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魔女と魔導石4

「あったわ! これね、魔導石!」


ウォルタは岩と岩の間から魔導石を抜き出し、手で握りしめた。


「後はこれを持ち帰るだけだけど……」


ウォルタは自らが落ちてきた足場を見上げた。


上では魔物が大きな雄たけびを発していた。


「あれを倒さないことには戻れそうにないわね。フレイ、ロープある?」


「ああ、もちろん!」


フレイはバッグから、かぎ爪付のロープを取り出してそう言った。


「なら、とっとと上がりましょう。この魔導石を使って、リベンジよ!」


「おう!」


二人は顔を見合わせてそう言った。




「待たせたわね!」


穴から這い上がったウォルタが魔物に向けて言った。


そして先に上がっていたフレイに、ライトを預けた。


「じゃ、作戦通りによろしくね」


「任せて!」


そう言うとフレイは、左手で持ったライトの光を魔物に向け、右手で剣を構え、魔物に向けて駆け寄り、斬撃を食らわした。


「岩人形! ウチが相手だ!」


一方、ウォルタは左手で魔導石を握った状態で、腰のホルスターから、右手で魔法銃を取り出した。


「フレイが魔物を引き付けている間に、準備を完了させないとね」


そうつぶやくとウォルタは魔法銃に軽く魔力を込め、銃に刻まれた魔法陣を発光させた。


そして左手に握った魔導石に刻まれた魔法陣を、銃の魔法陣と合わせた。


『デュアル』


ウォルタの握った魔導石が音声を発した。


「石がしゃべったぁ!?」


魔物と交戦中のフレイは思わず驚いた。


「魔導石に埋め込まれた、古代の音声記録装置よ。これが鳴ったってことは、魔導具に新たな力が加わった証拠だわ。それに『デュアル』ってことは……」


ウォルタは魔法銃を強く握り、再び魔力を込めた。


すると魔法銃全体が光に包まれ、その光の中から、もう一丁の同型の魔法銃が出現した。


「なるほど、こういう効果ね!」


ウォルタは二丁の魔法銃を両手で握ると、笑みを浮かべた。


「ウォルタ、行けそうか?」


魔物から距離を取ったフレイが叫んだ。


「ええ! 単純計算で威力は二倍、これなら!」


ウォルタは二丁の銃を、フレイがライトで照らし出した魔物に向けて構えた。


そして、両方の銃の引き金を同時に引いた。


二丁の銃から放たれた二本の閃光は、魔物の胴体の一点に収束し、貫いた。


魔物は怒号とともに光の粒子となって消えた。




「やっと、闇から解放されたわぁ!」


洞窟から脱出したウォルタは、憑き物が落ちたような顔で言った。


「しかし、銃が増えるなんて、魔導石ってすごいな」


ウォルタの握る魔導石をジロジロ見ながらフレイは言った。


「この程度で驚いてもらっちゃ困るわ。魔導石が魔導具に与える効果の種類は未知数、まだまだ様々な効果を持った魔導石が、世界には眠っているんだもの!」


ウォルタは目を輝かせてそう言った。


「へぇ、それは楽しみだな……それよりウォルタ」


「何、フレイ?」


ウォルタは笑顔で振り向いた。


「その石、依頼者に渡す前に、勝手に使っちゃってよかったのか?」


「……あっ」


ウォルタはその場で石のように固まった。


数日後、無事、解析の終わった魔導石が、ウォルタの元に送られてきた。


その時の魔導石を手にしたウォルタのテンションの上がりっぷりは、言うまでもないものだった。

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