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一章10話 トモカとエリス(現状説明)


九薙流剣術、私の知る限りその使い手は2人だけのはず・・・


1人は九薙流剣術を生み出した私たち兄弟の一番上の兄、九薙(クナギ) 朝日(アサヒ)、今は地球で大学生をしている。


もう1人は悠にぃ、私のもう1人の兄で一年程前エルリオールに迷い込んだ私に巻き込まれこの世界(エルリオール)に来て、私の代わりに世界を救いエルリオールに残った。今もこの世界(エルリオール)のどこかで誰かを救っているはず・・・


だからエリスの存在は私にとって予想外以外のものでは無かった。


エリスの様子から、この世界に来たのは今回が初めて、と言うことはこの世界に居る悠にぃがエリスに剣を訓えるのは不可能、ならエリスの師匠は九薙 朝日(兄さん)ということになる、兄さんの行動を全て知っているわけじゃないけど、エリスのような弟子が居るなんて見たことも聞いたことも無かった。


「そこのところどうなの?」


エリスのおかげで無事ゴブリンの討伐依頼を終えた私たちはエリスを連れ学園に戻っていた。カーム先生に同郷の友達だと話しエリスも学園の生徒、見習い冒険者としてなぜか?あっさりと入学させてもらうことが出来た。


今はフライハイトの私の隣の部屋になったエリスと私の部屋で色々話しているところだたりする。


「トモカさんは師匠のことを知っているんですね?」


「・・・九薙 朝日、だよね?私の知る限り地球でその剣(九薙流)を使えるのは1人だけ。

だから、弟子が居たなんて初耳だよ・・・」


「そうですか?アタシが師匠に九薙流を習ってもう5年位になりますよ」


・・・5年?ちょっと待って、兄さんが九薙流剣術を生み出したのは兄さんが斬空の英雄としてこの世界(エルリオール)に迷い込んだ2年前、年数が全然合わない・・・どういうこと?


「最近は私の弓術にちょっかいかけてたから、他の事やってたとも思えないんだけどなぁ・・・」


「え?トモカさんも師匠の弟子なんですか?」


「ううん、妹だよ」


「?・・・・・・ええ!?」


あはは、この世界では悠にぃのせいで私たちの名字、クナギは結構有名になってるから、私はあまり名字を名乗らないようにしている、そのせいで気付かれなかったんだろうなぁ。


九薙(クナギ) ともか、がフルネームだよ」


「えっと、随分と歳の離れた兄妹ですね、トモカさんって高校生ですよね?」


「?そうだけど、私と兄さんは2つしか歳離れてないよ」


「?でも、師匠はいい歳したおっさんですよ」


「?」


「?」


さっきからどこか話にずれが有るように感じるんだけど・・・

私たちはお互いに頭に?を浮かべ首を傾げ合った。


もっと詳しく話し合う必要があるみたいね・・・








どうやらエリスが越えたのは世界だけではなく時間もらしい、私の居た時間から約10年後の地球から来たみたいなんだけど・・・もう何でも有り?どんな力が働いたらそんなことになるの?


ま、私の知っている時間から10年も経っていれば、兄さんが弟子の1人もとっていてもおかしくないか・・・


「なんだか厄介なことになってますね・・・もとの世界に帰る方法だけじゃなくて未来に帰る方法も探さないといけないようですね」


「あぁ、それは大丈夫。

悠にぃならそれを全部解決できるから安心していいよ」


「悠にぃ?」


「兄さんから聞いてないかな?九薙(クナギ) 悠夜(ユウヤ)、私のもう1人の兄さん、以前にエルリオールに来た時に帰らずに残ることを択んだから今もこの世界で旅しているはず・・・

悠にぃが元の世界に帰る方法を待ってるから、悠にぃさえ見付かれば大丈夫よ、時間も調整できた筈だしね」


「さすが、ファンタジー世界、何でも有りなんですね」


「さすがに死人が生き返ったりはしないけどね、結構何でも有りみたいだよ。私もイズミ君も魔法なんて使えるようになったしね」


「魔法ですか・・・」


「この世界限定だけどね、魔法に関しては、私よりイズミ君のほうが詳しいから後で聞いてみるといいよ」


「イズミさん、彼も地球人なんですよね?」


イズミ君に興味があるのかな?会った時もイズミ君のことじっと見てたし・・・惚れた?


「お、イズミ君に興味がある?でも残念、私も彼のことはよく知らないんだよ、私がこの世界に来た時に巻き込まれて来た普通の男の子ってことぐらいしか」


「そうですか・・・やっぱり似てるだけなのかな・・・」


後の方が聞き取れなかったけど何か思うところがあるみたいね、イズミ君頑張って。


とりあえず、まずはエリスにこの世界の文字を覚えてもらわないとね、しばらく学園内で活動かな。







一晩経ち、朝食の席でイズミ君に昨晩分かったことを報告して今後の予定を話し合う。


「あぁ、そうだったね、まず文字か・・・じゃぁその間僕は魔法の勉強かな」


「イズミ君が教えてあげれば?」


昨日のエリスの反応もあるからちょと仕掛けてみる。


「あ~それでも良いんだけど僕は人に物を教えるとか出来るタイプじゃ無いからなぁ・・・それにこの世界の文字って感覚で覚えてるようなものだから、ちゃんと教えられないと思うよ」


そっか、残念、イズミ君なら面白いイベントを引き起こしてくれると思ったんだけどなぁ・・・


「ま、とにかく数日は学園で待機だよね、やっぱり今後に備えて魔法の勉強しておくよ」


そう言えばイズミ君の持っていた刀『閃華』は今エリスが持っている、イズミ君の武器は減ったけど元々扱えてなかった物だし九薙の剣士(エリス)が刀を持っていないのは様にならないしね。


それじゃ私も弓以外の攻撃方法を考えないとね、前の依頼の時みたいになったら厄介だし、でも兄さん達みたいに刀を扱える訳でもないし、どうしようかな・・・ま、ちょっと考えてみますか!


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