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魔女と魔物釣り1

「ついたわよ」


「おう」


ウォルタとフレイの二人は、サラ川の東にあるヒカ湖という大きな湖にやって来ていた。


「今日の仕事はこの湖に最近現れた、一匹の魚型の魔物、ギラフィッシュの退治よ」


ウォルタは湖を指さしながらフレイに言った。


「退治するのは分かったけど、どうやってそいつを見つけるんだ? まさか、潜って戦うのか?」


フレイは泳ぐジェスチャーをしながらウォルタに尋ねた。


「いいえ、わざわざ相手の得意とする領域には入らないわ。これを使うの」


そう言うと、ウォルタは担いでいた長い袋から、釣り竿の様なものを取り出した。


「なるほど、魔物を釣るってわけか!」


「正解。この釣り竿は対魔物用の特別製、餌も魔物が好む特別な物を使用するわ。これを使って、魔物を水中から引きずり出してから、倒すのよ」


そう言うと、ウォルタは道具を広げ、準備を始めた。


「普通の釣りは何度かしたことがあるけど、魔物釣りは初めてだ。楽しみだなぁ」


「言っとくけど、退治が目的なんだから、獲っても食べれないわよ」


「誰が、魔物なんか食べるか! 楽しみなのは、釣りそのものの事だよ!」


「そうです。釣りの醍醐味は釣りという行為そのものなのです!」


突如、二人の会話に何者かが割り込んだ。二人が振り返ると、そこには釣り竿を抱えた、一人の銀髪のポニーテールの女性が立っていた。


「……どちら様?」


ウォルタは眉間にしわを寄せながら、女性に尋ねた。


「突然失礼。わたくしの名はフウ。釣りが趣味の一人の魔女です。そちらの赤髪のお嬢さんの考えに同調して、思わず話しかけてしまいました」


フウはそう言うと、二人にお辞儀をした。


「別に構わないわ。私はウォルタ、こっちはフレイ。魔女ってことは、あなたも依頼を受けて、ここに来たってこと?」


ウォルタが尋ねた。


「いいえ、わたくしがここに来たのはプライベートです。この湖に魔物が出現してからというもの、他の魚たちが住めなくなってしまったと聞き、退治に参ったのです」


フウは答えた。


「それは殊勝なことだけど、正式な依頼を受けてここに来たのは私たちなの。悪いけど、魔物退治はこっちに任せてもらえない?」


ウォルタは申し訳なさそうにそう言った。


「そうですか、残念です。しかし、せっかく釣りを通じて出会えたのです。ここは一つ勝負と行きませんか」


「勝負ぅ?」


ウォルタは眉をひそめた。


「ええ、どちらがその魔物を釣り上げることができるかで勝負しましょう。勝負はあくまで釣り上げられるかどうか。退治そのものはそちらにお任せします。どうです?」


「へぇ、面白そうじゃん。ウォルタ、やろうよ!」


「はぁ、また面倒なことになったわね。まあ、いいけど」


「よっしゃ、フウ、その勝負乗った!」


二人とフウの釣り勝負が始まった。

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