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grey and brack   作者:
1/5

《01》破壊姫

グレーは笑った。

新しい玩具を手に入れた時の子供のように。ケタケタと楽しそうに笑った。

廃墟の床に突っ伏した●●●を蹴り飛ばし、壁に打ち付けられたその体を左足のハイヒールで

力いっぱいに踏みつける。

グレーがヒールの踵で擦り付ける度、その体はギチギチと悲鳴をあげ、グレーは喜悦の笑みを浮かべ

さらにその足に体重をのせた。


゛これはね、ゲームなの。゛


動かなくなった男の体を痛めつけることに飽きたのか、血が付いたヒールを脱ぎ捨てて男の顔に

投げつけ、小さく言葉を呟いた。

小さく。だが、楽しそうに。


゛わたしはグレー。このゲームの鍵。壊すもの。すなわち、破壊姫はかいひ。゛


歳は大体15か16と見える少女…グレイは素足のまま、硝子の上に足をつけ、

男に向かってゆっくりと歩きだす。


゛あなたは偽物だった。肉を引き裂いた時の血が、悲鳴をあげない。゛


ジャリ、ジャリ。

足と硝子が擦れ合い、嫌な音が廃墟の中を埋め尽くす。


゛ねぇ、○○○は……何処?あなた、偽物なんでしょう?゛


そう言って、グレーは男のシャツの襟を強引に引っ張った。


゛○○○は、かくれんぼ上手だから。それもただ隠れるだけじゃないの。゛


゛影から、ひとりづつ、綺麗にケスの。゛


前髪に隠れたグレーの右目が、怪しげに赤く光る。


゛その子の影にうつりこんで、油断したトコをゆっくり痛めつけるの。

……こうやって゛


グレーは声もださず、ただ項垂れた男を手刀で刺した。

ドスリ、とついた瞬間に血のぬめりが奏でられる。


゛まずは腹。貫いて、内臓を抉って、真っ赤で綺麗な花を咲かせる。゛


グレーが手を中でかき混ぜる。体の重要な部分である胃を握りつぶし、消化物が

汚物となって血と混ざり合い、床に零れた。


゛わたしはそれが好きで始めのうちは見ていたけど、

これ以上やられると、ゲームが面白くないからね。そろそろ、遊んでなくちゃなって。

ね?ボルドーさん゛



男…ボルドーは、既に死んでいた。



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