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魔法少女になりそこねたただの不思議少女シズコ劇場

自分より馬鹿だと話が通じない、自分より頭がいいと話がわからない。


「私ね、わからないことがあるの」

っと、高木家三女おんとし17歳シズコが高木家の玄関先の石段のところに座ってシズコの3年付き合っているであろう同じ学校の制服を着た青年に話し始めた。

「なんだい」

っと、青年がシズコに優しく言う。

「桃太郎は桃から生まれたでしょ?」

っと、シズコが幼稚園児でも知ってそうな話を出す。

「そうだね」

っと、学生服の男が微笑みながらシズコに言う。

「でも金太郎ってどっちから生まれたかわからないよね?」

っと、シズコが不思議そうな顔で言っている。

「っと、いうと?」

っと、青年が語りかけるように聞く。いつみてもこの青年は聞き上手な返事をすると思う。

「金てオカネからなのかな?それともゴールドのほうの金なのかな?」

っと、シズコが不思議発言をしました。そうすると青年はなんて答えたらいいだろうかと考えたそぶりを見せたあと

「金玉の金かもしれないよ~」

っと、こちらも負けずとトンデモ発言をした。二人共大笑いをして今日もバイバイをした。


こうして母命名、「魔法少女になりそこねたただの不思議少女シズコ劇場」は終わった。シズコ劇場は夕方過ぎから始まるため夕方からいるものしか高木家で見るものはいない。


今日、放課後の喫茶店も休みにしてこんな早くに家にいるのは今日が月に一度の学校開放日だからだ。

先月の開放日に他校の生徒がアリス寮を囲った事件でかぐやが疲れ果てたらしくこれからは開放日は毎回俺の家に直接行くと言ったからだ。


「高木、あの青年はなんていうんだ?」


かぐやが質問してきたが俺も聞きたいところだと思った。

実はシズコと一緒にいた青年は三年前から家の前でシズコ劇場を繰り広げているが、青年の名前を知るものはシズコ以外いない。何故ならシズコに彼の名前は?っと聞くと


「彼ねかわいいの、あれでこうでそれでこうであれこれあれこれかくかくしかじか」


っと、彼のことが出てくるのは最初だけで後はまったく関係ない話しかされないからである。そもそも彼の名前を聞いただけなのに何故関係ない話を延々聞かされるのだろうか。


そういえば今日は珍しく早く帰った母が久しぶりにシズコ劇場を見て


「あの不思議発言・・・、本当に私の産んだ娘なのだろうか?」


っと困惑した表情で呟いた。この気持ちはわからないでもない。現実主義者ばかりの高木家で唯一の不思議ちゃんだものね。


シズコ劇場を見終わった俺とかぐやは部屋に戻った。


「現実主義者の高木家の中でシズコとは変わり者なんだな」


家の中なのに帽子とサングラスを装着しているかぐやが言った。なんで家の中なのに帽子とサングラスをしてるかといえばまだこの時間は俺の部屋に姉妹が勝手に入ってくるという暴挙があるから俺の家族にかぐやだとばれないためである。


「そうだな・・・シズコは変わり者の中でも特に変わってると思う」


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