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神々と行く異世界物語  作者: 雪待涼介
第一章-ダレイ国-
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魔剣?

「魔剣ねぇ・・・」

帰宅した自分は三人にこの剣の事を話した。

「確かに通常の剣とは異なりますが、これは命を奪ったり不吉なことが起こる類のものではありませんね」

どうやら心配していた物とは違い使用者の命を削ったりするものではないそうだ。安堵している時にふと疑問に思ったことを口にした。

「もしかしてこれって魔力があったりしますか?」

武器や防具には時として魔力が付与されているものがあるらしい。もしかしたらこの剣も魔力を帯びているのかもしれない。

「ええ、普通に魔力を放っていますよ」

ツラナギが言うにはこの剣の魔力に惹かれて様々な出来事が使用者に降り掛かったのではと推測した。不審死の原因に魔力が関係しているのなら、この世界で魔法を扱える人全員が狙われるのではないだろうか。そんな疑問を持っていたのだが、魔力を常時発動していなければそんなことは無いこと。


そんな話をしていると数人の人物がこちらへやってきた。

「良い住処じゃねえか」

そう言って物色し始めた。どうやら最近王都を追放された者のようでここが元アジトって事を知らないようだ。

「お前ら、ここを譲ってくれねえか?」

そう言って刃物を突きつけてきた。

「ふむ、どうやらこの剣は人をも引き寄せる力があるようですね」

そう言いながらブツブツと剣を見つめながら呟いていた。それが気に障ったのか野盗の声が荒々しくなった。

「無視してんじゃねえぞ!」

ナイフがツラナギの喉目掛けて突きつけられた。寸でのところで止まっているが少し当たったのか血が滲み出てきた。それをものともせずツラナギは剣を見つめたまま動かないでいた。

「リトルボム」

そう言って喉元に突きつけられたナイフを弾き飛ばした。そして最近覚えた初級魔法イグニッションを使い殴りかかった。

イグニッション。その技は自分の体の周りの一部を爆発させる技だ。これだけだとただの防御技なのだが、爆発する推進力を活かして様々な応用に使うことが出来る。例えば、足にイグニンションを使いその衝撃で一瞬だけ加速するなんて使い方が出来る。この技、と言うより爆破魔法全般の欠点として音が煩いことが難点だ。それが大きな魔法を放てば煩さは増す。故に、今回実行しようとしてる潜入なんかは苦手なのだ。

「よくもやりやがったな!」

そう言って二人、三人と刺しに掛かってきたのだが全て躱しイグニッションで推進力を得た蹴りが二人を襲った。その蹴りで相手は気絶し、殴った賊は仲間を見捨てて逃げて行った。

「ツラナギさんツラナギさん」

そう言って肩を叩く。それに気付いてかようやく口にした。

「ああ、すみません。私、考え事をすると周りが見えなくなってしまうタイプでして」

そう言って魔剣?を返してもらった。それと同時にこの剣は魔力を宿した剣であって邪悪な魔剣ではことを説明された。


「今まで賊がいたんですよ?」

「おやおやそうでしたか。それでその賊とやらは?」

自分はそこで伸びている二人を指差した。

「慣れるのが早いですね」

「野盗より怖いのが近くにいますからね。それに比べたら」

「誰が怖いんだって?」

「うわっ!?」

バッとその場から飛び退き振り向いた。するとそこには偵察に行っていた二人が帰ってきていてた。

「背後を取られるなんてまだまだ半人前だな」

シナツヒコとタケミカヅチだ。偵察に行っていた彼らが言うには有益な情報を手に入れられたので早く戻ってこれたとのこと。

「それで、有益な情報とは?」

ツラナギが聞くとタケミカヅチはニッと笑顔を向けながら答えた。

「トロヴァ王が死んだ」

「え?」

トロヴァ王が死んだのって自分たちのせいなんじゃ、そう思っていたのだが話はまだ終わってないと言われそのまま聞いていることにした。

「どうもトロヴァ王は死ぬ前に自分の子供に王位を譲ったそうだ。つまりトロヴァ王には子供がいたという訳だ」

「それが以前出会った少年だったと?」

「そういうことになるな。ここからは推測に過ぎないが、トロヴァ王は先の騒乱で死亡していたのだろう。だが不安定な状況で王が死んだと言われれば、ますます混乱するだろう。それを危惧した者たちがあの少年の魔法に頼った、と私は思うのだが」

確かに、あの時戦った鎧を纏った人物は幻影だった。そして床に倒れ伏したのは少年だった。もしかするとあの少年はトロヴァ王の影武者の役割を果たしていたのかもしれない。となれば話が噛み合う。

「まぁ、直接本人に聞けば分かるんだろうけどな」

そう言ってドサッと袋を落とした。嫌な予感しかしないが取り敢えず聞いてみた。

「それって?」

「王様が入ってる」

「また大胆なことを・・・・」

そう。袋の中身はあの時の少年だ。年は10歳いくか行かないか、金髪に金色の瞳が特徴の少年を連れ去らってきたのだ。

「なに、この程度のことなど朝飯前だったぞ」

「いやいや、そういう問題じゃなくてですね!?」

一国の王子様を誘拐したんだ。これだとこの国どころか全国的にマークされる可能性が出てくるはずだ。そんなことはお構いなしと誘拐なんてするんだ。何か理由があるに違いない。

「いや、なにもないぜ?」

     神様とは自分勝手なんだなとこの時初めてそう思った

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