パジャマを取られても怒っちゃいけません
拘束をといてもらい、暫く心愛さんと甘い時間を過ごした後、僕達は一回のリビングに向かった。
僕の両親は海外での仕事が多く家に帰って来ることが少なかった。
ほとんど一人暮らしみたいなものだけど心愛さんがいつも家に家にきてくれるから寂しくはない。
というか、もう同棲してる気がする、うん。
「ご飯用意するね」
「うん、ありがとう」
心愛さんがテキパキと朝食の用意をするところを眺めるのが僕の日課だった。
きっと良い奥さんになるんだろうなぁ。
朝から幸せな気分に浸っていると、お味噌汁のいい匂いがしてくる。
お腹も早くエネルギーを吸収したいのか、グーと音をたてた。
「じゃあ食べよっか」
「いただきまーす!」
これぞ朝食!というような料理が並ぶ中、僕は一品一品しっかり味わいながら食べていく。
「やっぱり心愛さんの料理は美味しいよ」
「ほんとに?ふふ、嬉しい」
ニコっと微笑む心愛さん。
もういろんな意味で、ご馳走さまです!
ふと、僕はあることに気付いた。
さっきから心愛さんが食べていない。
「心愛さん食べないの?」
「んー、もうお腹いっぱいなの」
「朝食の前に何か食べたの?」
「ううん、大翔くんを見てるだけで私には十分なの」
………よし、この天使今すぐ抱き締めてやる!
僕は立ち上がると座っている心愛さんを後ろから抱き締める。
「きゃっ!大翔くん……?」
「僕も、もういっぱいいっぱいです!」
「ふふ、私達一緒だね」
心愛さんも僕の方を向くと優しく抱き締めてくれた。
いつの間にか心も体も満たされていた。
「ご馳走さまでした」
「お粗末さまでした」
お互いの食器を洗い、自分の部屋に戻ると学校の準備を始めた。
制服に着替えようとした時、心愛さんが入ってきた。
「どうしたの、心愛さん?」
「着替えるの手伝ってあげるね」
「……………え?」
当然のように僕のパジャマのボタンを外していく心愛さん。
僕は困惑しながらも必死に抵抗する。
「い、いや…着替えは一人でできるよ」
「だーめ!私が着替えさせるの!」
いつの間にか手伝いから着替えさせるに目的が変更されていたが、今は気にしている余裕はなかった。
「はぁ…はぁ…大翔くんの裸…!」
「なんか興奮してる?!」
尋常じゃない鼻息の荒らさだった。
先ほどと違いギラギラと目を輝かせる、ワイルド心愛さん。
「逃がさないよぉ…大翔くん!」
「いやぁぁぁぁ!!」
スパッ、という音と共に僕は上半身裸にされていた。
あぁ、もう大翔お嫁にいけない!
「んぅー!大翔くんの匂いがするよぉ!」
「嗅がないでぇぇぇぇ?!」
僕のパジャマをクンカクンカペロペロetcする心愛さん。
なんてこった、あのパジャマは僕の宝物になるじゃないか!
「下もヌギヌギしようね…♪」
「下はダメ、絶対!」
CMの宣伝のように声をあげる僕に対して全く止まる気配のない心愛さん。
突然、僕の下半身を見ると急に顔を赤くした。
「だ、大丈夫だよ…大翔くん!」
「?」
「大翔くんのがちっちゃくても…わ、私気にしないから!」
「…………………………」
うん、気にするとこズレてるなー、この子。
その後、何とか下半身を死守しようやく制服に着替えると僕達は学校に向かった。
……………べ、別にちっちゃくなんかないんだからね!