湖
水が滴り落ちる
胸の奥
がらんどうの水瓶
水を貯める
高らかなその響きを
数えながら
汲まれることのない
想いを溢れさせれば
静謐な湖となり
柔らかにやわらかに
それは在って
滴り落ちれば
震えはいつも
心を揺らすから
心はいつも
私を揺らすから
確かな足もとなど
どこにもなくて
それがどこか
悔しくて
それがなぜか
嬉しいから
生きる
愛しさよ
響き渡れ
生きる
悲しみよ
這い渡れ
ひとつ残らず
私の中へ降り落ち
私と言う人間を満たす雫
涙になど
するものか