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二章3話 イズミ対トモカ


「えっと、それじゃあ全員予選通過できたんだね?」


予選を終えた後トモカさんとエリスと合流して結果報告、どうやら全員予選通過できたようだ。


「と言うことは、無事課題達成って事かな?」


「ですね、意外とあっさり終わりましたね、本戦はどうしましょうか?」


「本戦出場が課題条件だから一回戦はでなきゃだめでしょ?」


トモカさんの言う通りなんだけど、正直あまり戦いたくないんだよね、ま、一回戦だけ出て負ければいいし、勝ってもその後は棄権すればいいか・・・


「アタシはいける所まで行ってみたいんですけど、九薙の剣がこの世界でどれぐらい通用するか試しておきたいですし」


「じゃぁまぁ、いける所まで行くってことでいいよね、戦いたくないなら負けるか棄権すればいいよ、うん」







翌日、第一試合が始まる・・・僕達は会場となる闘技場で対戦表の発表を待っていた。


強い人と当たりませんように・・・ま、武闘大会に出るような人が弱いとは思えないけどね。





 第一試合一回戦


  不意打ち魔法使い     射撃魔法弓使い

  イズミ ユウナギ  対  トモカ




「「え~~~~?」」


「一回戦でいきなり仲間同士で当たるなんて、運が悪いですね・・・」


しかもこれからすぐじゃないか!うわぁ、どうしよう・・・もう棄権する?


「あはははは、イズミ君どんな勝ち方したのよ?不意打ち魔法使いって・・・ははははははは」


「トモカさん笑いすぎ!それよりどうしよう?僕が棄権しようか?」


「え?せっかくだし試合しよう(やろう)よ、まぁ倒すまでしなくてもいいから・・・」


「え、でも・・・」














『それでは!第一試合1回戦・・・・・・始め!!』



結局押し切られて僕はトモカさんと試合をすることになった。


せっかくだから不意打ち魔法使いの汚名だけは返上しておこう・・・



試合開始と共に僕もトモカさんも遠めの距離を取り、詠唱に入る。


トモカさんは魔法で構成された矢を数本同時に弓に番え、僕は前方にいくつもの小さくいろんな色の魔法陣を展開する。


形は違うけどどちらも射撃魔法だ。


「『フレイムアロー』!」


トモカさんが矢を射る。放たれた後にそれらの光が赤に変化し炎の矢が僕に迫ってくる。


「『アイシクルバレット』!」


僕は魔銃で目の前にある魔法陣の中から青色の物を矢と同じ数だけ撃ち抜く・・・魔弾は氷の弾と化してトモカさんの放った炎の矢とぶつかり、弾け散る。


「どんどん行くよ!!」


こっそりいつでもゴーレムを出せるようにしておこう、僕の方とトモカさんの方に一体ずつ、やばかったら防御するように命令を出しておく。


魔法は僕とトモカさんとの間で次々と弾け散っていく。


「ん~只の撃ち合いじゃ決着つかないね、それじゃこんなのはどう?『ライトニングレイン』!」


トモカさんが番えた魔法の矢を僕の方ではなく、斜め上、僕の頭上に向かって放つ。

魔法の矢は僕の頭上で弾け雷の雨となって降り注ぐ・・・うわぁ、あれ喰らったら凄く痛いよね?

僕は『アースウォール』で頭上をガードする、雷の矢で良かった、地の壁は雷をそのまま地面へと逃がす。


「そう言えば『アースウォール』(それ)が有ったんだったね、じゃぁ・・・『アイシクルレイン』!!」


今度は氷の雨、僕は『アースウォール』を上と前面に作り離脱する。

壁のせいで僕の動きは見えていない筈、これなら狙いをつけることも出来ないだろう・・・


「ふふ、九薙を舐めちゃ駄目だよ・・・雷牙!!」


審判の人にも聞こえないような小声で呟いたのがなぜか僕にははっきり聞こえた。


不味い、上の壁を氷がぶち抜き、前方の壁を雷を纏った矢が粉砕した。


追撃が来る!


「『バーニングアロー』!」


「『アクアスパイラル』!」


炎を水で相殺、結構ギリギリだ、でも、だんだん射撃魔法の使い方に熟れてきた。

この試合も魔法の練習と思えばなかなかに有意義だ、こうなったらとことんやろう。



トモカさんの放つ魔法を僕が相殺する、僕の放つ魔法をトモカさんが相殺する、僕たちの間でぶつかり弾ける射撃魔法は様々な色の光を散らして消えていく・・・


どれだけの間撃ち合っていただろう?やがて僕もトモカさんも魔力を使い果たしてお互いに攻撃を止める。


「お互い魔力を使い切ったみたいね、じゃあイズミ君にはもう勝ち目が無いんじゃないの?」


確かに、僕の戦闘は完全に魔力に頼りきっている、魔銃もストックしている弾を使いきった今魔力も無い為もう撃てない、かといって接近戦をできる武器も無い、素手で戦うなんてもっと無理だ。


でも・・・


「まだ、1つだけ手札が残ってるんだけどね・・・」


「ん?試してみる?」


いや、試合に勝つのが目的じゃないし、トモカさんの要望にはもう十分応えただろう。


「やめておくよ、もう十分戦ったでしょ?」


「そう?試してもいいよ?」


「多分雷牙で吹っ飛ばされて終わりだからね、やっぱり止めておくよ」


僕の敗北宣言後、審判がトモカさんの勝利を宣言する、その後直ぐに僕はリングを下りる、トモカさんは次の試合を棄権する事を伝える為残っているようだ。



「イズミさん、お疲れ様です」


「はは、まぁ負けちゃったよ」


勝つつもりも無かったからいいんだけどね。


「でも、イズミ君ったら魔力も尽きたのにまだ何か手を残してるんだよ」


トモカさんも戻ってきたようだ。


「たいした手じゃないよ、魔法の被弾防止にトモカさんと僕の側にゴーレムを待機させてただけだからね、『アースウォール』が雷牙で壊されたんだからゴーレムで奇襲をかけても雷牙で破壊されると思うしね」


「その奇襲なら十分脅威だと思うんだけど・・・」


でもトモカさんなら十分捌ける筈だ、ゴーレムは動かさずに元に戻しておいた。


「後は、エリスの試合だね」


僕は負けてトモカさんも次の試合を放棄した為、残るはエリスのみだ。


「はい、アタシの剣がこの世界(エルリオール)でどれぐらい通用するのか試してきます」


「九薙の技は極力控えるようにしなきゃ駄目だよ、英雄と関係があるなんて知られると面倒な事しか残らないからね」


「ただ、同じ流派ってだけでしょ?何か問題あるの?」


「大有り、斬空の英雄が私たちと同じ世界の住人なのは話さなかった?」


「あ、と言うことはその流派、九薙流の技を使えるのは本来この世界(エルリオール)では斬空の英雄だけなんだね」


そりゃ、ばれたら注目されるよね、そう簡単にばれるとも思えないんだけど・・・


この時僕はこの事をそんなに重大な事と捉えていなかった。


ま、大丈夫でしょ?


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