すまんな、俺の期待外れだったわ。
俺とお前、最後まで立っていた方が勝ちだ。正義か悪かじゃない、勝ちか負けかってだけだ。だから、俺とお前、どっちが勝つかなんて分かんねえよなあ!
「ってなわけで俺の勝ちだ」
単純なジャンケン勝負だとか、そう言うしょうもない決着なんかじゃねえ。きっちりかっちり殺し合いをした。人間はどうも人を殺そうとすると躊躇いが出てくるらしい。最後は人間である方が死ぬ。人間らしさなんて当の昔に捨ててるんだよ、こっちはよお。
「すまんな、俺の期待外れだったわ」
じゃあな、醜悪な人間。最後までお前は人間だったぜ。
俺はまた目標を見失う。こうしているうちにまた世界では命が生まれ、そして失われる。一体俺はよお、何してんだろうな。
「あーあ、つまんね」
俺はこの世のスベテに嗟嘆する。
「俺を満たすモノはなかった。破獄の祁答院メギドは結局のところ狭い檻の中だったってわけだ」
「あーあ、世の中つまんねえ」
「面白い事だと思っていても、そんなの一時的なものでしかねえ」
「トップに立ってしまえばそれは途端に面白くなくなる。ゲームだってクリアすれば面白くない。何だってできるは、何もできないと同じだって言うけどよお。やっぱりそうだなあ」
しみじみと思う。
「俺に匹敵するモノが現れない限り、俺の憂鬱は続く」
「どうにか俺を満たしてくれるものはねえのかなあ……」
こうして俺はまた、果て無き旅に出る。
「俺はこの世のスベテを壊しつくしてやる」
祁答院メギドはきっとまた別の作品で登場すると思います。