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二章6話 試合観戦?観光・・・


エリスは第三試合で負けた。


前の試合でエリスが使ってしまった事もあり、相手に九薙流(英雄と同じ剣技)を使えることがばれていた為、エリスも遠慮無しに技を使って戦ったのだけど相手が悪かった。

身体強化の魔法かな?エリスの速度と張り合い、攻撃力も今まで見た中でも桁外れ、おまけに刀を拳で受けても傷付いていないうえに衝突時の音も生身と刀の鳴らす音じゃなかった。

もの凄いチートだと思う、あれに勝つには、なんとか不意をつき場外を狙うしかなかったんじゃないかな?


「お帰りエリス、残念だったね」


戻ってきたエリスはそれほど落ち込んでいる様子は無かったので安心する。

結果は第三試合敗退、でもこの世界(エルリオール)に比べると比較的平和な国で暮らしていた者にとってはいい結果といえるんじゃないだろうか?

それにしても、トモカさんといいエリスといい、エルリオールに来る娘はどうして元の世界じゃ非現実的な力を持っているのだろう?まぁ、それがエルリオールに呼ばれる最低条件なのかもしれないけど本当の所は分からないので無駄に考えないようにしておこう。


「あ、エリス帰ってきたんだ・・・って、し合い終わっちゃった!?」


エリスの試合は上の空で観客席ばかり気にしていたトモカさんは、エリスの試合をバッチリ見逃したようだ、昨日ユウヤさんを見かけたって言ってたから観客席に居ないか気になって仕方ないのだろう。


「ごめん、全然見て無かったよ・・・」


「いえ、仕方ないですよ」


エリスも僕と同じように考えているようで、トモカさんを責めるようなことは無い。


「さて、アタシの試合も終わりましたし・・・これからどうしましょう?」


僕もトモカさんも試合は終わっている、冒険者学園の単位取得条件もクリアしてるし、もうフリージアに用は無い・・・


「学園に帰る?」


「帰るなら受付で本戦通過者全員に記念品が配られてるから、忘れずに貰って帰るんだぞ。でも俺としては決勝まで観戦して行ってほしいんだがな、強者の戦いは見るだけでも良い経験になる・・・」


「「「え?」」」


突然男の人が声をかけて来た、選手用の観覧席に居るってことはこの人も選手なのかな?僕達の話を聞いていたようだ。


「君達がカームの言っていた転入生だろ?俺はナクル、ナクル ファオストだ、クレンシスで格闘学科の教師をしている」


「あぁ!クレンシスからの出場選手の一人!」


「もう負けたけどな、で、さっき言ったように決勝まで観戦して行ったらどうだ?」


僕達は特に急ぐ用事が有る訳でも無いので、ナクルさんの勧めるようにこの後にある試合を試合を決勝まで見ていくことにした。

と、次の試合を待っていたんだけど何故か選手の一人が試合に現れず、先にリングに来ていたフードを目深に被った魔法使い風の男の人が不戦勝になった。


今日の試合はもう無いってことで僕達は宿に戻ることにした。

宿に戻る道すがら、大会も終盤に差し掛かり明日は準決勝が行われる為、街はもの凄い賑わいを見せている、人々も雰囲気に乗せられお祭りのように立ち並ぶ屋台を楽しそうに回っている。

大会の方に気をとられてあまり気にしていなかったけど・・・楽しそうだなぁ。


「エリス、トモカさん、ちょっと回っていかない?」


せっかくだからイベントには参加しておくべきだ、何か面白い物や情報が手に入ることだってあるかもしれない、ま、ゲームならだけど・・・


「良いですね」


「大会に合わせて街もお祭り騒ぎなのね、うん、良いんじゃない」


三人で街に出ている出店や出し物なんかを見て回る。


「結構いろんな物が有るね~、あ、イズミ君アレやったら?」


トモカさんの示したのは、射的かな?


「おう、やってくかい?」


「射的?」


「そうだ、この杖は魔力を送ると風の気弾が出る仕組みになっててな、それで的を5回狙い、合計点に応じて景品がもらえるって訳だ、やるかい?」


「当然、最高得点を叩き出してあげるわよ!イズミ君が!」


「あ、やっぱり僕?」


銃が杖になってるけど問題無いかな、気弾の出方を確認すれば後はいつも通りに撃つだけ・・・


「えっと、『シュート』」


―ビシュン―


「おお!!」


弾は的の中心に中る、ふむ、杖の先から真っ直ぐ飛ぶみたいだね、これなら銃と同じ感覚でやっても大丈夫かな?


「『シュート』『シュート』『シュート』『シュート』」


―ビシュン―


―ビシュン―


―ビシュン―


―バキ―


弾は寸分狂う事無く最初に中った場所に中り最後の一発で的を貫いていた。


「これでいいのかな?」


「おお、驚いた、満点だニイチャン、この中から好きなのを二つ持って行きな」


二つか・・・丁度良いからエリスとトモカさんに選んでもらおう。


「2人とも、欲しいの選んで良いよ」


「あ、やっぱり?イズミ君ならそう言うと思ってたよ、じゃあ私これね」


トモカさんは僕に射的を勧めた時からこうなるのを狙っていたみたいだ、迷わず赤い宝石の填まった首飾りを選んだ。


「エリスはどうする?」


「えっと、アタシが貰ってしまっていいんですか?」


「いいよいいよ、僕も特に欲しい物が有るわけでもないしね」


「そうそう、エリスは遠慮なんかしなくていいから、なんだったらイズミ君に全部取らせようか?」


「いや、やらないからね」


それ屋台荒らしだから、今一瞬、屋台のおじさん泣きそうになってたよ。


「では、これで・・・」


エリスが選んだのは黄色い種っぽい物に紐の付いたアクセサリーのような物。


屋台のおっさんが景品の説明をしてくれた。2つとも只のアクセサリーじゃないようだ。

トモカさんの首飾りには風による矢避けの加護が付加(エンチャント)されているらしい。

エリスの選んだ装飾品は宿り気の種と言い、物に意思を持たせることの出来る物らしい、よく子供たちが人形等に使用してペットのように扱っているそうだ。


この後も僕達はお祭りの屋台を見て回り、色々と戦利品を手に入れて宿へと戻った。


まぁ、イベントでアイテムGETは基本だよね。


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