第二章 第四節
なんとか今日中に投稿出来ました……!
ある日、その欲望が抑えきれなくなった。
理由は、欲望を抑え込める許容量を超えてしまったから。
なんとなく感じてはいた。毎日、少しずつ欲望が溜まっていくことを。
確信していた。この欲望は、人を刺す以外では解放することはできないことを。
今の私は、何をしでかすか分からない。
急に狂って、人前でナイフを振り回すかもしれない。
私と友達になってくれた優しい女の子を、刺してしまうかもしれない。
そんなの……絶対に嫌だ。
私は、無駄だと分かっていたけれど、自分の左手をナイフで刺した。
激しい痛みが私を襲った。
「やっぱり……駄目か」
人を刺したいという欲望は、減ることはなかった。快感も、感じなかった。
そう。自分自身を刺しても、傷は治るが、欲望は解消されない。
あくまでも、他人を刺さなければいけないのだ。
……刺したい。
刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺した い。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。本当は刺したくない。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。刺したい。
人を、めった刺しにしたい。
欲望がとめどなく溢れ、抑えられない。これ以上は……無理だ。
生まれて初めて、人を刺すことを決心する。
私は大雨の日を待った。
大雨が降っていれば、道端で人を刺したとしても、その血は雨が洗い流してくれると思ったからだ。
今思い返しても、随分と浅はかな考えだったと思う。
人を刺す決心をしてから数日後の夜、運が良いのか悪いのか、激しい雨が降った。私はこの日を決行日にした。
そして私は、ニュースなどで語られる通り魔と同じように、夜中に1人で道を歩いている見知らぬ人を、後ろから刺した。
今までに感じたことのない強い快感を得たのと同時、その人はナイフから逃れて振り向き、反撃の体勢をとろうとした。が、私はすかさず、今度は正面からその人を刺す。
その時ようやく、その人が私と近い年齢の男性だと分かった。
さすがに2度も刺されたせいか、その人は少しふらついた後、俯向けに地面に倒れた。私は追い打ちをかける。
溜まりにたまった5年間の欲望をぶつけるように、めった刺しにした。
一刺しするたびに、大きな快感が身体中を駆け巡った。
ああっ、気持ちいいっ……!
世の中に、こんなに気持ちいいことがあったんだ。そう強く思うほどの快感だった。
最高に気持ちよくて、止めたくない。もっとこの快感を味わいたい。
そう思い、何度も、何度も、何度も刺した。そして……。
目の前に、血の海が広がった。
それでようやく、私は正気に戻った。自分がやったことの恐ろしさを理解した。
「私は、なんてことを……」
死なないと言っても、刺された人は痛みを感じる。
私は数えきれないほど刺した。
その回数分、刺された人は痛みを感じる。
本当なら死んでしまうような激しい痛みを、何度も。
「ごめんなさい……」
涙があふれてくる。
加害者が泣くなんてとんでもない、泣きたいのは刺された被害者のはずだ。
「ごめんなさい……」
そう思うのだけど、涙が止まらない。
「ごめんなさい……」
私はとんでもない悪党だ。
私に生きる価値なんて、ない。
そう、ずっと思ってはいた。私のような、人を刺したいなんて気持ちを持つ、欠陥を持った人間が生きていていいはずがない。
人を殺さないだけで、やっていることは快楽殺人者と変わりがないのだから。
「私なんて……死んじゃえばいいんだ……!」
そうだ。私なんて死ねばいい。
死のう。
ナイフだと死ねないから、どこかのビルの屋上から飛び降りよう。それなら死ねるはずだ。
そう、決めた時だった。
「泣か、ないで」
急に、声が聞こえた。
「……何故だか、よく、分からないけど、僕は生き、てるみたい、だから……。そんなに、泣かないで」
私が刺した人が、そう言った。
死ぬほどの痛みに襲われているはずなのに、とても苦しそうなのに、無理矢理微笑んで、そう言ってくれた。そんな人を、私は……。
「ごめんなさい、ごめんなさい……、ああ……、うぁあああああああ…………!」