか」
「ふぅ……やっぱりここまでは中々距離がありますね」
「ご主人様、ちょっと修行が足りないのでは?」
「そうだぞ~。なっさけないな~」
「あ、ぬえちゃ~ん!」
「こっちこっち~!」
「お、フランにこいしか!お前らも来てたんだな」
「あ~らら、行っちゃった。友達と遊ぶ子供だね~あれじゃ」
「いいではないですか。あの子にとって数少ない理解者なんです」
「ワシらよりも、あの子らの方が気が合うじゃろうからのう」
「聖さん、お久しぶりです。うちのこいしがたまにお世話になってるそうで」
「うちのフランもお世話になってるそうね。感謝してるわ」
「さとりさんにレミリアさん。良いんですよ。ぬえと仲良くしてくださってますから」
「そうよぉ~。それに、あの子たちすっごくおいしそうにご飯食べてくれるんですもの。腕の振るいがいがあるわ~」
「プール?あんた何あたしの後ろに隠れてんのよ」
「ちょ、霊夢さん!言わないで!」
「あら~!!プールちゃんじゃないの~!!そ~んなとこにいたのねぇ~」
「ふぃ、フィリーさん、お、お久しぶりです……」
「やぁん!ちゃ~んとフィリーって呼んでくれるなんて、お姉さん嬉しいわぁ~!お返しに、とびっきり美味しいご馳走、期待しててねぇ~」
「は、はい……ありがとうございます」
「ありゃりゃ~。プール君ってば、まーだフィリーちゃんに慣れてないのね~。た~いへん」
「あんたは口より手を動かしなさいよ」
「そんな風に言いながらも手伝ってくれる天子ちゃんマジ天使。名前が天子じゃなくて見た目が今と違って性格も今と違ってたら愛してる」
「それただの別人でしょ。いいからさっさとやるわよ」
「へーい」
「アンスちゃんってば、いっつもあんな調子ね~。でも、あぁいう自由奔放なところもいいわ~」
「結局誰でもいいんじゃねぇか」
「あらぁ、そんなこと無いわよ~?で~も、ミディットちゃんのことは、ちゃ~んと好きだから、安心してね?」
「とりあえずそれ以上近寄るな」
「ざ~んねん。まぁ良いわ。霊夢ちゃん、ちょっとお台所借りてもいいかしら?まだ少しだけ仕上げが残ってるの」
「えぇ。良いわよ。今日も期待してるからね」
「まっかせてん。それじゃプールちゃん、あとでね」
身体中に寒気が走ったけど、なんとか表に出さずに笑顔で見送ることに成功した。うん……フィルさん、悪い人ではない……むしろすごく良い人なんだけど、やっぱり慣れない……気に入ってもらえるのは嬉しいんだけど、距離感って大事だなぁ……。
「あら、うちが最後かしら?」
「姫様がいつまでもゲームしてるからですよ」
「良いじゃないの。どうせ早く行ったって手伝わされるだけだもの」
「威張って言うことじゃないような……」
「さってと~、今日は誰にイタズラしよっかな~」
「俺は別に止めんが、永琳にどれだけ怒られようと知らんぞ」
「な~んちゃって~!今日はお酒の席だもんね~。楽しくやらないとな~~!」
「扱いに慣れてきましたね」
「犯人探しをさせられるのはごめんだからな……ただでさえ、今日は仕事しないといけないかもしれないんだ」
「ローディさん。お久しぶりです」
「プールか。お前は元気そうで何よりだな。他の連中も……まぁ大丈夫だろう」
「ローディさんは大丈夫ですか?また顔色が優れませんけど」
「大丈夫かといわれれば大丈夫だが……帰って良いと言われれば帰りたいというくらいにはだるいな」
「あはは……」
「お身体が優れないようでしたら、マッサージなどでも致しましょうか?少しは心得はありますが」
「いやいい。人に身体を触られるのは苦手だ」
「あんたも医者に近いし、能力のためには相手に触る必要もあるのに人に触られるの苦手って、変なもんよね」
「変なのって概念が服着て歩いてるやつが人に変だなんて言ってやがる。珍しいこともあるもんだな」
「あら、竹林から半径100メートルから外に出てるのを見られる方が珍しいくらいの珍獣がいるわ。捕まえて剥製にでもしてやろうかしら」
「引きこもりが剥製作って誰に自慢するんだ?自己満足しかできねぇのに見られねぇ見栄なんて張らなくていいぞ?」
「そこの広場に出なさい。今すぐぶっ殺してやるわ」
「上等だ」
「止めなさいって姫様」
「妹紅もだ。これ以上やると霊夢が怒るぞ」
「仕方ないわね」
「仕方ねぇな」
「おいクソ野郎。能力はどうした」
「仲が悪すぎる相手にはききませ~ん」
「やっぱお前は使えねぇな」
「来て早々酷くない?」
「ビリーさんもお久しぶりです」
「おお、プール君!久しぶりー。どうだい?魔理沙とは進展あったりしたのかい?」
「な、なななな!なんにもないですってば!!というか、ぼ、僕はそういうつもりじゃなくって!!」
「あっははは!可愛い反応だなぁ!」
「ビリーの分際で年下からかって大人ぶってんじゃねぇ」
「いでっ、ちょ、悪かったから、かかとを地味に踏むなって、それいた、いぃっ!!」
「み、ミディットさん!僕なら大丈夫ですから!」
「お前のためじゃねぇ。俺がイライラしたからだ」
「はぁ……頼むから少しくらい静かにしてくれ……」
そこから30秒くらいずっとミディットさんはビリーさんのかかとを踏み続けてましたけど、とりあえず主要メンバーは揃いましたかね?あの人は……妖精の子たちの所にいるだろうから来ないでしょうし。後は紫さんたちの所と、幽々子さんの所ですけど……多分一緒に来られますよね?
