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1 騒がしい女子高生の朝

「おかあさん、私のカーディガン知らない?」


美島尚うつくしまなおはやや慌てて自分の母である美島素うつくしまもとに尋ねた。


 「はぁ?知らないわよ、あなたの部屋に転がってるんじゃないの?」


素もややあわただしく尚の質問に答える。


 「嘘、私どこ置いちゃったんだろう!やばいよ、恵里えりに新しく買ったカーディガン今日着てくるって約束したのに!」


尚はあわただしく汚い自分の部屋をガチャガチャと探し出した。


 「だからいつも掃除しなさいってあれほど言ってるでしょう!」


素が怒っていたが尚はもう聞いていない。カーディガンを探すのに必死である。


 尚の部屋は床が見えないほど物が散乱し、机の上は自分の大好きな生物図鑑や生物の参考書、はては高校2年生の尚が読むには少々難しすぎる大学生向けの生物の教科書などが所狭しと置いてある。


 その中を尚はやや涙目になりながら、ファストブランドで買ったピンクのカーディガンを探している。


 時刻は08:15分と普段尚が家を出る08:00分を超えている。


 ああ、見つけなきゃ!嘘つきになっちゃう!そしたら恵里は私のことを嫌いになっちゃう!夢中で探し続ける。


 「尚!いつまで探してるの!学校遅刻するわよ!」


母の怒声が聞こえるが尚の耳には届いていない。


 尚は昔から1つのことを考え出すとそればかりに固執してしまい、周りが一切見えなくなる子であった。


 また約束事に関して以上に厳しい態度をとるのであった。それが友達に新しく買ったカーディガンを見せるというほんの些細な事であっても。


 素はそんな尚の性格を知っているので


「わかったから。お母さん先に仕事行くわね。あなたも遅刻しないよう家を出るのよ」


そう声をかけ家を出て行った。


「あった、よかった!」


尚はようやくカーディガンを見つけ出し時計を見た。08:27分。始業時刻は09:00分である。


尚が通う区立三花女学院中高等学校(みはなじょがくいんちゅうこうとうがっこう)は尚の家からバスで20分ほどである。


 尚の家からバス停までは歩いて5分ほどである。次のバスは08:35分。尚は大慌てで残りの支度をおこない走りながらバス停まで向かった。

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