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8 成城、音信不通

-10月14日08:00分-

 

 尚は学校へ行く支度を済ませ家を出た。バスに乗り込み携帯のニュースサイトを開く。


 今朝のニュースを見て驚いた。お母さんが配食に行く学校の校長先生のお母さんが亡くなっていたのだ。

それだけではなく、遺体発見現場付近の人々の消息が途絶えているとのことだった。あのニュースを見たとき、なんとなく胸騒ぎがしたのはこれだったのか。


 尚は携帯を閉じた。ニュースサイトでも今朝のニュース番組と同じことしか書いていなかった。


 「恵里」


 尚は一言つぶやく。


 恵里は成城に住んでいた。遺体発見現場からはやや離れているが、昨日送ったLINEにはいまだ既読がついていなかった。


 まさか変な事件に巻き込まれてないよね、尚は祈るような気持ちで今日学校に恵里が来ていることを願った。





-10月14日09:00分成城警察署内刑事部捜査1課-


 大軒は司法解剖の結果を聞いていた。司法解剖の結果、成城にあった遺体は佐々木照子本人であった。照子の皮膚には甚大な火傷が多数あり、また極度に体内の水分がなくなっており、血液は300ccほどしか残っておらず、体内の組織液はほとんどなくなっていた。まさしくミイラだ。


 しかし、それ以上に解剖医を驚かせたのが、下半身の筋肉の異常発達である。筋委縮性側索硬化症を患っていた照子は、1年前から寝たきりであり本来なら動けるはずはない。はじめこの事件は誘拐事件と思われたのもそれが理由だ。


 しかし、解剖医の見解を聞き刑事部ではその認識とは別の、彼女自身が自ら移動した可能性もあるとした。


 解剖医の話では、考えられないとのことだった。筋委縮性側索硬化症は神経性の麻痺症で現在の医療技術では完治不可能である。


 それなのに照子の下半身は限定的とはいえ、筋組織が回復し自力で動けると判断できるほどの筋肉があった。それともう一つ気になる点として甲状腺の肥大化があげられた。


 詳しい検死結果が出るまでは不明だが、事件事故両方の可能性で探っていた刑事部だが、十中八九事件であると断定していたので、それ以外についても考えなければいけなくなった。


 それに、遺体現場付近の家の人間の消息が途絶えたことも気になる。連絡をしても通じないし、当然ながら向こうからの連絡もない。


 大軒は頭を悩ませながら、何か手がかりをつかむため再び遺体現場に行った。



-08:30三花女学院-


 尚は教室に入り、自分の席に座る。恵里は今日もいなかった。トイレにいるかもと思ったが机のフックに鞄がないので、今日も来ていないのだろう。


 尚は落ち着かない心を落ち着けようとしていた。しかし一度恵里のことを考え出したら、それ以外全く考えられず、この日尚は授業を全く言っていいほど聞いておらず、昼ご飯を食べるのもせず気づいたら放課後になっていた。



 これから毎日午後10:00頃投稿しようと思います。多少時間が前後するかもしれませんがお許しください。

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