魔女と魔物の島1
「……おかしいわね」
港に上陸したウォルタが呟いた。彼女達一行はレーダーに従い、次のミラストーンのある、シャイン島という場所にやって来ていた。
「ああ、港だって言うのに人の気配がないな」
フレイが言った。
「船もわたくし達が乗ってきたもの以外は停まっていませんね」
フウが言った。
「なんだか薄気味悪い島だな。とっととミラストーンを入手して、おいとまするとしようぜ」
グランが言った。
「そうしたいのは山々だけど、この空気は異常よ。とにかく慎重に行き……」
ウォルタがそう言いかけた次の瞬間、四人の目の前の石畳を割ってクモの姿をした魔物の大群が現れた。
「魔物!? ちょっとどういうこと? ここ街中よ!」
ウォルタが腰のホルスターから魔法銃を引き抜きながら言った。
「確かに変だけど、現れちゃった以上は倒すしかない!」
フレイが魔法剣を構えながら言った。
「上陸早々、戦闘ですか。先が思いやられますね」
フウが槍を構えながら言った。
「所詮は雑魚の群れだ。アタシのハンマーで一掃してやる!」
グランがハンマーを構えながら言った。
「よし……行くわよ!」
ウォルタの言葉と共に四人は目の前の魔物へと立ち向かって行った。
「くくく、遂に来ましたね獲物共が」
同時刻、島のとある場所で何者かが口を開いた。
「やっとかよ。まったくノロマな連中だぜ」
そう言ったのは鬼女の一人であるバジリである。
「そう? まあ、せっかちすぎるあんたにしてみれば、彼女達がノロマに見えてもしょうがないわよね」
同じく鬼女の一人、アルラが言った。
「んだとぉ! やんのか、コラ!」
「ええ、いいわよ。ここのところ地味な任務ばかりで、ちょうど体がなまっていたところだもの」
バジリとアルラは互いの視線で火花を散らした。
「まあまあ、お二人共、仲がよろしいのは結構ですが、暴れるのはもう少し我慢して頂けませんか? 彼女達がこの島にやって来た以上、暴れる機会はいくらでもありますから」
先程の声の主が二人をなだめながら言った。
「だれが仲良しだ! ……まあ、これからでっけえ祭が始まるんだ。暴れんのは我慢してやるよ」
バジリが言った。
「そうね。楽しみはとっておかなくちゃ。ここまでもったいぶらされた分、暴れまわってやるわ」
アルラが言った。
「ははは! お二人共、やる気十分ですね。それこそ鬼女のあるべき姿です」
そう言うと、謎の声の主はその場にいる四人目の人物に顔を向けた。
「それでは魔女狩りの始まりです。頼みましたよ、アカリさん」
「……了解」
そう答えると四人目の人物は三人に背を向けて去って行った。
「もう! なんなのこいつら! 倒しても倒してもキリがないわ!」
港で魔物との戦闘を続けるウォルタが言った。
「こうなったら一気に蹴散らすぞ!」
『マキシマム』
そう言うとフレイは魔法剣に魔導石をスキャンし、巨大化させた剣で魔物達をなぎはらった。
「わたくしも続かさせて頂きます!」
『スパイラル』
そう言うとフウは槍に魔導石をスキャンし、矛先をドリル型に変化させた槍で魔物達を貫いた。
「うざってえ、これでも食らってろ!」
『アブソーブ』
そう言うとグランはハンマーに魔導石をスキャンし、岩石を帯びたハンマーで魔物達を打ち飛ばした。
「よし! 仕上げは私が!」
『ラピッド』
最後にウォルタが魔法銃に魔導石をスキャンし、ガトリング型に変化した銃から放たれた銃弾で残りの魔物達を打ち抜いた……かのように見えたのだが、ウォルタは一体の魔物を取りこぼしていた。そして、その魔物は背後からウォルタに襲い掛かった。
「ウォルタ! 後ろ!」
フレイが叫んだ。
「しまっ……」
ウォルタがそう言いかけた次の瞬間、どこからともなく飛んできた金色の閃光によって、その魔物は打ち抜かれた。魔物は光の粒子となって消えた。
「ウォルタ! 大丈夫か?」
ウォルタのそばに駆け寄って来たフレイが言った。
「な、なんとかね……それよりも今の攻撃は一体?」
ウォルタが閃光の飛来してきた方向に目をやると、そこには銃を手にした一人の金髪ロングヘアーの少女の姿があった。
「ふぅ、危ない所でしたね」
少女が腰のホルスターに銃を収めながら言った。
「え、ええ。ありがとう、助けてもらって」
ウォルタが少女に歩み寄りながら礼を言った。
「礼なんていいですよ。あなた達が魔物に襲われたのは私達の責任ですから」
「ん? どういうことかしら?」
「そうですね、何から話したらよろしいのか……まずは結論からお伝えしましょう」
「結論?」
「ええ、簡潔にいいます。この島、シャイン島は今、魔物達の支配下に置かれているんです」
「っ!? なんですって……」
少女の言葉にウォルタ達は目を見開いた。




