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序章2話 トモカ 再び異世界


部活が終わり部室を出た。


目の前に有りえない物があった、空間に奔る亀裂、黒い空間を覗かせるそれは徐々に大きさを増していく。


「え?これって・・・」


不味いと思った瞬間にはもう遅かった。亀裂が弾け一瞬で大きな裂け目となったそれは、私をあの時と同じようにあっさりと飲み込んだ。












気が付くと森の中にいた。


「やっぱり、エルリオール?」


とにかく現状を確かめることにする。部活が終わり着替えた所だった為、私の格好は学生服(女子用)で、なぜか部活で使っていた弓と矢を数十本所持していた。ここがエルリオールなのだとしたらこの装備は有り難い、兄さん達のように剣を振るうことは出来ないけど弓術なら得意だ。


辺りを見回す、元の世界ではありえない植物に囲まれた森の中、直ぐ側に泉が有るけど今はそれよりも厄介なものを見つけてしまう。


近くに居すぎて気付かなかったけど、私の隣に学生服を来た男の子が眠っていた。


歳は私と同じくらいかな?同じ学校の制服ではないけど近くの学校の制服だ、間違い無く地球人である事が予想できる、彼が悠にぃのように私の召喚に巻き込まれたのか、私が彼の召喚に巻き込まれのかは分からないけどおそらく前者だろう、私は前にエルリオールに来た時、自分の役割を果たせずにただ助けられるだけだった。私の役割を代わりに果たし私がやるよりもいい結果を残したのが、その時私の召喚に巻き込まれた悠にぃだった。だから私はこの世界(エルリオール)での役割を果たさないまま元の世界(地球)に帰った事になる・・・


「そう、前に果たせなかった役割を果たせって事なのね」


そうすると、巻き込まれたこの男の子はどうしようか?元の世界に返す方法は有る、悠にぃを捜せばいいだけだ、でもどこに居るかも分からない人を探すのに今の状態は不味すぎる、とにかくどこか落ち着ける場所に移動しないと・・・いつ魔物に襲われるかわかったものではない。


元の世界に戻ってからはそれなりに身体を鍛えてはいたけど、さすがに男の子1人担いで周囲を探索なんて出来ないし、どうしよう?とりあえず起こしてみよう、眠っている男の子の肩を揺すり声をかける。


「ん・・・ん・・・」


あ、起きそう、男の子が目を覚ます。しばらくぼ~としていたけど私と森の中に居る状況に気付き驚いたような顔になる。その後自分の姿を確認して更に混乱したような表情になる。


「え?あれ?」


様子がおかしい、怪我でもしているのかな?


「大丈夫?どこか怪我でもしたの?」


私は出来るだけ優しく問いかける、そして男が落ち着くのをじっと待つ。


「いや、不思議なことに怪我1つ無いよ、どうなってるんだろう?

あぁ、ここが死後の世界か・・・なんだか普通の森の中にしか見えないんだけどなぁ・・・」



「まだ混乱しているみたいね、急にこんな所で目覚めたら仕方ないのかもしれないけど、落ち着いて聞いて、ここはエルリオールって言う地球とは違う異世界なの」


「ふ~ん、そうなのか」


急に言われても理解できないよね、うん、仕方ないこの人のことは私が守らないと・・・


「元の世界に帰る方法ならちゃんと有るから今はここを離れよう、どこか安全な場所でちゃんと話すから・・・」


「え?異世界って言ったよね、それに安全な場所って、ここってもしかして普通に魔物とかの居る世界?」


「うん居るよ、だから移動しよう」


「へ~、なら魔法とかもあるかな?夢の中・・・」


なんだろ?何か呟いてるみたい、魔法とか夢とか聞こえた気がするんだけど・・・


とにかく今は人の居る所を探しに行こう。


男の子を連れて側にあった泉から出ている小川に沿って歩いて行くことにした、その内人の住んでいる所に出るでしょう。


「あそうだ、まだ言ってなかったね、私はともか、九薙(クナギ) ともか」


「あ、僕は一純(イズミ)夕凪(ユウナギ) 一純」


「イズミ君ね、大丈夫ちゃんと元の世界に帰れるから、それまでよろしくね」


「え、あ、うん、よろしく・・・」




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