「霊夢さんや~い。こっちは準備終わりましたよ~っと」
「霊夢ちゃん。こっちの準備もオッケーよ」
「ご苦労様。さて、後は今日の主役が来たら良いわけだけど、紫のやつから連絡が無いのよね。ったく、何やってんだか」
「呼んだかしら?」
「遅いのよアンタは」
「ごめんなさいね。幽々子たちと、近くにいた騒霊の子たちを回収してたのよ」
「はぁ~い。お待たせしちゃったかしら~?」
「すみません。幽々子様が少しだけおなかに入れてからが良いっておっしゃられたので遅くなりました」
「おお~!すっごい人数!こんな中で演奏するのたっのしみ~!」
「うん。これは腕が鳴るね」
「ふふっ、楽しみね~」
「紫様、幽々子様たちだけのせいにしちゃダメですよ。起きたのつい5分前ですのに」
「おや、橙ちゃんもいるのかい?珍しいねぇ」
「あ、お燐さん!藍様、行って来てもいいですか?」
「あぁ、行っておいで。迷惑をかけないようにね」
「はい!お燐さんお久しぶりです。お空さんも」
「久しぶり~!」
「で、こんだけ集めた原因はどこよ」
「そんな言い方しないの。ほら、出てらっしゃい」
「あ、はい」
「あら、今度のはまた随分細いわね」
「はいは~い。今いる皆注目~」
スキマから現れた紫さんとその他大勢を見ている間に、いつの間にかもう一人、見慣れない人がいた。多分、あの人が今回新しく来た人だと思う。なんというか……第一印象はすごく細い?というか、幸が薄そうに見えるというか。そしていつの間にか魔理沙さんが横にいてすっごいビックリしたのは内緒。
「今日集まってもらったのは新しい仲間の紹介のためよ。はい、挨拶してちょうだい」
「あぁ……。俺はうだ……違った。俺はレイン。レイン・アディース。とりあえず今は紫さんのとことで世話になってる。まぁ、よろしく」
「てなわけで、レインよ。彼も能力持ちで、彼の能力は『感情を制御する程度の能力』。誰か一人の昂ぶってしまった何かの感情を、普通の状態に戻せるって能力よ」
「一応捕捉すると、同時には一人にしか使えない。俺の視界に入ってる相手か俺自身が対象になる。一回使ったら5分は使えない。大体の感情は抑えられるけど、涙を流す感情……感動とか、悲しみとか、そういうのは止められない。うん、そんな感じ」
「それってなんかに使えるわけ?」
「ケンカしそうになってる所を片方だけでも止めたり、嬉しさとかで興奮してる人を止めたり、とか?」
「まぁ、便利っちゃあ便利ね」
「無理にフォローしなくてもいい。元々こんな力持ってなかったから、いざって時に使えるかわかんないし」
「ん?そうなのか?今までのやつらって大体元々変な能力持ってたんだぜ?」
「へ、変なって……」
「俺は、ちょっと特殊だったからかな。本当なら死んでたはずだし」
「ちょ、それどういうことよ!」
「本当ならっていうか、実際死んだはずなんだ。でも、死んだはずの世界で、永遠に苦しんでる状態が続いてた。そしたらなんか声が聞こえてさ。前の世界と違う世界になる。それでもここから助かりたいか?って、少し悩んだけど、俺はこっちを選んだ」
「それが、紫だったってわけ?」
「いや、違う。間違いなく声が男の声だった。紫さんにも聞いたけど、それは知らないと言われた」
「そうなの?」
「えぇ。私が見たのは彼が今にも死にそうな状態で倒れ伏してる所から。普通なら放っておいた所だけど、面白そうな力を持ってたから、つい連れてきちゃった」
「あんたねぇ……まぁいいわ。あんたも大変だったみたいだし、命拾ったんなら喜んどきなさい」
「うん。十分喜んでるよ」
レインさん……一度死んでから蘇るなんて、普通だと有り得ないけど……この世界だと、そういう力もあるのかな……?でも、霊夢さんのあの驚き様からしたら、多分無い、よね。もしかして、まだ僕達の知らない何か、誰かがいるとか?でも、だとしたら何を考えて……
「……ル。おい、プール!」
「え?ま、魔理沙さ、っ!!か、顔!顔が近いです!」
「お前が返事しないからだっての。ほら、他のやつらも集まってんだ。外から来たもん同士、挨拶でもしときな」
「あ、は、はい!」
「ったく。まーた辛気臭い顔しやがって……」
「あんたも大変ね」
「そのとーりなんだぜー」
~Side Out~